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出張鍛冶師編
第19話 戦う覚悟
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夜襲を仕掛けてきたゴブリン達は殺し尽くした。兵でも傭兵でも冒険者でもない僕が出張ったことで邪魔してしまうかとも思ったが、溢れんばかりの野性味の所為で飛び出し、それが治まっても引っ込みがつかずに結局最後まで皆と一緒に剣を振るうことになった。
しかしお陰様で陰で【魔竜の鍛冶師】なんて呼ばれていることも知れた。これに関しては宗人の顔を見たら国を相手に訴訟を起こすことを忘れずに伝えることを頭の片隅に置いておこう。平凡な生活を踏みにじった罪は大きい。
「お疲れ様だ、侘助殿。一騎当千とは正に貴方のことだな」
「勘弁してください……ジレッタの力を僕が使ってるだけです。実質ジレッタです」
「そうなのか? でも魔竜の力を扱うというのは想像も出来ない。やはり貴方の力でもあると私は思う」
真正面から褒められるのは慣れていない僕はたじたじになる。これ以上褒められたら走って逃げるかもというギリギリのラインで褒め終わり、勝手に色々と納得したような顔でヒルダさんは帰ってくれたので漸く僕は一息つくことが出来た。
しかし実際のところ、僕はジレッタの能力を上手く扱えていない。鍛冶方面では板についてきた【溶鉱の権能】だが、戦闘面では使う余裕が一つもなかった。本来であればゴブリンが切りかかってきたところで剣が僕に触れる前に権能で融解することが可能なのだが、意識の分配が出来ていなかった。
要は刀を振るうだけでいっぱいいっぱいだったのだ。
これで褒められたなんて思えるはずもなく、せっかくジレッタが背中を押してくれたのに全力で戦えなかったことが、むしろ恥ずかしいくらいだった。
「まったく情けない話だ……」
誰にともなく呟いた声は明け方の風に吹き飛ばされていく。見上げた空は深い紺色に赤みが差し始めていた。実に久しぶりの空だった。
□ □ □ □
夜襲をきっかけにゴブリンの襲撃が増えた。今日も兵士達はゴブリン狩りに出立しているが、その隙を狙ってのつもりか、陣地への断続的な襲撃が増えた。この程度な防衛班だけで対処出来るのだが、問題は相手の物量だ。こうも休みなく襲われては寝る暇もない。返り討ちにすることは出来ても、殲滅が出来なければ結局最後は負けてしまうことになる。
作戦本部はこの問題に対する解決策として、数を減らす為の出立ではなく、巣の殲滅に舵を切り替えた。
「籠城する程の耐久性もないですし、此方から打って出るほかないと結論が出ました。体力がある内に攻めないと我々の負けです」
そう報告してくれたのはヒルダさん本人だった。
「それでは僕達はどうすれば?」
陣地で修理をするのが僕達の仕事だった。なのだが、今日の襲撃で油断して攻撃を受けた兵が1人居て、其奴の穴の開いた鎧を直したっきり仕事がない。
「本来であれば長期戦を予想し、消耗する装備品の修復にと侘助殿が招集されたのですが……群れのボスは存外頭が回るようで、此方の予想に反した行動を起こされました。このモンスターを倒す為には人手が必要です」
「僕を戦線に投入する、ってことですか?」
半ばそういう話になるだろうなとは、会話をしながら考えていた。しかし約束が違うのも事実。ヒルダさんが相手だとしても、其処ははっきりさせたい。
「契約違反なのは重々承知です。本来ならもっと減らしてから攻め入るつもりだったのですが、調理班や防衛班を戦闘班にしてもまだ数が足りません。こうなると大きな一手が必要です」
「それで僕ですか」
「お願いでないだろうか……?」
断っていい案件だ。そも、受ける理由がない。僕は鍛冶師であって兵ではないし、国に仕えてる訳でもない。
しかし、受ける理由がないとは言うが、探せばいっぱい見つかってしまう。
優しくしてくれた兵を死なせたくない。美味しい料理を作ってくれた兵を死なせたくない。ゴブリンの襲撃から救った兵を死なせたくない。一緒に戦った兵を死なせたくない。被害が増えて誰かが犠牲になるのは嫌だ。転移から卒業まで剣術を教えてくれたヒルダさんに恩返しをしたい。断った結果、気拙い間柄にはなりたくない。こんなことで国と喧嘩したくない。
