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小学校中学年編
弟が恋人になりました
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俺は実際、かなりもてる方だ。
律以外に対しては素っ気ないのに。やっぱり顔がいいからだろうか?
でもそのおかげで律がキスしてくれたんだとしたら、凄く嬉しい……。
俺は今日律とキスをした、と思う。
……思う、というのは、あのあと興奮極まって律を抱えたままぶっ倒れたからだ。
夢だったのかもしれない。でも、身体の痛みがあれは現実なのだと訴えかける。背中と頭を打ったのか、酷く痛む。
律はあれがファーストキス。でも俺は初めてじゃない。
何しろ俺が律を好きだと気付いたのは17の頃だ。
それまでに色々経験してるし、童貞も15で捨てている。
だから余計、律だけに傷を残すんじゃないかって不安だった。
それに俺は律のことを性的な意味で好きだけど、律は違う。家族愛だ。
俺が律を好きになったから、律は可哀相に思ってキスしてくれたんだ。
俺はベッドで大きなため息をつく。
気付けばベッドで寝ていた。律が懸命に俺を運んでくれたんだろう。
引きずったのか、ベッド下に落ちている靴下のつま先部分が少し汚れてる。
律が俺の靴下を脱がす様子を想像すると、それだけで勃起しそうだった。
だってなんか、凄く倒錯的で……。
でも、倒れてる俺の横で看病はしてくれなかったんだな。
キスしてしまって顔が合わせづらいから、ちょうどいい気もする。律もそれで傍に居ないのかもしれない。
3時間ほど気を失っていたらしく、今は夜の8時だ。
案外リビングでテレビを見てるだけだったりしてな。
……ありえる。
顔は合わせづらいけど、でもやっぱり見たい。律の顔が見たい。
キスして何か変わったかもしれない、それを確かめたい。
変わらず家族なのか、それとも……少しは意識してくれたのか。
触れたい。律に触れたくて仕方ない。キスして、押し倒してしまいたい。
「律……」
「呼んだ?」
ぎゃーー!
名前を呼んだ途端空気読まずに入ってくるか!
しかも凄い切なげに呼んでしまった。
いや、いいんだけど、俺も顔は見たかったんだし!
良かった、オナニーとか始め出す前で……。最悪のタイミングは免れた。
しかも肝が冷えたせいで萎えた。
律を見れば、お風呂上がりのなんとも刺激的な姿で俺はまた復活しそうになる。
キスしちゃったからか、その先が前よりリアルに想像できる。
だからかな。いつもより、興奮する。でも律の様子は変わらない。
……そうかぁ。変わったのは、俺だけなんだ。
「平気? いきなり倒れるからびっくりしちゃった」
しっとりと湿った律の手が、俺の額を撫でる。
「ん、平気……」
「そう。良かった」
口唇にちゅっとキスをされて、俺は狼狽した。
いや、嬉しいけど、でも、何で?
……してみたかっただけなんじゃ……。
「お兄ちゃん、どうかした?」
「あの……今のキスは」
「何かおかしかった?」
「いや、おかしい、というか……。そんな何度もしてくれるのかなって。俺は嬉しいけど」
律がくすくすと笑って、俺の頬に触れるだけのキスを繰り返してくる。
「お兄ちゃん、可愛い」
俺はもう可愛いとか言われる年齢じゃないんだけど……。しかもこんな可愛い弟から。
「だって、恋人ならこれくらいは当たり前でしょ?」
「え!?」
いつ? いつそんな嬉しい展開に!!
「それとも彼女の代わりしてくれるって嘘だった?」
「それは……。だって、キスがしたいだけだって」
「うん。でも、キスができたら他はいらないとも言ってないよ。男として責任は取るべきだと思ってるし!」
キスで責任て……。まいったなあ、可愛い。可愛すぎて泣けてきそうだ。というか泣いてしまう。
可愛いのに男前な俺の律。大好きだ。
……えー……と。本当に? 恋人同士? こんなあっさり……。
俺たち、恋人同士?
「俺は男で、しかもお兄ちゃんだけど……。本当にいいのか、律……」
「僕も男で、弟だけどいいの?」
「だって俺は律がいい。律じゃなきゃやだ……」
律が俺をぎゅうっと抱きしめる。
「僕も、お兄ちゃんがいいな」
やばい。可愛い。鼻血噴く。
「律、ワガママ言ってもいいか?」
「なーに?」
「……彼女の代わりじゃなくて本当がいい。本当の恋人」
「いいよ」
「他に恋人作っちゃいけなくなるんだぞ」
「うん」
「浮気したら、怒るし」
「しないよ」
何でこんなあっさり言えるんだ。
俺はもう五年も片思いだから、念願叶って嬉しいし禁忌なんて飛び越えたいって思ってたからいいけど、律はそうじゃない。
……まだ小さいからっていうのもあるか。よく判ってないんだろう。
いつか我に返るかもしれない。でもそれでも、その時までは律と恋人同士でいられたらどんなに幸せだろう。
俺は今きっと、ありえないはずの夢を見てる。
「母さんと父さんにはないしょな」
「二人だけの秘密ね」
律の口唇にキスをする。初めての深いキスはいつにしよう。
律が何歳になったら性的なことを解禁にしてもいいかな。さすがに挿入は高校生になるまでは待つとして……。自慰も俺が教え込んでいいんだ。
ああ、幸せで目眩がしそうだ。
「お兄ちゃん、大好き! 毎日キスしようね」
「律……」
俺、いつまでキスだけで耐えられるかな……。
こうして俺に12歳年下の恋人ができました。
律以外に対しては素っ気ないのに。やっぱり顔がいいからだろうか?
