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8.絵梨香の決心
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私の名前は十川 絵梨香。
明翔学園に通っている高校生。
そんな私には恋人がいる。
恋人の名前は西嶋 波瑠。
私は、はーちゃんと呼んでいる。
そして、私の初恋の人。
けれど、はーちゃんは今日刺された。
意識はあるらしいが、かなり危ならしい。
はーちゃんの搬送先の先生の話を聞いていたが、私にはそれしか頭に入ってこなかった。
なんで、はーちゃんが刺された。
考えようとしても、悪い考えしか出てこない。
私を庇った。
私を守ろうとした。
分からない。
そもそも、私ははーちゃんに迷惑しかかけてない。
私がイジメられる前まではいつも一緒に居たのに、高校に入った途端私の容姿が可愛いだかカッコいいだか知らないけど、人が周りに集まった
また、はーちゃんとの距離がより一層遠くなった。
私は、はーちゃんと一緒に居たかった。
それなのに、周りの人は。
だめだ、また悪い方向に考えている。
昨日のは全部私が悪い。
久々に、はーちゃんと話せて凄く楽しかったし嬉しかった。
それに、告白もしてくれた。
なのに、私は自分の気持ちを暴走させてはーちゃんに嫌われるようなことをしてしまった。
最低だ。
そんな事考えても良いのか、今はそれも分からない。
何も分からない。
スマホを見る。
はーちゃんがさっき襲われたことが速報ニュースとして、大きく表示されていた。
女子高生の容体は不明、容疑者は線路に飛び降り逃走中。
はーちゃんをこんな目に合わせた奴なんて、死んでしまえば良い。
そうだ、これからは守られる側じゃなくて、守る側に居れば良い。
そしたら、はーちゃんも私を必要としてくれる。
少しして、先生が病室から出てきた。
「波瑠さんのお友達ですか・・?」
「はい。」
「とりあえず、波瑠さんの親族の方には連絡させていただきました。容体も安定しているので、少ししたら目覚めると思います。」
「ほ、本当ですか・・?」
「はい、刺された場所がもう少しずれていたら、大きな手術をしなければならなかったのですが。どうぞ、中に入って見守っててください。」
良かった、本当に。
もし、はーちゃんが居なくなったら、私はどうなってしまうのだろう。
病んで引き籠るのか、もしかしたら後を追ってしまうのかも。
私の中で、はーちゃんはそれだけ特別な存在なんだ。
私は、病室に入った。
病室には、寝ているはーちゃんがいる。
私は、彼女の手をそっと握った。
彼女の手はとても暖かくて安心する。
「良かった、はーちゃん・・」
疲れたのか、私の瞳はそっと閉じてしまった。
目が覚めた、そして夢も見た。
はーちゃんに恋をした理由。
小学生の時、私は今のようなリーダー的存在の人間では無かった。
なんなら、はーちゃんの方がリーダー的存在だった。
いつも、はーちゃんの後に着いて行っていた、そのせいで金魚の糞だと言われていた。
それでも良かった。
はーちゃんと一緒に居れるなら。
けど、いつも一緒に居ることを妬んだのか、はーちゃんと仲の良かった女子達からイジメられる様になった。
はーちゃんに迷惑を掛けたくない、だから私はいじめられていることを周囲の人には言わなかった。
だから、はーちゃんの近くに居ることも辞めた。
それでも、イジメは無くならなかった。
そして、はーちゃんにイジメられていることも知られてしまった。
けど、はーちゃんは私をイジメている女子達を呼び出して、怒ってくれた。
それ以来、イジメられることも無くなった。
けど、はーちゃんと関わることも減ってしまった。
関わるとまたイジメられるかもしれない、だから極力関わる事を辞めた。
はーちゃんに知られないように、恋人も作ったりした。
それでも、はーちゃんの事が好きで好きで仕方なかった。
だから、次はーちゃんを傷つけるような奴が現れたら私はそいつを、〝消す"。
