Cotton Candy

いちご

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第一章

14.

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「………………時…雨……」
消え入りそうな声だったのにきちんと届いたのだろう。
「っあ、ひぅ、ヤッ、ああ」
青葉のにより硬度が増した。

「千紗、千紗っ」
余裕のない声に表情に
「……時雨、時雨ぇっ」
完全に堕ちた。
嗚呼、俺チョロ過ぎ。

ダメだ。
俺、青葉が、時雨が……好き…だ。
青葉の顔を両手で掴むとゆっくり自ら唇を合わせた。
「……っ、千紗」
切羽詰まった声で呼ばれた名前。

「ひゃぁ、ひぁ、ぁ、あ、ふゃっ、あ」
激しく揺さぶられだした身体。
数え切れない位胎内を擦られ満たされ、全身が有り得ない位の甘さに包まれる。
「やぁ、抜いちゃヤ…ダぁ……っ」
抜けるギリギリの所迄引かれた青葉の物。
中が寂しくて、抜かないでって青葉を締め付ける。
「時雨っ、時雨、ヤダ、お願い」
懇願すると一気に奥迄突かれ
「……………………………………っあ、ああああああ」
ガクガク身体が震えた。
苦しい。
イキたい。
もう、死んじゃう。

何度達したか分からない。
胎内がまるで女性器みたいに蠢いて、青葉を求める。
こんなに奥迄満たしているにも関わらず、全部挿入されていない青葉の物。
どんだけ長くて大きいんだよ。
アレ全部入ったら俺どうなるんだろう?
興味はあるが、怖いので考えない事にした。


「時雨、も、苦しい。お願い、ね、外してぇっ」
涙でぐしゃぐしゃになった顔。
気持ち良過ぎて、でもイケなくて、なのに何度も中イキして、もう限界だった。
脳内を占めるのは射精の事ばかり。
それと同じ位考えるのはインポになったらどうしようだった。
初めての経験は怖過ぎて、けれど死んじゃいそうな位気持ち良くて、俺を壊すには充分だった。

「分かりました」
鍵を外され自由になった俺の物。
嗚呼、やっと解放された。
安心したのも束の間
「一緒にイキましょうね」
軽く根元を指で戒められ
「ヤダ、時雨。やぁ……っ」
泣きじゃくる。

「安心して下さい。俺もあと少しでイキますから」
「ひぅっ」
グンッ、少しだけだがより深く突かれヒュッ、喉から変な吐息が出る。

「んぁ、ひ、ぁ、や、やぁあっ、ひゃあ、あああっ」
ラストスパートとばかりに動かされだした身体。
もう何処を触られても感じる。
気持ち良過ぎておかしくなる。

「愛してます千紗。千紗」
嗚呼、もう青葉しか見えない。
青葉のことしか考えられない。
「時雨、時雨」
何度も名前を呼びながら、俺は青葉の腕の中で達したと同時に意識を手放した。



いつの間に寝てたのだろうか。
目が覚めると身体は綺麗にされていて、青葉のだろうか、大きめのシャツを着せられていた。
「おはようございます」
柔らかな声は、先程の熱く焦がれる様な切羽詰まった声色と全く違い、穏やかだった。
「先輩が寝ている間に移動しました」
言われ周囲を見渡すと
「何処?」
綺麗に片付いたシンプルな部屋だった。
広さは教室2部屋分位。
ベッドはキングサイズかな?凄く大きかった。

「俺の部屋です」
うん、流石だ青葉。
期待を裏切らない金持ち度満載だよこの広さ。

キッチン・お風呂・トイレも完備してる部屋はまるでアパートに遊びに来たみたいな感覚を味わう。
完全に此処だけで生活出来るよ絶対。

「先程先輩の家にも連絡しましたので、先輩の準備が出来たら一度ご自宅に送ります。その後は一緒に登校しましょうね?」
シャワーはどうやら寝てる間に終わらせてくれたらしい。
全身から良い匂いがした。
軽く朝食を口にし、制服に着替える。

青葉の部屋を出ると
(ぅ、わぁ。マジか)
学校よりも広くて長い廊下に、複数の部屋があるのだろうか、扉が沢山あった。
「おはようございます時雨様」
「おはようございます」
歩く度擦れ違う使用人。
その都度挨拶をされ、俺にも微笑みかけられた。

「行ってらっしゃいませ」
沢山の使用人に頭を下げられ後にする屋敷。
優雅に錦鯉が泳ぐ池や松のある日本庭園に様々な花々が咲き乱れるガーデン。
公園みたいに寛げる場所に校庭より遥かに広い駐車場。
全てにおいて豪華過ぎて、住む世界が違う。
「どうぞ」
開けられた車のドアに先輩からどうぞと勧められたが、緊張して足が動かない。
こんなにもメルセデス・ベンツを間近で見たのは初めて。
尚且つ中に入るなんて、畏れ多くて足が竦む。
「あの、俺、歩いて帰りますから」
思わず敬語になってしまう程の緊張。
ふふっ。青葉は軽く笑うと
「分かりました」
俺をお姫様抱っこし、そのまま後部座席に座った。

は、は、恥ずかし~い!!
ちょっ、何この状況?
運転手さん居るんだぞ?
乗る時使用人沢山居たぞ?

分かりましたって、遠慮してたんじゃないぞ俺。
歩くって言ったじゃんか。
色々文句言いたかったが、青葉のお陰で一生乗る事ない筈の高級車に乗れた。
内装は広く、清潔感がある。
エンジン音も気にならず乗り心地も良い。
って、座り心地は青葉の膝上だから分からないが。
「1人で座れる」
そう言い、青葉の上から逃れようと試みたが
「着く迄の間だけです」
青葉は断固拒否した。


家に着くなり出迎えてくれた母。
高級車と超絶美形な男前に凄く驚いたが、笑顔で青葉を家に迎え入れた。
豪邸の直後我が家に帰るのは敗北を感じる。
ましてや金持ちを家に招くなんて、一般庶民の生活を見せるなんて、恥ずかしい。

「ごめん、狭いだろ?」
小声で謝ると
「何故謝るんですか?先輩の育った家ですよ。先輩の良い匂いが沢山します。素敵過ぎて最高です」
満面の笑みで青葉は口にした。
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