でもそのおかげで律がキスしてくれたんだとしたら、凄く嬉しい……。
俺は今日律とキスをした、と思う。
……思う、というのは、あのあと興奮極まって律を抱えたままぶっ倒れたからだ。
夢だったのかもしれない。でも、身体の痛みがあれは現実なのだと訴えかける。背中と頭を打ったのか、酷く痛む。
律はあれがファーストキス。でも俺は初めてじゃない。
何しろ俺が律を好きだと気付いたのは17の頃だ。
それまでに色々経験してるし、童貞も15で捨てている。
だから余計、律だけに傷を残すんじゃないかって不安だった。
それに俺は律のことを性的な意味で好きだけど、律は違う。家族愛だ。
俺が律を好きになったから、律は可哀相に思ってキスしてくれたんだ。
俺はベッドで大きなため息をつく。
気付けばベッドで寝ていた。律が懸命に俺を運んでくれたんだろう。
引きずったのか、ベッド下に落ちている靴下のつま先部分が少し汚れてる。
律が俺の靴下を脱がす様子を想像すると、それだけで勃起しそうだった。
だってなんか、凄く倒錯的で……。
でも、倒れてる俺の横で看病はしてくれなかったんだな。
キスしてしまって顔が合わせづらいから、ちょうどいい気もする。律もそれで傍に居ないのかもしれない。
3時間ほど気を失っていたらしく、今は夜の8時だ。
案外リビングでテレビを見てるだけだったりしてな。
……ありえる。
顔は合わせづらいけど、でもやっぱり見たい。律の顔が見たい。
キスして何か変わったかもしれない、それを確かめたい。
変わらず家族なのか、それとも……少しは意識してくれたのか。
触れたい。律に触れたくて仕方ない。キスして、押し倒してしまいたい。
「律……」
「呼んだ?」
ぎゃーー!
名前を呼んだ途端空気読まずに入ってくるか!
しかも凄い切なげに呼んでしまった。
いや、いいんだけど、俺も顔は見たかったんだし!
良かった、オナニーとか始め出す前で……。最悪のタイミングは免れた。
しかも肝が冷えたせいで萎えた。
律を見れば、お風呂上がりのなんとも刺激的な姿で俺はまた復活しそうになる。
キスしちゃったからか、その先が前よりリアルに想像できる。
だからかな。いつもより、興奮する。でも律の様子は変わらない。
……そうかぁ。変わったのは、俺だけなんだ。
「平気? いきなり倒れるからびっくりしちゃった」
しっとりと湿った律の手が、俺の額を撫でる。
「ん、平気……」
「そう。良かった」
口唇にちゅっとキスをされて、俺は狼狽した。
いや、嬉しいけど、でも、何で?
……してみたかっただけなんじゃ……。
「お兄ちゃん、どうかした?」
「あの……今のキスは」
「何かおかしかった?」
「いや、おかしい、というか……。そんな何度もしてくれるのかなって。俺は嬉しいけど」
律がくすくすと笑って、俺の頬に触れるだけのキスを繰り返してくる。
「お兄ちゃん、可愛い」
俺はもう可愛いとか言われる年齢じゃないんだけど……。しかもこんな可愛い弟から。
「だって、恋人ならこれくらいは当たり前でしょ?」
「え!?」
いつ? いつそんな嬉しい展開に!!
「それとも彼女の代わりしてくれるって嘘だった?」
「それは……。だって、キスがしたいだけだって」
「うん。でも、キスができたら他はいらないとも言ってないよ。男として責任は取るべきだと思ってるし!」
キスで責任て……。まいったなあ、可愛い。可愛すぎて泣けてきそうだ。というか泣いてしまう。
可愛いのに男前な俺の律。大好きだ。
……えー……と。本当に? 恋人同士? こんなあっさり……。
俺たち、恋人同士?
「俺は男で、しかもお兄ちゃんだけど……。本当にいいのか、律……」
「僕も男で、弟だけどいいの?」
「だって俺は律がいい。律じゃなきゃやだ……」
律が俺をぎゅうっと抱きしめる。
「僕も、お兄ちゃんがいいな」
やばい。可愛い。鼻血噴く。
「律、ワガママ言ってもいいか?」
「なーに?」
「……彼女の代わりじゃなくて本当がいい。本当の恋人」
「いいよ」
「他に恋人作っちゃいけなくなるんだぞ」
「うん」
「浮気したら、怒るし」
「しないよ」
何でこんなあっさり言えるんだ。
俺はもう五年も片思いだから、念願叶って嬉しいし禁忌なんて飛び越えたいって思ってたからいいけど、律はそうじゃない。
……まだ小さいからっていうのもあるか。よく判ってないんだろう。
いつか我に返るかもしれない。でもそれでも、その時までは律と恋人同士でいられたらどんなに幸せだろう。
俺は今きっと、ありえないはずの夢を見てる。
「母さんと父さんにはないしょな」
「二人だけの秘密ね」
律の口唇にキスをする。初めての深いキスはいつにしよう。
律が何歳になったら性的なことを解禁にしてもいいかな。さすがに挿入は高校生になるまでは待つとして……。自慰も俺が教え込んでいいんだ。
ああ、幸せで目眩がしそうだ。
「お兄ちゃん、大好き! 毎日キスしようね」
「律……」
俺、いつまでキスだけで耐えられるかな……。
こうして俺に12歳年下の恋人ができました。
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