弟を好きになりました

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小学校中学年編

抱擁だけじゃ終われない

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 弟を抱き締めて眠る。あと、キスをする。それだけでもただの兄弟だった頃に比べれば充分幸せだ。
 なんだか夢精するのにも慣れてきて、オカズにしてあとでトイレで抜けばいいだけじゃないかと思い始めた。
 今まで耐えてきたんだから、今更だし。オカズが新鮮になったと思えばそれでいい。
 
 
 そう思ってました。昨日までは。
 
 
 
 
 払いのけられた手。呆気にとられる俺。今日から別々に寝ると言い出す弟。
 ……そりゃ、この前まではそうだった。別々に寝てた。部屋も別にすると言われなかっただけいいのかもしれない。
 でも……何で。勝手にパンツをくすねたことがばれたのか。それとも、弟のハブラシで歯を磨いたのがばれた?
 ああ、俺、ろくなことしてない。嫌われてもおかしくない。
 
「ど、どうして……急に。お兄ちゃんが嫌いになった?」
 
 首を横に振る律。良かった。嫌われた訳じゃないんだ。
 とか安心してる場合じゃない……。
 
「律、でも俺……。律を抱き締めて寝たいよ。ギュッとしたい。あとちゅーとか……。律が嫌がることは、何もしないから」
「だって……。お兄ちゃん、僕とえっちなことがしたいんでしょ?」
 
 俺はたっぷり数十秒固まった。
 なっ……何で、バレッ……。てか、律泣いてるし。何で!?
 俺がえっちなことしたがってるから嫌いになったってことなのかな、やっぱ……。
 
「その、そういうのは律が大人になったらで、いいから。お兄ちゃん、待つし」
 
 律はすんとぐずりながら、俺にしがみついてきた。
 
「ずっと年上の人と付き合ってるって言ったら、クラスの子がね、お前はまだガキでえっちなこともできないんだから、嫌われるぞって言うの」
「そうかあ……」
 
 俺は律の背をぽんぽんと叩く。その子は律のことが好きなのかもしれない。同世代の子と付き合えよとかそんな意味なのか、それとも単に年上の女性と付き合ってる律が羨ましいのか。
 実際には俺は男だけど、周りは女性だって思うだろうからな。
 
「ゆっくり大人になってくれればいいよ、律」
「……でもやっぱり、したいんだよね?」
 
 否定できない……。というか今、既にやばい。ベッドの上でこんな話題。律の柔らかい身体を抱き締めて、俺はすっかり臨戦態勢。

「僕、お兄ちゃんに何かしてあげられること、ある?」
 
 そんな可愛らしく首を傾げられると、理性が焼き切れそうだ。
 このまま押し倒してパジャマを脱がせ、身体中舐め回してしまいたい。
 でもダメだ。こんな幼い律に手を出すなんて。
 ……擦ってもらうくらいなら俺が何かする訳じゃないし、とか考えるのもダメだ!
 
「じゃ、俺から少し離れて、見てて……」
「え? 何を?」
「パジャマ少しだけ、はだけてもらってもいいか?」
「脱ぐの?」
「いや、こう乱す感じで……」
 
 俺は股間にシーツをかけたまま、下着の中に手を突っ込んで痛いほど張り詰めた熱を上下に扱いた。
 喉の奥から息がもれる。
 やばい。気持ちいい。律に……律がじっと俺を見る。俺が何をしているかも知らずに。
 見られているんだと思うといつもとは比べものにならないくらいの快感が背を駆け上がってきて、先端からとろとろと先走りが零れ始めた。
 律がそれを小さな舌で舐めとる妄想が頭の中に広がっていく。
 
「律……、律」
「何? お兄ちゃん。あの、苦しそうだけど大丈夫?」
「うん。平気だから……。ちゅってして」

 熱くなった身体に律が触れる。俺の口唇に律が触れる。
 甘い疼きが手の平を通して震えた。

「こ、これでいい?」
「ん……」
「えっちできなくても嫌いになんない?」
「ああ。なんないよ。好きだよ律。大好きだ」

 あ、と律が口を開ける。甘く熱い舌が俺の下唇を這って、中に侵入してきた。
 やば……い。これはやばい。この前覚えたキス、忠実にしてくれてる。
 舌先を甘く噛まれた途端、手にどろりと熱い液体がかかった。
 凄い量……。昨日もしたのに。
 これはパンツ替えないとまずいな。

「ありがとな。気持ち良かった」
「えへへー」

 律が笑う。可愛い。俺からもちゅっとキスをして、汚れてない方の手で抱きしめた。

「でもお兄ちゃん、苦しそうだったけど、なんか綺麗だった。どきどきした」
「変な顔じゃなかったか?」
「ううん」

 そんな台詞俺の方がドキドキする。
 俺の自慰見て律がおかしな気分になってくれたとか言ったらまた勃つ。勃ってしまう。
 手も洗わないといけないし、とりあえずトイレだな。

「ちょっとトイレに行ってくるな」
「うん。あ、お兄ちゃん。僕が大きくなったら、えっちなこといっぱいしてね」

 そんな、天使のような顔でッ……!
 あー、もう。大きくなるまで待てるのかな、俺。

 トイレから帰ると、律はパジャマを乱したままやっぱり天使のような顔で眠っていた。
 俺がその羽をもいでやりたくなったのは言うまでもない。 
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