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STARドリンク
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「豹くん、次はうちの店のナンバーワンとツーを紹介するね」
お客様がいる店内に向かい姿が見えないよう物陰から覗きつつ二人の姿を探す。
「あ、ほらあの金髪で優しそうな笑顔でピンクのワンピース着た女性相手にしてる人がうちのナンバーツーの隆二さん。優しくてお兄さんみたいに面倒見のいい人だから困った時とか相談するといいよ」
「お兄さんね…」
「向こうにいるのがさっきも会ったと思うけどこの店のオーナーでナンバーワンの蓮さん。女性には紳士的でお酒を飲むと甘え上戸になってギャップに人気あるけど普段は口悪くてだらしない大人だけど頼りがいはあるから信頼は出来る人だよ」
「信頼出来る出来ないは自分で決める」
「まぁ、勝手にすれば…」
こいつ何考えてるか分からない…
豹を横目に改めて苦手だと思った。
「せな!ここにいたか!」
ん?
声がする方を見ると明が慌てて来るのが目に入りすかさず人差し指を口に当て静かに!と口パクで言う。
「…わりぃ」
「どうしたんだ?」
「実はせなに指名が入って…」
「指名?今は事情があって指名出来ないってオーナー直々にお客様に伝えてるはずだけど?」
「それがどうしてもせながいいって一点張りで…」
「どんなお客様なんだ?」
「せなのお得意様の峯岸様」
「あー、なるほど…分かった。すぐ出るから、その代わり明空いてるなら新しく入った豹を休憩所に案内しといて!」
「は?新人?」
「豹くん、明は馬鹿でどうしようもない馬鹿だけど根はいい奴だから後は明を頼って!」
「お、おう」
「ちょっ…せないったいどういう…」
パシッ
口篭る明の肩を叩くと満面の笑みで頷く。
「あとは頼んだ!」
「お、おい!」
何か言いたげな明を残しすぐ側にある花瓶から赤い薔薇を一本抜き取りそれを手にしたまま峯岸様の座席に向かってスマートに歩く。
「きゃあぁぁぁぁ!!せなくんよ!」
「失礼します。峯岸様、お待たせしてすみません」
峯岸様の座席に着くと目の前にて膝を折り着くと紳士のようにスッと左手を取り手の甲に優しいキスを落とす。
チュッ
「っ…もうっ!ずっと待ってたんだから!」
「すみません…お詫びといってはなんですがこれを…」
背中に忍ばせていた赤い薔薇を目の前に突き出し妖艶の笑みを零す。
「えっ!?綺麗…」
パシッ
「えっ…」
薔薇に触れようとした峯岸様の手をすかさず掴むとゆっくりと顔を近づける。
「触れてはいけません…美しい薔薇のトゲには容易く触れられないように美しいプリンセスのトゲも優しくそっと…触れなければ」
スッと右頬を撫でると固まる峯岸様に笑みを零す。
「っ…好き」
真っ赤になって絞り出した峯岸様の言葉に体を離し再度跪く。
「こんな落ち度をした私を許してはいただけませんか?プリンセス」
少し上目遣いにうるうる瞳で見上げると先程の怒りがどこに行ったのか、真っ赤になりながらも何度も頷く峯岸様の様子にテーブルの上にあるガラスコップに薔薇を差し峯岸様の目の前に置く。
「ありがとうございます。さぁ、今宵もあなたに癒しを…」
峯岸様の横に座り接待をしていた後輩に耳打ちをする。
「…ここは大丈夫だから他のお客様の事お願い」
「すみません、せなさん。あとはお願いします…」
そう言うと席に着いていた後輩を外し再度峯岸様に向き直る。
「今宵はどんなお酒がご慕容で?」
「せなくん専用のシャンパンタワーお願いします!」
「ふふっ、かしこまりました」
「シャンパンタワー入ります~す!」
「”はーい!ありがとうございます!!”」
数名の後輩が動き出しシャンパンタワーの用意をする中、お手洗から帰って来たらしい女性が峯岸様に近づいた。
「あ、あの…」
「瑞穂さん、丁度いい所に来たわ!今からシャンパンタワーがあるの!座って座って!」
「えっ…あ、えっと…」
流されるがままに座る瑞穂と呼ばれた女性に不思議と見覚えがあり記憶を総動員すると三十分まえに見た未来のビジョンに出ていた女性という事を思い出す。
「瑞穂様は初めてのご来店でらっしゃいますか?」
峯岸様の隣に座る瑞穂にそう声をかけると突然かけられた声にビクビクしつつも必死に言葉を選ぶ様子にそっと左手を取る。
「あ、あのっ…」
「ゆっくりで大丈夫ですよ?」
笑顔でそう言うと頬を染めながらもコクと頷いた。
「初めてで…す。」
「ご来店ありがとうございます。今宵は瑞穂様に楽しんでいただけるよう夢の世界にお連れしましょう…」
パチンッ!
