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謝らせてやる、絶対に
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この街、リーンダール王国の王都には今、世界各地から『加護持ち』が集まっている。加護持ちというのはその名の通り、神様に加護を授かった人間のことだ。とても珍しい存在で、本来ならかなりの大都市でもひとりいるかいないかと言ったところである。
それが何故集まっているかと言えば、ここに召喚された『勇者』がいるからだ。加護持ちであれば魔王討伐の仲間にふさわしいのではないかということで、偉い人たちが勇者の同行者を探しているわけだ。
この世界には魔王がいる。魔族による被害は北の国々ではかなり深刻らしい。難民が増え、この街でも移民らしき外国人の姿を見かけるようになった。
それでも、リーンダール王国はまだ比較的安全で、だから勇者が旅の準備をする場所としてここが選ばれたという。鍛錬をし、装備を整え、仲間を探す。勇者だからといって、いきなり旅立たせるわけにはいかないのだ。
僕にも加護がある。おまけに転生者だ。ただ、加護持ちなら誰でも前世の記憶を持っているというわけじゃない。だから、転生については秘密にしている。
せっかく転生したのだから、金髪碧眼とかになってみたかった。けど、今世の僕は髪も目も地味な茶色。おまけに背が伸び悩み、小柄で華奢だ。おそらく母に似たのだろう。
僕の父は伯爵で、僕は三男だ。年は23歳になる。政略結婚の話もあったけど、加護に関係する仕事が忙しいことを理由に断り続けている。
神殿に呼び出されて初めて顔を合わせた勇者は、どう見ても日本人だった。日本人にしては随分背が高いけど。成人はしているようだ。たぶんまだ学生だ。名前はカナタというらしい。
僕の前世も日本人だった。でも、懐かしいとかなんとか言う以前に、勇者の態度が最悪だ。頼られ力を得て、自分は偉いと思っているのだろう。完全に僕を見下している。物理的にも見下されている。身長の差で。
「この方はキース・エッカート様とおっしゃいます。糸の女神様のご加護をお持ちです」
初老の神官が僕のことを勇者にそう紹介した。
「糸の女神の加護? なんだよそれ。何か俺の役に立つの?」
苛立たしげに勇者カナタが言う。
「俺はさ、魔法の神の加護があるとか、戦の神の加護があるとか、そういうやつが欲しいわけ」
「ですが勇者様」
神官が勇者をなだめる。
「この方は今回の旅にはとても大切な……」
「戦えないなら要らないだろ」
しっしと追い払うように手を振った勇者に、一瞬、本当に立ち去ってやろうかと考えて、思いとどまる。
相手は異世界人だ。家族からも友人からも引き離されて慣れない暮らしをしているはず。もしここで僕が見捨てれば、こいつは無駄に苦労をすることになる。
「勇者様。勇者様がどう思われようと、僕が旅のサポートをします。あまり我儘はおっしゃいませんように」
僕は一応貴族である。人目もあるから丁寧な話し方をした。それがまた、勇者の尊大な態度を助長させたらしい。
「けどさぁ、糸の女神って。縫ったり編んだりとかそういうのだろ? 俺は魔王を倒しに行くんだけど」
ため息を押し殺す。流石にこれ以上はまずいと思ったのか、神官が「勇者様はお疲れでしょうから」とかなんとか言って、勇者カナタを連れて去っていった。
さてさて。哀れな異世界人である勇者だけれど、だからといって、駄目なものは駄目だとちゃんと教えてやるべきだろう。僕に対し失礼な態度を取ったことを後悔させてやる。
糸の女神に祈りを捧げる。僕の魔力から紡いだ糸で鞄を縫っていく。針は使わず、糸の先を硬化させている。それで十分縫えるから。むしろ針より鋭く硬くすることもできるのだ。
これはただの鞄じゃない。空間拡張が施されて、見た目よりずっと多くの物が入る鞄になる。重さもあまり感じないようになるはずだ。
僕が糸の女神に祈りを捧げ『こんなものが欲しい』『こんな効果が欲しい』と願いながら縫ったものは、神の祝福を受けて《神器》となる。僕が持っているのはそういう加護だ。
作るのは鞄だけじゃない。勇者に持たせる荷物のうち、布や革でできたものは装備も道具もほとんどに僕が関わる。そうすることで勇者の旅を支えるアイテムを揃えていく。
それは勇者が召喚されると決まってすぐに、僕に依頼された仕事だった。いくつもの《神器》を作るため、僕はすでに何ヶ月も前から、忙しい日々を送っているのだ。
どんなものが勇者の役に立つかと考え、沢山の《神器》を縫った。靴下には長く歩いても疲れにくくなる効果を、マントには雨を避け暑さ寒さを和らげる効果を付与した。鎧の下に着る服は、丈夫に汚れにくく致命傷を防ぐようにと祈った。そう簡単には破けないだろう。
毛布や寝袋には疲労回復と安眠の効果を持たせてある。テントまで縫わされた。軽く頑丈になるよう願い、魔物を遠ざけ中の人間を守るものを作った。
これらの《神器》は、もし破けたりしたら僕にしか直せない。なければ困るだろうし、あれば確実に役に立つ。だからこそ、僕は勇者カナタに同行することが確定している。
けれど勇者のあの態度。きっと他の同行者からも顰蹙を買うに違いない。正直僕は腹が立っている。詫びさせてやりたい。後悔しろと思う。僕がどれだけ『勇者』のために働いているかも知らない癖に。
あの勇者は日本人だ。社会人にも高校生にも見えないし、たぶん大学生だと思う。召喚されてから三ヶ月近く経っている。きっと日本の食事が恋しいだろう。
糸の女神の愛し子だからといって、縫うことしかできないと思ったら大間違いだ。僕の前世の趣味はひとりキャンプと料理だったんだ。
薄切りの芋を揚げて塩を振る。前世のお菓子メーカーのものには劣るけど、十分ポテトチップスになった。下味をつけた鶏肉も粉をまぶして揚げていく。にんにくを効かせた塩唐揚げである。どちらも収納魔法で保管しておけば劣化しない。
ハンバーグやミートボールのようなひき肉料理は、この国では庶民の食べ物。勇者様には出されていないはずだ。きっと今は硬い塊肉に辟易としているだろう。薄切りの肉も一般的ではないからね。煮込みハンバーグを作ってやろう。ついでにミートソースのパスタなんてものはどうかな?
日本食と言っても、味噌や醤油が存在しない。再現できるものには限度がある。それでも、勇者カナタが喜びそうな料理をいくつか作った。
僕が作った装備品とこの料理を前にしても、勇者はあの生意気な態度を崩さずにいられるだろうか。
「謝らせてやる。絶対に」
僕はそう呟いて、笑った。きっと悪い顔をしていたと思う。
それが何故集まっているかと言えば、ここに召喚された『勇者』がいるからだ。加護持ちであれば魔王討伐の仲間にふさわしいのではないかということで、偉い人たちが勇者の同行者を探しているわけだ。
この世界には魔王がいる。魔族による被害は北の国々ではかなり深刻らしい。難民が増え、この街でも移民らしき外国人の姿を見かけるようになった。
それでも、リーンダール王国はまだ比較的安全で、だから勇者が旅の準備をする場所としてここが選ばれたという。鍛錬をし、装備を整え、仲間を探す。勇者だからといって、いきなり旅立たせるわけにはいかないのだ。
僕にも加護がある。おまけに転生者だ。ただ、加護持ちなら誰でも前世の記憶を持っているというわけじゃない。だから、転生については秘密にしている。
せっかく転生したのだから、金髪碧眼とかになってみたかった。けど、今世の僕は髪も目も地味な茶色。おまけに背が伸び悩み、小柄で華奢だ。おそらく母に似たのだろう。
僕の父は伯爵で、僕は三男だ。年は23歳になる。政略結婚の話もあったけど、加護に関係する仕事が忙しいことを理由に断り続けている。
神殿に呼び出されて初めて顔を合わせた勇者は、どう見ても日本人だった。日本人にしては随分背が高いけど。成人はしているようだ。たぶんまだ学生だ。名前はカナタというらしい。
僕の前世も日本人だった。でも、懐かしいとかなんとか言う以前に、勇者の態度が最悪だ。頼られ力を得て、自分は偉いと思っているのだろう。完全に僕を見下している。物理的にも見下されている。身長の差で。
「この方はキース・エッカート様とおっしゃいます。糸の女神様のご加護をお持ちです」
初老の神官が僕のことを勇者にそう紹介した。
「糸の女神の加護? なんだよそれ。何か俺の役に立つの?」
苛立たしげに勇者カナタが言う。
「俺はさ、魔法の神の加護があるとか、戦の神の加護があるとか、そういうやつが欲しいわけ」