なんだか、また眠たくなってきた。
そう思ったころには、私の瞳は閉じていた。
明翔学園に通っている高校生。
そんな私には恋人がいる。
恋人の名前は西嶋 波瑠。
私は、はーちゃんと呼んでいる。
そして、私の初恋の人。
けれど、はーちゃんは今日刺された。
意識はあるらしいが、かなり危ならしい。
はーちゃんの搬送先の先生の話を聞いていたが、私にはそれしか頭に入ってこなかった。
なんで、はーちゃんが刺された。
考えようとしても、悪い考えしか出てこない。
私を庇った。
私を守ろうとした。
分からない。
そもそも、私ははーちゃんに迷惑しかかけてない。
私がイジメられる前まではいつも一緒に居たのに、高校に入った途端私の容姿が可愛いだかカッコいいだか知らないけど、人が周りに集まった
また、はーちゃんとの距離がより一層遠くなった。
私は、はーちゃんと一緒に居たかった。
それなのに、周りの人は。
だめだ、また悪い方向に考えている。
昨日のは全部私が悪い。
久々に、はーちゃんと話せて凄く楽しかったし嬉しかった。
それに、告白もしてくれた。
なのに、私は自分の気持ちを暴走させてはーちゃんに嫌われるようなことをしてしまった。
最低だ。
そんな事考えても良いのか、今はそれも分からない。
何も分からない。
スマホを見る。
はーちゃんがさっき襲われたことが速報ニュースとして、大きく表示されていた。
女子高生の容体は不明、容疑者は線路に飛び降り逃走中。
はーちゃんをこんな目に合わせた奴なんて、死んでしまえば良い。
そうだ、これからは守られる側じゃなくて、守る側に居れば良い。
そしたら、はーちゃんも私を必要としてくれる。
少しして、先生が病室から出てきた。
「波瑠さんのお友達ですか・・?」
「はい。」
「とりあえず、波瑠さんの親族の方には連絡させていただきました。容体も安定しているので、少ししたら目覚めると思います。」
「ほ、本当ですか・・?」
「はい、刺された場所がもう少しずれていたら、大きな手術をしなければならなかったのですが。どうぞ、中に入って見守っててください。」
良かった、本当に。
もし、はーちゃんが居なくなったら、私はどうなってしまうのだろう。
病んで引き籠るのか、もしかしたら後を追ってしまうのかも。
私の中で、はーちゃんはそれだけ特別な存在なんだ。
私は、病室に入った。
病室には、寝ているはーちゃんがいる。
私は、彼女の手をそっと握った。
彼女の手はとても暖かくて安心する。
「良かった、はーちゃん・・」
疲れたのか、私の瞳はそっと閉じてしまった。
目が覚めた、そして夢も見た。
はーちゃんに恋をした理由。
小学生の時、私は今のようなリーダー的存在の人間では無かった。
なんなら、はーちゃんの方がリーダー的存在だった。
いつも、はーちゃんの後に着いて行っていた、そのせいで金魚の糞だと言われていた。
それでも良かった。
はーちゃんと一緒に居れるなら。
けど、いつも一緒に居ることを妬んだのか、はーちゃんと仲の良かった女子達からイジメられる様になった。
はーちゃんに迷惑を掛けたくない、だから私はいじめられていることを周囲の人には言わなかった。
だから、はーちゃんの近くに居ることも辞めた。
それでも、イジメは無くならなかった。
そして、はーちゃんにイジメられていることも知られてしまった。
けど、はーちゃんは私をイジメている女子達を呼び出して、怒ってくれた。
それ以来、イジメられることも無くなった。
けど、はーちゃんと関わることも減ってしまった。
関わるとまたイジメられるかもしれない、だから極力関わる事を辞めた。
はーちゃんに知られないように、恋人も作ったりした。
それでも、はーちゃんの事が好きで好きで仕方なかった。
だから、次はーちゃんを傷つけるような奴が現れたら私はそいつを、〝消す"。
なんだか、また眠たくなってきた。
そう思ったころには、私の瞳は閉じていた。
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