死なせたくないだとか、傲慢な話だ。しかし僕には死なせない為の力があった。ジレッタから貰った権能という力があった。
これを使わずに見知った人間を失って、僕はその後の生活を平穏無事に暮らせるかと聞かれたら、きっと『出来る訳がない』と答えるだろう。
鼻から息を吸いこみ、吐く。澄んだ空気が僕に覚悟を決めさせた。
「分かりました。やりましょう」
「! 良いのですか?」
「良いも何も、頼んできたのはヒルダさんじゃないですか。それを断るような薄っぺらい人間じゃないですよ、僕は。本当は戦うことは苦手です。命のやり取りは、本当に気が重い。いつか自分の心が壊れてしまうんじゃないかって、いつも思ってます。……でもやりますよ。ゴブリン、ぶち殺してやりましょう!」
グッと拳を握る。今、この手の中に金属があったらドロドロに溶けているだろう。それくらいに心が熱かった。その手をヒルダさんの両手が包んだ。
「ありがとう……ありがとう、侘助殿! すぐに出立しよう。準備を頼む!」
「はい!」
踵を返したヒルダさんが作戦本部へと向かって行くのを見送り、天幕の中へと戻る。ベッドに座り、本を開いていたジレッタが此方に顔を向ける。
「行くの?」
「聞いてたろ。行かない訳にはいかない」
「まぁそうだよね。此処で帰って全滅なんてしたら侘助、一生眠れないよね」
「誰だって無理だよ。流石に夢見が悪過ぎる」
「それもそうか」
確かに僕は戦いが嫌いだ。初めて剣術訓練でゴブリンを木剣で叩いた時から苦手だった。腹立って殴っただけだったが、それでもだ。そして訓練の結果、殺せるようにはなったがそれでもきつかった。
でもこうして実際にこういう状況になれば話は変わってくる。回り回って自分の命の危険を実感した時、僕は無抵抗ではいられなかった。
そう、結局自分の命が大事なのだ。殺すか殺されるかだから戦いが嫌いなのだ。それでも殺されるような場合なら、僕は殺す側に回れる。ヒルダさんの前で覚悟を決めた時、その覚悟もした。命のやり取りをすると決めたからには、全力で抵抗するしかない。
立て掛けてあった緋心を持つ。荷物はこれだけだ。
「さぁ、行こうか」
「楽しみだね」
「全っ然。行きたくない。でもやるしかない。戦闘になったらよろしくな」
「勿論だとも」
意地の悪い笑みを浮かべたジレッタだが、一応は頷いてくれた。彼女の手助けがなければこの先生き残ることは出来ない。これでも魔竜なんだと心に言い聞かせながら、僕は天幕を後にした。
しかしお陰様で陰で【魔竜の鍛冶師】なんて呼ばれていることも知れた。これに関しては宗人の顔を見たら国を相手に訴訟を起こすことを忘れずに伝えることを頭の片隅に置いておこう。平凡な生活を踏みにじった罪は大きい。
「お疲れ様だ、侘助殿。一騎当千とは正に貴方のことだな」
「勘弁してください……ジレッタの力を僕が使ってるだけです。実質ジレッタです」
「そうなのか? でも魔竜の力を扱うというのは想像も出来ない。やはり貴方の力でもあると私は思う」
真正面から褒められるのは慣れていない僕はたじたじになる。これ以上褒められたら走って逃げるかもというギリギリのラインで褒め終わり、勝手に色々と納得したような顔でヒルダさんは帰ってくれたので漸く僕は一息つくことが出来た。
しかし実際のところ、僕はジレッタの能力を上手く扱えていない。鍛冶方面では板についてきた【溶鉱の権能】だが、戦闘面では使う余裕が一つもなかった。本来であればゴブリンが切りかかってきたところで剣が僕に触れる前に権能で融解することが可能なのだが、意識の分配が出来ていなかった。
要は刀を振るうだけでいっぱいいっぱいだったのだ。
これで褒められたなんて思えるはずもなく、せっかくジレッタが背中を押してくれたのに全力で戦えなかったことが、むしろ恥ずかしいくらいだった。
「まったく情けない話だ……」
誰にともなく呟いた声は明け方の風に吹き飛ばされていく。見上げた空は深い紺色に赤みが差し始めていた。実に久しぶりの空だった。
□ □ □ □
夜襲をきっかけにゴブリンの襲撃が増えた。今日も兵士達はゴブリン狩りに出立しているが、その隙を狙ってのつもりか、陣地への断続的な襲撃が増えた。この程度な防衛班だけで対処出来るのだが、問題は相手の物量だ。こうも休みなく襲われては寝る暇もない。返り討ちにすることは出来ても、殲滅が出来なければ結局最後は負けてしまうことになる。
