76 / 108
騙す奴と騙される奴
しおりを挟む
星那が井川を救出していた頃、蓮と隆二はボーイに変装し花吹雪の店員として主要人物にバレないよう接客をしていた。
カランッ…
「いらっしゃいませお嬢様方…今宵は誰をご指名で?」
「ん~…ナンバーワンの空さんもいいけど売り出し中のカナトくんも…へ?あ、あのっ…」
いつの間にか至近距離にいたボーイの手が肩に伸ばされつい言葉を飲み込み固まる。
「…すみません肩に埃が」
すると肩から埃を取り笑顔で答えるボーイに顔を赤らめ口を開く。
「い、いえっ!あの…お名前はなんて言うんですか?」
「隆二と言います…プリンセス」
チュッ
名乗るのと同時に右手を掬われそっとキスをされ当の本人の女性も含め周りにいた女性達の目には完全に隆二に釘付けとなった。
*
「何か表が騒がしいな…」
「ねぇ~?そんな事よりカナト今日暇?」
「ん?暇!暇!」
「やった~~!じゃあ、後でデートしようよ~?」
「おっけ~!今日は…」
トンッ…
「失礼します、おしぼりお持ちしました…」
「あら、ありが…」
振り向いた女性の言葉が止まり不思議に思ったボーイが問いかける。
「お嬢様、如何なさいました?」
「あ、あのっ!貴方名前は!?」
勢いよく前に乗り出し問いかける女性に隣にいたカナトが止めに入る。
「お、おい!どうしたんだよ急に…」
「あんたは黙っててっ!」
「っ…」
見事に一喝し黙らせる女性を前に、ボーイはニヤリと不敵な笑みを浮かべ口を開く。
「…蓮と申します」
バンッ!
その瞬間、女性は勢いよくテーブルを叩き目の前のボーイに駆け寄る。
「指名を変更するわ!…蓮さんを指名します!」
「お、おい!そいつはボーイで指名なんて…」
「あんた馬鹿じゃないの!?この人は『Star』のオーナーでありナンバーワンホストの蓮さんよ!あんたとは天と地の差だわ!」
「は…?」
女性の言葉に呆然とするカナトを他所にその言葉を聞いた周りの女性客が次々と蓮の元に駆け寄りいつの間にかその場にいた女性客全員をかっさらう形となった。
「蓮さん、何で花吹雪にいるんですか?」
「何でボーイに?カッコイイ~!」
一気に詰め寄る女性達に苦笑いをしていると入口付近にいた隆二の声が飛んできた。
「蓮!そっちも成功したみたいだな?」
「え!?ナンバーツーの隆二さん!?きゃぁぁぁ!!」
沢山の女性客を連れ現れた隆二にその場にいた女性客全員の興奮度が更に上がった。
「まぁな…後はせなが上手く救出してればいいんだが」
「蓮!隆二!お前らが何でここにいる…?」
女性客をかき分けて現れたのは花吹雪のオーナーでありナンバーワンホストの空とナンバーツーの伊月だった。
「別にお前ら二人に用はないんだよね~…用があるのはそこの奴」
蓮の指さした先には呆然と固まるカナトの姿があった。
「カナトになんか用か?」
「そいつが拉致した女性がうちのせなの友達なんだわ…んでその女性の解放と女性に対する謝罪をしてほしいわけ」
「は?俺が拉致?馬鹿じゃねーの!そんな事俺がするわけねぇだろうが!大体、その拉致されたっつー女もいねぇのにどう説明すんだよ?」
蓮の言葉に我に返ったカナトが必死な形相で畳み掛けるとタイミングよくある人物が現れた。
「説明なら余裕で出来るけど…?」
「っ…」
カランッ…
「いらっしゃいませお嬢様方…今宵は誰をご指名で?」
「ん~…ナンバーワンの空さんもいいけど売り出し中のカナトくんも…へ?あ、あのっ…」
いつの間にか至近距離にいたボーイの手が肩に伸ばされつい言葉を飲み込み固まる。
「…すみません肩に埃が」
すると肩から埃を取り笑顔で答えるボーイに顔を赤らめ口を開く。
「い、いえっ!あの…お名前はなんて言うんですか?」
「隆二と言います…プリンセス」
チュッ
名乗るのと同時に右手を掬われそっとキスをされ当の本人の女性も含め周りにいた女性達の目には完全に隆二に釘付けとなった。
*
「何か表が騒がしいな…」
「ねぇ~?そんな事よりカナト今日暇?」
「ん?暇!暇!」
「やった~~!じゃあ、後でデートしようよ~?」
「おっけ~!今日は…」
トンッ…
「失礼します、おしぼりお持ちしました…」
「あら、ありが…」
振り向いた女性の言葉が止まり不思議に思ったボーイが問いかける。
「お嬢様、如何なさいました?」
「あ、あのっ!貴方名前は!?」
勢いよく前に乗り出し問いかける女性に隣にいたカナトが止めに入る。
「お、おい!どうしたんだよ急に…」
「あんたは黙っててっ!」
「っ…」
見事に一喝し黙らせる女性を前に、ボーイはニヤリと不敵な笑みを浮かべ口を開く。
「…蓮と申します」
バンッ!
その瞬間、女性は勢いよくテーブルを叩き目の前のボーイに駆け寄る。
「指名を変更するわ!…蓮さんを指名します!」
「お、おい!そいつはボーイで指名なんて…」
「あんた馬鹿じゃないの!?この人は『Star』のオーナーでありナンバーワンホストの蓮さんよ!あんたとは天と地の差だわ!」
「は…?」
女性の言葉に呆然とするカナトを他所にその言葉を聞いた周りの女性客が次々と蓮の元に駆け寄りいつの間にかその場にいた女性客全員をかっさらう形となった。
「蓮さん、何で花吹雪にいるんですか?」
「何でボーイに?カッコイイ~!」
一気に詰め寄る女性達に苦笑いをしていると入口付近にいた隆二の声が飛んできた。
「蓮!そっちも成功したみたいだな?」
「え!?ナンバーツーの隆二さん!?きゃぁぁぁ!!」
沢山の女性客を連れ現れた隆二にその場にいた女性客全員の興奮度が更に上がった。
「まぁな…後はせなが上手く救出してればいいんだが」
「蓮!隆二!お前らが何でここにいる…?」
女性客をかき分けて現れたのは花吹雪のオーナーでありナンバーワンホストの空とナンバーツーの伊月だった。
「別にお前ら二人に用はないんだよね~…用があるのはそこの奴」
蓮の指さした先には呆然と固まるカナトの姿があった。
「カナトになんか用か?」
「そいつが拉致した女性がうちのせなの友達なんだわ…んでその女性の解放と女性に対する謝罪をしてほしいわけ」
「は?俺が拉致?馬鹿じゃねーの!そんな事俺がするわけねぇだろうが!大体、その拉致されたっつー女もいねぇのにどう説明すんだよ?」
蓮の言葉に我に返ったカナトが必死な形相で畳み掛けるとタイミングよくある人物が現れた。
「説明なら余裕で出来るけど…?」
「っ…」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる