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番外編
第十一話 初夜(1)★
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長くて、短くて、人生の中で一番幸せな一日も、あと数時間で終わりを迎えようとしている。
私は、王宮の豪華な浴室で、数人の女官たちによって体を清められていた。
「妃殿下はお肌まで、本当にお美しいですわ」
「そうかしら」
『妃殿下』って呼ばれなれていなくて、何だか擽ったい気持ちになりますわね。
「………さあ、マッサージが終わりましたわ。こちらで、このお召し物に着替えて下さいませ」
女官長から、白い薄布で造られた夜着と思われる物を渡されましたけれど、この夜着………向こう側が透けて見えるのは気のせいかしら?
「そちらの扉から、寝室へと抜けられます。………では、私共はこれで失礼致します」
「わ、わかりましたわ………」
音もなく立ち去っていく女官たちを見送ると、私は渡された夜着をまじまじと見つめました。
これはそもそも夜着としてきちんと機能するものですの?
恐る恐る袖を通してみますけれど、何というか………心許ないですわね。
私は胸元を隠しながら、言われた通り扉を抜けて寝室へと向かった。
大きな寝台に、手触りのいいリネン。流石はエルカリオンの王太子夫妻専用の寝室と思わざるを得ない部屋に、私は感嘆の溜息をついた。
「………疲れたのか?」
ガチャリと音を立てて、ジェイド様が入ってきた。
纏ったナイトガウンの下から、ジェイド様の肌が覗いていて何だか色っぽい。
「い、いえ!」
緊張のせいで、声が裏返ってしまったわ………。私は羞恥のために少し頬が熱くなったのを感じた。
「………何だ、緊張しているのか?」
薄っすらと笑みを浮かべたジェイド様が、近づいてくる。
私は軽くパニック状態になった頭の中で、閨教育で教わったことを懸命に思い出そうとしたけれど、さっぱり思い浮かばない。
駄目だわ。いつもの冷酷姫は何処へ行ってしまったのかしら?
「………ジェイド様はどうなのですか?」
とりあえず悔しくて、私は逆にジェイド様に尋ねてみた。
「………そうだな、私は緊張しているぞ。ようやく堂々とそなたをこの腕に抱ける日が来たのだからな」
そう言って、ジェイド様はゆっくりと私の唇を指でなぞり、そして優しく唇を重ねた。
「この日が来るのを、どんなに私が夢見ていたか、そなたは知らないだろう?それを、今からじっくりと朝まで教えてやる」
ジェイド様の琥珀色の双眸に、欲望の光が宿ったのがはっきりと見て取れた。
私は、王宮の豪華な浴室で、数人の女官たちによって体を清められていた。
「妃殿下はお肌まで、本当にお美しいですわ」
「そうかしら」
『妃殿下』って呼ばれなれていなくて、何だか擽ったい気持ちになりますわね。
「………さあ、マッサージが終わりましたわ。こちらで、このお召し物に着替えて下さいませ」
女官長から、白い薄布で造られた夜着と思われる物を渡されましたけれど、この夜着………向こう側が透けて見えるのは気のせいかしら?
「そちらの扉から、寝室へと抜けられます。………では、私共はこれで失礼致します」
「わ、わかりましたわ………」
音もなく立ち去っていく女官たちを見送ると、私は渡された夜着をまじまじと見つめました。
これはそもそも夜着としてきちんと機能するものですの?
恐る恐る袖を通してみますけれど、何というか………心許ないですわね。
私は胸元を隠しながら、言われた通り扉を抜けて寝室へと向かった。
大きな寝台に、手触りのいいリネン。流石はエルカリオンの王太子夫妻専用の寝室と思わざるを得ない部屋に、私は感嘆の溜息をついた。
「………疲れたのか?」
ガチャリと音を立てて、ジェイド様が入ってきた。
纏ったナイトガウンの下から、ジェイド様の肌が覗いていて何だか色っぽい。
「い、いえ!」
緊張のせいで、声が裏返ってしまったわ………。私は羞恥のために少し頬が熱くなったのを感じた。
「………何だ、緊張しているのか?」
薄っすらと笑みを浮かべたジェイド様が、近づいてくる。
私は軽くパニック状態になった頭の中で、閨教育で教わったことを懸命に思い出そうとしたけれど、さっぱり思い浮かばない。
駄目だわ。いつもの冷酷姫は何処へ行ってしまったのかしら?
「………ジェイド様はどうなのですか?」
とりあえず悔しくて、私は逆にジェイド様に尋ねてみた。
「………そうだな、私は緊張しているぞ。ようやく堂々とそなたをこの腕に抱ける日が来たのだからな」
そう言って、ジェイド様はゆっくりと私の唇を指でなぞり、そして優しく唇を重ねた。
「この日が来るのを、どんなに私が夢見ていたか、そなたは知らないだろう?それを、今からじっくりと朝まで教えてやる」
ジェイド様の琥珀色の双眸に、欲望の光が宿ったのがはっきりと見て取れた。
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