するとシャンパン用のグラスがタワーのように積み重なり後輩からシャンパンを受け取ると頂上からそれを流し込む。
「綺麗…」
二人の溜息に満ちた言葉を聞きつつ色とりどりに光るライトを浴びたシャンパン液に視線を落とす。
別名、STARドリンク。
略すと星那のドリンクと言う意味でもあった。
お客様がいる店内に向かい姿が見えないよう物陰から覗きつつ二人の姿を探す。
「あ、ほらあの金髪で優しそうな笑顔でピンクのワンピース着た女性相手にしてる人がうちのナンバーツーの隆二さん。優しくてお兄さんみたいに面倒見のいい人だから困った時とか相談するといいよ」
「お兄さんね…」
「向こうにいるのがさっきも会ったと思うけどこの店のオーナーでナンバーワンの蓮さん。女性には紳士的でお酒を飲むと甘え上戸になってギャップに人気あるけど普段は口悪くてだらしない大人だけど頼りがいはあるから信頼は出来る人だよ」
「信頼出来る出来ないは自分で決める」
「まぁ、勝手にすれば…」
こいつ何考えてるか分からない…
豹を横目に改めて苦手だと思った。
「せな!ここにいたか!」
ん?
声がする方を見ると明が慌てて来るのが目に入りすかさず人差し指を口に当て静かに!と口パクで言う。
「…わりぃ」
「どうしたんだ?」
「実はせなに指名が入って…」
「指名?今は事情があって指名出来ないってオーナー直々にお客様に伝えてるはずだけど?」
「それがどうしてもせながいいって一点張りで…」
「どんなお客様なんだ?」
「せなのお得意様の峯岸様」
「あー、なるほど…分かった。すぐ出るから、その代わり明空いてるなら新しく入った豹を休憩所に案内しといて!」
「は?新人?」
「豹くん、明は馬鹿でどうしようもない馬鹿だけど根はいい奴だから後は明を頼って!」
「お、おう」
「ちょっ…せないったいどういう…」
パシッ
口篭る明の肩を叩くと満面の笑みで頷く。
「あとは頼んだ!」
「お、おい!」
何か言いたげな明を残しすぐ側にある花瓶から赤い薔薇を一本抜き取りそれを手にしたまま峯岸様の座席に向かってスマートに歩く。
「きゃあぁぁぁぁ!!せなくんよ!」
「失礼します。峯岸様、お待たせしてすみません」
峯岸様の座席に着くと目の前にて膝を折り着くと紳士のようにスッと左手を取り手の甲に優しいキスを落とす。
チュッ
「っ…もうっ!ずっと待ってたんだから!」
「すみません…お詫びといってはなんですがこれを…」
背中に忍ばせていた赤い薔薇を目の前に突き出し妖艶の笑みを零す。
「えっ!?綺麗…」
パシッ
「えっ…」
薔薇に触れようとした峯岸様の手をすかさず掴むとゆっくりと顔を近づける。
「触れてはいけません…美しい薔薇のトゲには容易く触れられないように美しいプリンセスのトゲも優しくそっと…触れなければ」
スッと右頬を撫でると固まる峯岸様に笑みを零す。
「っ…好き」
真っ赤になって絞り出した峯岸様の言葉に体を離し再度跪く。
「こんな落ち度をした私を許してはいただけませんか?プリンセス」
少し上目遣いにうるうる瞳で見上げると先程の怒りがどこに行ったのか、真っ赤になりながらも何度も頷く峯岸様の様子にテーブルの上にあるガラスコップに薔薇を差し峯岸様の目の前に置く。
「ありがとうございます。さぁ、今宵もあなたに癒しを…」
峯岸様の横に座り接待をしていた後輩に耳打ちをする。
「…ここは大丈夫だから他のお客様の事お願い」
「すみません、せなさん。あとはお願いします…」
そう言うと席に着いていた後輩を外し再度峯岸様に向き直る。
「今宵はどんなお酒がご慕容で?」
「せなくん専用のシャンパンタワーお願いします!」
「ふふっ、かしこまりました」
「シャンパンタワー入ります~す!」
「”はーい!ありがとうございます!!”」
数名の後輩が動き出しシャンパンタワーの用意をする中、お手洗から帰って来たらしい女性が峯岸様に近づいた。
「あ、あの…」
「瑞穂さん、丁度いい所に来たわ!今からシャンパンタワーがあるの!座って座って!」
「えっ…あ、えっと…」
流されるがままに座る瑞穂と呼ばれた女性に不思議と見覚えがあり記憶を総動員すると三十分まえに見た未来のビジョンに出ていた女性という事を思い出す。
「瑞穂様は初めてのご来店でらっしゃいますか?」
峯岸様の隣に座る瑞穂にそう声をかけると突然かけられた声にビクビクしつつも必死に言葉を選ぶ様子にそっと左手を取る。
「あ、あのっ…」
「ゆっくりで大丈夫ですよ?」
笑顔でそう言うと頬を染めながらもコクと頷いた。
「初めてで…す。」
「ご来店ありがとうございます。今宵は瑞穂様に楽しんでいただけるよう夢の世界にお連れしましょう…」
パチンッ!
するとシャンパン用のグラスがタワーのように積み重なり後輩からシャンパンを受け取ると頂上からそれを流し込む。
「綺麗…」
二人の溜息に満ちた言葉を聞きつつ色とりどりに光るライトを浴びたシャンパン液に視線を落とす。
別名、STARドリンク。
略すと星那のドリンクと言う意味でもあった。
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