93 / 106
微エロ好きさんに20のお題
さわっていい?
しおりを挟む
先輩視点
「さわっていい?」
後輩くんがそんなことを言ってきた。
俺と後輩くんは恋人同士だし、さわられることは別に構わない。それどころか過度の接触でも許していると思う。
……ここが満員電車の中でなければの話だ。
もしかして俺が後輩くんを庇うようにドアへ押し付けて立っていたのが気にくわなかったんだろうか。
いや、単なる趣味だろうな。俺の恋人は、どうしてこう、プレイっぽいことばかりしたがるんだ。
「お前なあ、電車の中で何考えてるんだ」
「先輩のこと」
下から俺を見上げながら、真剣な顔で囁かれて不覚にも少しドキリとした。
でも厳密には『先輩(の尻をさわる)こと』なんだろうなと思うと一気にテンションが下がった。
いや、いいんだけどな。俺も後輩くんにさわられるのは嫌いじゃない……というよりは好きだし、恋人からのスキンシップを嫌がる性格でもない。人前でいちゃつくのも、むしろ平気な方だ。目障りにならない程度なら、だけどな。
だが可愛らしく尋ねてくる後輩くんのさわり方は絶対に可愛らしくない。わかる。
「おとなしくしてろよ。俺は見せつける趣味は……ッ」
いきなりズボンの前からそこを掴まれた。
いくらなんでも直球すぎるだろ……!
「馬鹿、やめろって」
「先輩割りと冷静ですね」
死ぬ気で我慢してる。そんなふうにさわられて、感じない訳ないだろ。
俺が痩せ我慢をしているせいか、後輩くんは段々と手の動きを大胆なものにしていく。
馬鹿、そんなされたら電車の中で出る、って……。
「おいマジやめろ」
「もうちょっと可愛く言って欲しいな」
服の上から乳首を摘まれて、嘘みたいに腰が痺れる。
俺が庇ってるからって両手あけやがって、この……。
俺は思わず、後輩くんの肩口に顔を埋めた。
「……や、め。景ッ……」
「はい、合格です」
そう言って後輩くんは、俺の身体からパッと手を離した。
中途半端に火をつけられた身体が燻る。熱を必死で抑えながら後輩くんを見ると、俺の気も知らずニコニコと笑っている。
今日はもう絶対に、指一本ふれさせてやらないからな。せいぜい笑っておけ、この馬鹿。
「さわっていい?」
後輩くんがそんなことを言ってきた。
俺と後輩くんは恋人同士だし、さわられることは別に構わない。それどころか過度の接触でも許していると思う。
……ここが満員電車の中でなければの話だ。
もしかして俺が後輩くんを庇うようにドアへ押し付けて立っていたのが気にくわなかったんだろうか。
いや、単なる趣味だろうな。俺の恋人は、どうしてこう、プレイっぽいことばかりしたがるんだ。
「お前なあ、電車の中で何考えてるんだ」
「先輩のこと」
下から俺を見上げながら、真剣な顔で囁かれて不覚にも少しドキリとした。
でも厳密には『先輩(の尻をさわる)こと』なんだろうなと思うと一気にテンションが下がった。
いや、いいんだけどな。俺も後輩くんにさわられるのは嫌いじゃない……というよりは好きだし、恋人からのスキンシップを嫌がる性格でもない。人前でいちゃつくのも、むしろ平気な方だ。目障りにならない程度なら、だけどな。
だが可愛らしく尋ねてくる後輩くんのさわり方は絶対に可愛らしくない。わかる。
「おとなしくしてろよ。俺は見せつける趣味は……ッ」
いきなりズボンの前からそこを掴まれた。
いくらなんでも直球すぎるだろ……!
「馬鹿、やめろって」
「先輩割りと冷静ですね」
死ぬ気で我慢してる。そんなふうにさわられて、感じない訳ないだろ。
俺が痩せ我慢をしているせいか、後輩くんは段々と手の動きを大胆なものにしていく。
馬鹿、そんなされたら電車の中で出る、って……。
「おいマジやめろ」
「もうちょっと可愛く言って欲しいな」
服の上から乳首を摘まれて、嘘みたいに腰が痺れる。
俺が庇ってるからって両手あけやがって、この……。
俺は思わず、後輩くんの肩口に顔を埋めた。
「……や、め。景ッ……」
「はい、合格です」
そう言って後輩くんは、俺の身体からパッと手を離した。
中途半端に火をつけられた身体が燻る。熱を必死で抑えながら後輩くんを見ると、俺の気も知らずニコニコと笑っている。
今日はもう絶対に、指一本ふれさせてやらないからな。せいぜい笑っておけ、この馬鹿。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる