四季巡りあやかし堂 ~巡る季節と古き縁~

 高知県吾川郡仁淀川町。
 四万十川に続く清流として有名な仁淀川が流れるこの地には、およそ400年の歴史を持つ“池川神社”と呼ばれる社がある。
 山間にひっそりと佇むこの社には三大神楽の一つが奉納されており、毎年11月に祭りとして催され、地域に愛され仁淀川町を静かに見守る社だった。

 そんな池川神社に、1匹のあやかしが棲んでいた。
 その猫が見える人間は誰一人としていない。

 誰の目にも止まらないその猫の名は――狸奴《りと》。

 夜になると、狸奴は人の姿に変わり、池川神社の境内に立ち神楽鈴を手に舞を踊る。

 ある人との約束を守る為に、人々の安寧を願い舞い踊るのだ。


 ある日、その池川神社に一人の女子大生が訪れた。
 彼女はこの地域には何の縁もゆかりもない女子大生――藤岡加奈子。

 神社仏閣巡りが趣味で、つい一か月ほど前に夏休みを利用して四国八十八か所巡りを済ませて来たばかりの加奈子は一人、地元の人間しか知らないような神社を巡る旅をしようと、ここへとたどり着く。


 この物語は、加奈子と狸奴の四季を通じた出会いと別れを書き綴ります。


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※この物語には実際の地名など使用していますが、完全なフィクションであり実在の人物や団体などとは関係ありません。
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