「ですが勇者様」
神官が勇者をなだめる。
「この方は今回の旅にはとても大切な……」
「戦えないなら要らないだろ」
しっしと追い払うように手を振った勇者に、一瞬、本当に立ち去ってやろうかと考えて、思いとどまる。
相手は異世界人だ。家族からも友人からも引き離されて慣れない暮らしをしているはず。もしここで僕が見捨てれば、こいつは無駄に苦労をすることになる。
「勇者様。勇者様がどう思われようと、僕が旅のサポートをします。あまり我儘はおっしゃいませんように」
僕は一応貴族である。人目もあるから丁寧な話し方をした。それがまた、勇者の尊大な態度を助長させたらしい。
「けどさぁ、糸の女神って。縫ったり編んだりとかそういうのだろ? 俺は魔王を倒しに行くんだけど」
ため息を押し殺す。流石にこれ以上はまずいと思ったのか、神官が「勇者様はお疲れでしょうから」とかなんとか言って、勇者カナタを連れて去っていった。
さてさて。哀れな異世界人である勇者だけれど、だからといって、駄目なものは駄目だとちゃんと教えてやるべきだろう。僕に対し失礼な態度を取ったことを後悔させてやる。
糸の女神に祈りを捧げる。僕の魔力から紡いだ糸で鞄を縫っていく。針は使わず、糸の先を硬化させている。それで十分縫えるから。むしろ針より鋭く硬くすることもできるのだ。
これはただの鞄じゃない。空間拡張が施されて、見た目よりずっと多くの物が入る鞄になる。重さもあまり感じないようになるはずだ。
僕が糸の女神に祈りを捧げ『こんなものが欲しい』『こんな効果が欲しい』と願いながら縫ったものは、神の祝福を受けて《神器》となる。僕が持っているのはそういう加護だ。
作るのは鞄だけじゃない。勇者に持たせる荷物のうち、布や革でできたものは装備も道具もほとんどに僕が関わる。そうすることで勇者の旅を支えるアイテムを揃えていく。
それは勇者が召喚されると決まってすぐに、僕に依頼された仕事だった。いくつもの《神器》を作るため、僕はすでに何ヶ月も前から、忙しい日々を送っているのだ。
どんなものが勇者の役に立つかと考え、沢山の《神器》を縫った。靴下には長く歩いても疲れにくくなる効果を、マントには雨を避け暑さ寒さを和らげる効果を付与した。鎧の下に着る服は、丈夫に汚れにくく致命傷を防ぐようにと祈った。そう簡単には破けないだろう。
毛布や寝袋には疲労回復と安眠の効果を持たせてある。テントまで縫わされた。軽く頑丈になるよう願い、魔物を遠ざけ中の人間を守るものを作った。
これらの《神器》は、もし破けたりしたら僕にしか直せない。なければ困るだろうし、あれば確実に役に立つ。だからこそ、僕は勇者カナタに同行することが確定している。
けれど勇者のあの態度。きっと他の同行者からも顰蹙を買うに違いない。正直僕は腹が立っている。詫びさせてやりたい。後悔しろと思う。僕がどれだけ『勇者』のために働いているかも知らない癖に。
あの勇者は日本人だ。社会人にも高校生にも見えないし、たぶん大学生だと思う。召喚されてから三ヶ月近く経っている。きっと日本の食事が恋しいだろう。
糸の女神の愛し子だからといって、縫うことしかできないと思ったら大間違いだ。僕の前世の趣味はひとりキャンプと料理だったんだ。
薄切りの芋を揚げて塩を振る。前世のお菓子メーカーのものには劣るけど、十分ポテトチップスになった。下味をつけた鶏肉も粉をまぶして揚げていく。にんにくを効かせた塩唐揚げである。どちらも収納魔法で保管しておけば劣化しない。
ハンバーグやミートボールのようなひき肉料理は、この国では庶民の食べ物。勇者様には出されていないはずだ。きっと今は硬い塊肉に辟易としているだろう。薄切りの肉も一般的ではないからね。煮込みハンバーグを作ってやろう。ついでにミートソースのパスタなんてものはどうかな?
日本食と言っても、味噌や醤油が存在しない。再現できるものには限度がある。それでも、勇者カナタが喜びそうな料理をいくつか作った。
僕が作った装備品とこの料理を前にしても、勇者はあの生意気な態度を崩さずにいられるだろうか。
「謝らせてやる。絶対に」
僕はそう呟いて、笑った。きっと悪い顔をしていたと思う。
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