私の恋人は幼馴染(♀)

竜田優乃

文字の大きさ
1 / 55

1. 恋のキッカケ

しおりを挟む
 私の名前は西嶋にしじま 波瑠はる

 この春から、明翔めいしょう学園に通っている高校一年生。

 明翔学園は、都内にある中高一貫ちゅうこういっかんの高校だ。

 しかし、私は中学は違う学校にいたためクラスの立場は、転入生的なものだった。

 それと、私には幼馴染がいる、名前は十川そがわ 絵梨香えりか

 絵梨香のスタイルは、出てるとこは出ていて、肌もキレイ。

 髪型は、ショートヘア。目元はクッキリしていてまつ毛は長い。

 ショートヘアで顔立ちが良いため男子からはボーイッシュと呼ばれて人気が高い、女子からもリーダー的存在と扱われているため人気は高い。

 絵梨香も私と同じ中学だったが、高校に入学する際『新入生にボーイッシュな美少女がいる!』と話題になり、一躍話題の人となった。

 そのため私と違ってクラスカースト最上位に君臨している。

 そんな彼女に、私はしてはいけない恋をしてしまった。

 なんで、彼女に恋をしてしまったのか。

 それは一か月前までさかのぼる。

 私は、数学の補習の時、桐嶋先生にセクハラに遭った。

 正直、私一人だけの補修で不安はあった、それに桐嶋先生には、女子生徒を盗撮するなど悪い噂が絶えなかった。

 「よ~し、補習始めるぞー」

 桐嶋先生の号令と共に、補修が始まった。

 最初は、普通の補習だったが次第に先生との距離が近くなり、最終的には机をくっ付けて正面に先生。向かいに私という構図になった。

 異様に距離が近くなっていくことに恐怖を感じた。

 「せ、先生・・距離が近くなっている気がするんですけど・・」

 私の質問に先生は、

 「そんなことないぞ~?」

 とはぐらかした。

 更に、距離が近くなった時。

 「ひゃっ」

 太ももに暖かく気持ち悪い感触が走った。

 「せ、先生・・?今私の足触りましたよね・・?」

 私の問いに対して、先生は

 「すまない、たまたま当たってしまった。」

 とはぐらかしてきたが、確実に故意で触っていた。

 たまたま当たったならば、直ぐに謝ると思うし、さするように触らないだろう。

 私はこの時、一刻も早く補修が終わらないかと思った。

 10分ほど時間がたち、補習も残り15分と差し迫った時、左手を私の左肩に置き、右手で問題の説明をしていた、左手を肩に置かれているだけで気持ち悪いのに、桐嶋はその左手を胸伸ばして触って来た。

 「ちょっと、先生!今私の胸触りましたよね!」

 「軽いスキンシップだよ、触ろうと思って触れたわけじゃない。」

 とまたはぐらかす。

 私は、耐えきれなくなり

 「先生、私柔道やっているの知っていますよね?あなたを投げ飛ばすことだってできるんですよ?」

 と私が言うと、桐嶋は逆上して私の襟元を掴み、椅子から投げ飛ばした。

 投げ飛ばされ、立ち上がろうとすると桐嶋が私を立ち上がらせないように押し倒し、馬乗りになって来た。

 「ちょ、やめて下さい!先生・・」

 怖くて声がかすむ。

 (怖い・・怖い・・誰か助けて・・)

 いつもなら柔道の技術で馬乗りになられてもすぐに抜け出せるのに、怖くて力が入らなくなり抵抗できなくなる。

 恐怖で怯えている時、教室のドアが開く音がした。

 「あちゃ~、やっちゃいましたね、桐嶋先生。」

 スマホを持ちながら、絵梨香が教室に入ってくる。

 「な、なんだ君は!私はこの教室のドアに補習中と張り紙を張っておいたはずだ!なのに、何故入って来た!」

 桐嶋先生の怒鳴り声が教室に響く、しかし絵梨香は怒鳴り声に屈せず教室に来た経緯を話を始める。

 「普通に、忘れ物したので教室に取りに来たんですけど、それが何か問題でも?」

 「だから、補習中と言う張り紙が張ってあっただろう!」

 「だから、一回職員室に行って入って良いか聞いたら、良いと言われたので来たんですよ?」

 「だ、誰が許可したんだ・・!」

 「竹林先生ですが・・?」

 竹林先生は、この明翔学園の教頭先生だ。

 「ていうか、桐嶋先生?私のお友達に何しているんですか・・?」

 「こ、これは教育をだな・・」

 「へぇ~こんな授業私やっていないんですけど・・それに、何で机の上に数学のプリントがあるんですか・・?先生って確か、数学の教科担任でしたよね。保険の授業でもしてたんですか?」

 見事に論破され立ちすくむ桐嶋。

 しかし、絵梨香の攻撃はやまなかった。

 「じゃあ、この動画。教育委員会と警察に持って行くのどっちが良いですか?」

 桐嶋の顔は青ざめていく。

 「そ、それだけはやめてくれ・・そうだ、10万、10万で手を打とう!」

 「え~10万かぁ~」

 「わ、わかった20万でどうだ!」

 「え~、分かりましたよ。」

 絵梨香の言葉に、桐嶋は安堵する。

 「じゃあ、この動画教育委員会と警察に持って行きますね~」

 「な、なんでだ!20万で手を打つって約束したじゃないか!」

 「別に、分かったって言っただけで、持って行かないとは言ってませんよ~?」

 絵梨香はそう言うと、私の元に来て

 「それじゃあ、先生。波瑠は貰っていきますね~、それじゃあ、今後人生楽しんで下さいね。」

 絵梨香は、私の手を掴んで教室からそそくさ出て行った。

 「なんで、助けてくれたの・・?」

 「え~、やっぱり幼馴染が困っていたら助けてあげたいじゃん?」

 「絵梨香・・・」

 私は、絵梨香の胸に頭をダイブさせ、絵梨香の服がびしょ濡れになるまで泣いた。

 「怖かったよ~」

 「はいはい、怖かったね~」

 その後、桐嶋は学校に来なくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

さくらと遥香(ショートストーリー)

youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。 その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。 ※さくちゃん目線です。 ※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。 ※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。 ※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

さくらと遥香

youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。 さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。 ◆あらすじ さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。 さくらは"さくちゃん"、 遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。 同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。 ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。 同期、仲間、戦友、コンビ。 2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。 そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。 イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。 配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。 さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。 2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。 遥香の力になりたいさくらは、 「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」 と申し出る。 そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて… ◆章構成と主な展開 ・46時間TV編[完結] (初キス、告白、両想い) ・付き合い始めた2人編[完結] (交際スタート、グループ内での距離感の変化) ・かっきー1st写真集編[完結] (少し大人なキス、肌と肌の触れ合い) ・お泊まり温泉旅行編[完結] (お風呂、もう少し大人な関係へ) ・かっきー2回目のセンター編[完結] (かっきーの誕生日お祝い) ・飛鳥さん卒コン編[完結] (大好きな先輩に2人の関係を伝える) ・さくら1st写真集編[完結] (お風呂で♡♡) ・Wセンター編[完結] (支え合う2人) ※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。

処理中です...