甘すぎるのも悪くない

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微エロ好きさんに20のお題

さわっていい?

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先輩視点
 


「さわっていい?」
 
 後輩くんがそんなことを言ってきた。
 俺と後輩くんは恋人同士だし、さわられることは別に構わない。それどころか過度の接触でも許していると思う。
 ……ここが満員電車の中でなければの話だ。
 もしかして俺が後輩くんを庇うようにドアへ押し付けて立っていたのが気にくわなかったんだろうか。
 いや、単なる趣味だろうな。俺の恋人は、どうしてこう、プレイっぽいことばかりしたがるんだ。
 
「お前なあ、電車の中で何考えてるんだ」
「先輩のこと」
 
 下から俺を見上げながら、真剣な顔で囁かれて不覚にも少しドキリとした。
 でも厳密には『先輩(の尻をさわる)こと』なんだろうなと思うと一気にテンションが下がった。
 いや、いいんだけどな。俺も後輩くんにさわられるのは嫌いじゃない……というよりは好きだし、恋人からのスキンシップを嫌がる性格でもない。人前でいちゃつくのも、むしろ平気な方だ。目障りにならない程度なら、だけどな。
 だが可愛らしく尋ねてくる後輩くんのさわり方は絶対に可愛らしくない。わかる。
 
「おとなしくしてろよ。俺は見せつける趣味は……ッ」
 
 いきなりズボンの前からそこを掴まれた。
 いくらなんでも直球すぎるだろ……!
 
「馬鹿、やめろって」
「先輩割りと冷静ですね」
 
 死ぬ気で我慢してる。そんなふうにさわられて、感じない訳ないだろ。
 俺が痩せ我慢をしているせいか、後輩くんは段々と手の動きを大胆なものにしていく。
 馬鹿、そんなされたら電車の中で出る、って……。
 
「おいマジやめろ」
「もうちょっと可愛く言って欲しいな」
 
 服の上から乳首を摘まれて、嘘みたいに腰が痺れる。
 俺が庇ってるからって両手あけやがって、この……。
 俺は思わず、後輩くんの肩口に顔を埋めた。
 
「……や、め。景ッ……」
「はい、合格です」
 
 そう言って後輩くんは、俺の身体からパッと手を離した。
 中途半端に火をつけられた身体が燻る。熱を必死で抑えながら後輩くんを見ると、俺の気も知らずニコニコと笑っている。

 今日はもう絶対に、指一本ふれさせてやらないからな。せいぜい笑っておけ、この馬鹿。 
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