天使の隣 〜駅伝むすめバンビ〜

鉄紺忍者

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【7区 7.0km 栗原 楓(1年)】

④ 紅葉色パレード

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【レースはいよいよアンカー区間、7区に入っています。先頭のジャスミン大・又吉が、山下公園通りをひた走っています。解説の鱒川さん、いつもはこの通りに入って来る頃にはほぼ優勝が決まっているので、我々、”ビクトリーロード”と呼んでしまっていますが】

「そうですよね。いつもだいたいローズ大の選手が独走してるのが、見慣れた光景ですものね。ここまで勝負がもつれて、7区まで緊迫した状態が続くのって、まだこの駅伝では珍しいですよね。それだけ今年は各校の戦力が拮抗している証拠ですね」

【はい。さて、先ほど山手中継所を、全チームが通過したようです。6区終了時点での通過順位、整理していきます】

★6区終了時点 順位

順位_合計タイム_トップとの差_タスキの色

1位 2時間37分09秒 +0:00 (緑/ジャスミン大)
2位 2時間37分30秒 +0:21 (赤/ローズ大)
3位 2時間37分39秒 +0:30 (藍/アイリス女学大)
4位 2時間39分44秒 +2:35 (黄/デイジー大)
5位 2時間40分40秒 +3:31 (青/デルフィ大)

【いぶし銀揃いの6区。首位、ジャスミンの4年生・宮沢が、見事な走りで先頭を守りきりました。そして二位にはローズが上がりました。そして一時は先頭にも追いついたアイリスだったんですが、三位と、順位を一つ落としています。ですが、まだ上位三校、1分以内にひしめき合う大接戦です】


★6区6.4km 区間順位

1位 20分14秒 五十嵐 唯 (ローズ2年)
2位 20分44秒 中川 瑠々 (デルフィ3年)
3位 20分50秒 宮沢 千種 (ジャスミン4年)
4位 20分59秒 梅野 双葉 (デイジー1年)
5位 21分06秒 小林 環奈 (ネモフィラ2年)

【続いて区間順位です。区間賞は、ローズ大の五十嵐が獲得しました。区間記録にあと3秒と迫る好タイム。五十嵐はこれで二年連続、登りの6区で区間賞。見事に強さを発揮しました。そして区間2位で、デルフィ大の中川。目標の三位以内、シード獲得に向けて、素晴らしい追い上げを見せています】

「区間3位には、ジャスミン大の宮沢さんが入りましたね。先頭を争っていたアイリスとの差を30秒差にまで広げています。4年生の意地を見せました」

【はい。それでは、五十嵐選手の区間賞インタビュー、準備できましたでしょうか】

——二年連続の6区区間賞、ローズ大・五十嵐選手にお越し頂きました。おめでとうございます。

「はい。ありがとうございます」

——去年に引き続き、二年連続での区間賞となりました。率直なお気持ちを聞かせてください。

「このまま先輩方を負けさせるわけにはいかないと思って、とにかく諦めずに前を追いました」

——結果として、順位を一つ上げて渡しましたね。

「それでも最後、先頭までは届かなかったので、悔しさと申し訳なさがありますが、なんとか見える位置で渡せたのは最低限果たせたかなと思います」

——それでは、後続の選手にメッセージをお願いします。

「はい。まだまだ勝負は最後まで何が起こるか分かりませんし、やっぱり、アンカーの志保先輩にも、気持ちよくゴールテープを切って欲しいので、逆転を信じて応援したいと思います」

——見事、区間賞を獲得しました。五十嵐選手でした。

【あのー、五十嵐選手、お疲れ様でしたー?】

「はい。ありがとうございます」

【あのですねー、今、1号車でー、去年同部屋だったと聞いています、先輩の福山莉子さんと中継が繋がっていますー】

「あ。唯ちゃん、区間賞おめでとう」

「はい。ありがとうございます」

「今回はかなり差をつけての区間賞だったけど、去年を踏まえて何か変えたところは、ありましたか?」

「そうですね。今年は、去年よりもトラックのタイムが伸びて、力もついたかなと思うので、最後の登りだけじゃなく、平たいところでもトータルで自信を持って走れたのが、区間賞に繋がったのかなと思います」

「しっかりローズ大の意識が受け継がれていて、去年もだけど、見ていて凄く頼もしかったです。お疲れさま」

「はい。頑張ります。ありがとうございます。」

【という、五十嵐のインタビュー、お聞きいただきました。あのー福山さんからお話が出ましたが、"ローズ大の意識が受け継がれている”というのはどういったところに感じたでしょうか】

「はい。私も、先輩たちを負けさせるわけにはいかないという気持ちで走っていたのを思い出して、すごく共通するところがあるなと。それと、しっかりと練習に裏付けされた自信みたいなものを感じたので。ローズ大学は練習は日本一厳しいと思いますが、そこを乗り越えている自信があるからこそ、こうした舞台でしっかりと結果を残せるのかなと思っています」

【なるほど。ただ闇雲に追い上げたわけのではなく、きっちりとペース配分をした上で、自信を持って差を詰めてきたということですね】
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