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ご褒美を賭けて
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パァンッ!
スタートの銃声の音が響き渡り目の前の女子が走って行くのを見ながら次のスタートの準備をする。
あんな奴にキスなんて絶対しない!
絶対勝ってやるんだから!
「次行くよ~!よ~い…」
パァンッ!
銃声の音が耳に届き全速力で走り出す。
「へ~、速いじゃん」
星那の走りは周りの女子をすぐさま抜き、その容姿もあって美しかった。
「でも本人は恐怖心と戦いながら走ってるんだよね~あはは」
理沙の言葉に走っている星那の顔をよく見ると何やらブツブツ呟いているのが見えた。
何話してんだ?あいつ…
一方、星那本人はというと…
「借金取りに捕まったら終わり…捕まったら終わり…捕まったら終わり…」
そう借金取りが追いかけてくるのをイメージして走っていたのだった。
理沙の言う”恐怖心と戦っている”とはこの事を指していた。
「…一着!お疲れ様です!」
同級生の男子生徒の声にふっと我に返りさっそくタイムを聞く。
「タイムは?」
「七秒ぴったりです!」
「そう…ありがとう!」
満面の笑みを男子生徒に向けると何故か頬を染め固まってしまったが気にすることなくそのまま豹のところに向かう。
「ふふ~ん!どうよ?」
最高級のドヤ顔で問うと痛くも痒くもないような顔でいつもの皮肉が飛び出す。
「まぁまぁだな」
「なっ!?そう言うあんたは…」
豹は踵を返すとそそくさとスタートラインに立ち構える。
パァンッ!
銃声の音が鳴り一斉に走り出す中、いつの間にか豹だけが既に半分の距離を走っていた。
「速い…」
鋭く風を切るように艶やかな茶髪がなびき鋭い目が無表情に浮き立つ。
「…一着おめでとう!」
「…タイムは?」
「六秒一二です!」
「そう…」
うっ…負けた…
豹のタイムが聞こえ苦虫を噛み潰したような気持ちになっていると終わった豹の視線に気づき見上げるとふっと笑いを浮かべていた。
む~か~つ~く!!
かなり腹立つ豹の顔に苛立ちを隠せないでいると見かねた理沙が横から声をかける。
「まぁまぁ、まだ砲丸投げがあるじゃん」
「あ、砲丸投げ!そうだよね!まだまだこれからだよね!」
…といきこんだのもつかの間、結果はあっさりとついた。
いくら女子の中では群を抜いているからといって…トップの男子にはかなうはずもなく豹にあっさりと負けてしまったのだった。
*
「…じゃ、ご褒美」
「うぅ…」
体力測定が終わり誰も見つからない体育館の裏側の壁にて二人の男女の姿があった。
「私は色は売るけど体は売らないって決めてるのっ!それに…それに、私に興味ないんじゃなかったの??」
「興味はない。だが、約束の褒美は貰わないと気が済まない」
「何それ!?ならしなくてもいいじゃん!」
「お前は一度した約束も守れないのか?」
「うっ…わ、分かった。やるよ!やればいいんでしょ!」
半ばやけになり唇を近づける。
ふにっ
微かにかするかかすらないかぐらいのキスを右頬にすると何だか不服そうな声がかかる。
「キスは”ここ”じゃないのか?」
豹は人差し指で自分の唇に当てると何故?という顔を返す。
「こ、これで精一杯!」
「ふっ…ま、いいや。唇はもうしたし…」
「はぁ!?それどういう…」
豹は意味不な言葉を残し体を離すとそのまま教室に戻っていった。
スタートの銃声の音が響き渡り目の前の女子が走って行くのを見ながら次のスタートの準備をする。
あんな奴にキスなんて絶対しない!
絶対勝ってやるんだから!
「次行くよ~!よ~い…」
パァンッ!
銃声の音が耳に届き全速力で走り出す。
「へ~、速いじゃん」
星那の走りは周りの女子をすぐさま抜き、その容姿もあって美しかった。
「でも本人は恐怖心と戦いながら走ってるんだよね~あはは」
理沙の言葉に走っている星那の顔をよく見ると何やらブツブツ呟いているのが見えた。
何話してんだ?あいつ…
一方、星那本人はというと…
「借金取りに捕まったら終わり…捕まったら終わり…捕まったら終わり…」
そう借金取りが追いかけてくるのをイメージして走っていたのだった。
理沙の言う”恐怖心と戦っている”とはこの事を指していた。
「…一着!お疲れ様です!」
同級生の男子生徒の声にふっと我に返りさっそくタイムを聞く。
「タイムは?」
「七秒ぴったりです!」
「そう…ありがとう!」
満面の笑みを男子生徒に向けると何故か頬を染め固まってしまったが気にすることなくそのまま豹のところに向かう。
「ふふ~ん!どうよ?」
最高級のドヤ顔で問うと痛くも痒くもないような顔でいつもの皮肉が飛び出す。
「まぁまぁだな」
「なっ!?そう言うあんたは…」
豹は踵を返すとそそくさとスタートラインに立ち構える。
パァンッ!
銃声の音が鳴り一斉に走り出す中、いつの間にか豹だけが既に半分の距離を走っていた。
「速い…」
鋭く風を切るように艶やかな茶髪がなびき鋭い目が無表情に浮き立つ。
「…一着おめでとう!」
「…タイムは?」
「六秒一二です!」
「そう…」
うっ…負けた…
豹のタイムが聞こえ苦虫を噛み潰したような気持ちになっていると終わった豹の視線に気づき見上げるとふっと笑いを浮かべていた。
む~か~つ~く!!
かなり腹立つ豹の顔に苛立ちを隠せないでいると見かねた理沙が横から声をかける。
「まぁまぁ、まだ砲丸投げがあるじゃん」
「あ、砲丸投げ!そうだよね!まだまだこれからだよね!」
…といきこんだのもつかの間、結果はあっさりとついた。
いくら女子の中では群を抜いているからといって…トップの男子にはかなうはずもなく豹にあっさりと負けてしまったのだった。
*
「…じゃ、ご褒美」
「うぅ…」
体力測定が終わり誰も見つからない体育館の裏側の壁にて二人の男女の姿があった。
「私は色は売るけど体は売らないって決めてるのっ!それに…それに、私に興味ないんじゃなかったの??」
「興味はない。だが、約束の褒美は貰わないと気が済まない」
「何それ!?ならしなくてもいいじゃん!」
「お前は一度した約束も守れないのか?」
「うっ…わ、分かった。やるよ!やればいいんでしょ!」
半ばやけになり唇を近づける。
ふにっ
微かにかするかかすらないかぐらいのキスを右頬にすると何だか不服そうな声がかかる。
「キスは”ここ”じゃないのか?」
豹は人差し指で自分の唇に当てると何故?という顔を返す。
「こ、これで精一杯!」
「ふっ…ま、いいや。唇はもうしたし…」
「はぁ!?それどういう…」
豹は意味不な言葉を残し体を離すとそのまま教室に戻っていった。
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