甘すぎるのも悪くない

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甘さ控えめ

視線の先

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 先輩が校舎の方に視線を向ける。


 どきりとした。また、おれを見てくれるんじゃないかと思って。


 でも違う。先輩の視線の先はおれ以外のところにある。

 誰を見ているんだろう。どのクラス? 彼女?

 ……それはないか。先輩は凄くもてて女たらしだから、特定の彼女は居ないらしい。

 おれにとっては、それはかなりラッキーなことだ。

 女性の特別が居ないなら、その場限りの彼女より男友達として優先してもらえる気がするから。

 問題は友達にすらなれてないってことなんだけど。

 甘い物好き友達でもなんでもいいから、他よりもほんの少し特別になれたらいい。


 そう思っていた筈なのに……。こんなに、苛々する。先輩の視線の先が、おれでないことに。


 男友達や、後輩としての特別になるのも実は難しいのかもしれないな……。


 普通なら男には恨まれるべきポジションにあるだろう先輩は、あいつなら仕方ないかな、とみんなに受け入れられ、本当にスーパースター的扱いを受けている。

 女にもてるのを鼻にかけないし、明るいし、男女問わず優しい。

 本気でくる相手には簡単に付き合ったりしないから、敵もそんなに居ないんだと思う。

 付き合って捨ててを繰り返していれば悪い噂も立つだろうけど、目立つ割りに悪い噂はあんまり聞かないから。


 別におれは、男の方が好きって訳じゃない。元々差別する気持ちとかはなかったけど、正直言えば自分がそうなるとは思っていなかった。

 だから勿論、女の子にもてるのが嬉しいって気持ちも判る。おれもラブレターとか貰ったら、普通に嬉しかった。


 でもおれの場合は好きな人ができたら、その人以外の視線は欲しくなくなる。


 ……うん。まあ……つまり。先輩からの視線、以外は……。


 だから、先輩。こっちを見て?
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