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甘さ控えめ
もどかしい想い
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おれは先輩のことを好きだけど、先輩はそうじゃない。
女の子にもてるし、わざわざ男と付き合うような人にも思えない。
世の中、難しいな……。先輩のことを好きな人はたくさんいる。でも先輩は一人。どうしたっておれ、不利じゃないか。
いい後輩からステップアップする?
意識してもらうために告白して、そこから攻める?
どっちがより、先輩の近くにいけるだろう。
道が残るのはいい後輩、でもそれで終わる可能性が高い。
告白したら、その場で切られる。そうなったらそこで終わり。思い切って行動に出たりしてみるか? なんて犯罪に近いことを考えてみたりして。
先輩の心の中が見られたら、攻略なんて簡単かな。でもきっとそれでも難しい。だから、面白くもあるし人は恋をするのだろうけれど。
帰ろうと鞄の中を見て、おれはふと気付いた。
先輩のことばっかり考えていて……忘れてた。
おれの参考書、奪われたままだ。
「よう」
聞こえる好きな人の声。顔を上げると、先輩が参考書片手に立っていた。
「何だよ。先に帰る気かよ。さっきの、伝わらなかった?」
「え……?」
「昨日本渡すの忘れたから返しに行く。放課後待ってろ……って言ったのに」
あ。さっきの、口パク。
「……長すぎます」
「そういやさ、お前は何て言ったんだ?」
「雪ですって……」
「降ってない……」
「先輩がおれを見ているのか確認するために口パクしただけなんで、内容は何でも良かったんですよ」
「そうか」
あー……。いい後輩ルート、決定……。おれの根性なし。
女の子にもてるし、わざわざ男と付き合うような人にも思えない。
世の中、難しいな……。先輩のことを好きな人はたくさんいる。でも先輩は一人。どうしたっておれ、不利じゃないか。
いい後輩からステップアップする?
意識してもらうために告白して、そこから攻める?
どっちがより、先輩の近くにいけるだろう。
道が残るのはいい後輩、でもそれで終わる可能性が高い。
告白したら、その場で切られる。そうなったらそこで終わり。思い切って行動に出たりしてみるか? なんて犯罪に近いことを考えてみたりして。
先輩の心の中が見られたら、攻略なんて簡単かな。でもきっとそれでも難しい。だから、面白くもあるし人は恋をするのだろうけれど。
帰ろうと鞄の中を見て、おれはふと気付いた。
先輩のことばっかり考えていて……忘れてた。
おれの参考書、奪われたままだ。
「よう」
聞こえる好きな人の声。顔を上げると、先輩が参考書片手に立っていた。
「何だよ。先に帰る気かよ。さっきの、伝わらなかった?」
「え……?」
「昨日本渡すの忘れたから返しに行く。放課後待ってろ……って言ったのに」
あ。さっきの、口パク。
「……長すぎます」
「そういやさ、お前は何て言ったんだ?」
「雪ですって……」
「降ってない……」
「先輩がおれを見ているのか確認するために口パクしただけなんで、内容は何でも良かったんですよ」
「そうか」
あー……。いい後輩ルート、決定……。おれの根性なし。
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