作戦本部はこの問題に対する解決策として、数を減らす為の出立ではなく、巣の殲滅に舵を切り替えた。
「籠城する程の耐久性もないですし、此方から打って出るほかないと結論が出ました。体力がある内に攻めないと我々の負けです」
そう報告してくれたのはヒルダさん本人だった。
「それでは僕達はどうすれば?」
陣地で修理をするのが僕達の仕事だった。なのだが、今日の襲撃で油断して攻撃を受けた兵が1人居て、其奴の穴の開いた鎧を直したっきり仕事がない。
「本来であれば長期戦を予想し、消耗する装備品の修復にと侘助殿が招集されたのですが……群れのボスは存外頭が回るようで、此方の予想に反した行動を起こされました。このモンスターを倒す為には人手が必要です」
「僕を戦線に投入する、ってことですか?」
半ばそういう話になるだろうなとは、会話をしながら考えていた。しかし約束が違うのも事実。ヒルダさんが相手だとしても、其処ははっきりさせたい。
「契約違反なのは重々承知です。本来ならもっと減らしてから攻め入るつもりだったのですが、調理班や防衛班を戦闘班にしてもまだ数が足りません。こうなると大きな一手が必要です」
「それで僕ですか」
「お願いでないだろうか……?」
断っていい案件だ。そも、受ける理由がない。僕は鍛冶師であって兵ではないし、国に仕えてる訳でもない。
しかし、受ける理由がないとは言うが、探せばいっぱい見つかってしまう。
優しくしてくれた兵を死なせたくない。美味しい料理を作ってくれた兵を死なせたくない。ゴブリンの襲撃から救った兵を死なせたくない。一緒に戦った兵を死なせたくない。被害が増えて誰かが犠牲になるのは嫌だ。転移から卒業まで剣術を教えてくれたヒルダさんに恩返しをしたい。断った結果、気拙い間柄にはなりたくない。こんなことで国と喧嘩したくない。
死なせたくないだとか、傲慢な話だ。しかし僕には死なせない為の力があった。ジレッタから貰った権能という力があった。
これを使わずに見知った人間を失って、僕はその後の生活を平穏無事に暮らせるかと聞かれたら、きっと『出来る訳がない』と答えるだろう。
鼻から息を吸いこみ、吐く。澄んだ空気が僕に覚悟を決めさせた。
「分かりました。やりましょう」
「! 良いのですか?」
「良いも何も、頼んできたのはヒルダさんじゃないですか。それを断るような薄っぺらい人間じゃないですよ、僕は。本当は戦うことは苦手です。命のやり取りは、本当に気が重い。いつか自分の心が壊れてしまうんじゃないかって、いつも思ってます。……でもやりますよ。ゴブリン、ぶち殺してやりましょう!」
グッと拳を握る。今、この手の中に金属があったらドロドロに溶けているだろう。それくらいに心が熱かった。その手をヒルダさんの両手が包んだ。
「ありがとう……ありがとう、侘助殿! すぐに出立しよう。準備を頼む!」
「はい!」
踵を返したヒルダさんが作戦本部へと向かって行くのを見送り、天幕の中へと戻る。ベッドに座り、本を開いていたジレッタが此方に顔を向ける。
「行くの?」
「聞いてたろ。行かない訳にはいかない」
「まぁそうだよね。此処で帰って全滅なんてしたら侘助、一生眠れないよね」
「誰だって無理だよ。流石に夢見が悪過ぎる」
「それもそうか」
確かに僕は戦いが嫌いだ。初めて剣術訓練でゴブリンを木剣で叩いた時から苦手だった。腹立って殴っただけだったが、それでもだ。そして訓練の結果、殺せるようにはなったがそれでもきつかった。
でもこうして実際にこういう状況になれば話は変わってくる。回り回って自分の命の危険を実感した時、僕は無抵抗ではいられなかった。
そう、結局自分の命が大事なのだ。殺すか殺されるかだから戦いが嫌いなのだ。それでも殺されるような場合なら、僕は殺す側に回れる。ヒルダさんの前で覚悟を決めた時、その覚悟もした。命のやり取りをすると決めたからには、全力で抵抗するしかない。
立て掛けてあった緋心を持つ。荷物はこれだけだ。
「さぁ、行こうか」
「楽しみだね」
「全っ然。行きたくない。でもやるしかない。戦闘になったらよろしくな」
「勿論だとも」
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