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第5章:勇者ソーンと魔王の息子
チャプター5
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「そんな怖い顔すんなよ騎士クン♡
オレ、そんな悪いこと考えてないしー。
面白そうな騎士クンと勇者クンと、一緒に遊びたかっただ・け♡」
一瞬で姿を、気配を消したブラックバカラが、瞬きをする間にミカエルの目の前に現れた。
人を喰ったような言葉からは、嘘も真実も見抜けない。
貼り付けたようなニヤケ面のまま、褐色の指先を伸ばして、青年騎士の鼻の先にちょんと触れる。
ミカエルは一瞬びくりと体を震わせた。
「お誘いかけてー、乗ってきたらこの奥にある、オレ特性のトラップダンジョンに招待してあげよーって思ってたんだ♡
ま、結果はこうして勇者クンに見破られちゃったワケなんだけどー、オレ的には面白いからオールオッケーだし。」
「フッ、勇者七つ奥義が一つ、『勇者ジュニア』が役に立ったようだ。」
「勇者必需品技能にまたくっだらねえの追加しないでくださいっス。」
フッと姿を消し、距離を取るブラックバカラ。
笑いながら語るその言葉には、喜色が浮かんでいるものの、やはりその真意は見えない。
ただ、ミカエルやソーンを騙して、トラップダンジョンとやらに閉じ込めるつもりだったことだけは真実だろう。
彼の目論見を見破った当の勇者は、得意げに己の股間を誇示するように腰を突き出している。
ミカエルはそんな彼に鉄拳を食らわせたい衝動に駆られたものの、今はそんな場合ではないとぐっと我慢した。
「アハッ、勇者クンと騎士クンって、チョー仲良しだし、チョー面白いね。
チョー面白いから、オレ、勇者クンのコト、気にいっちゃった♡
だ・か・らー…」
けらけらと笑い声を上げていたブラックバカラだったが、次の瞬間にはまた姿を消してしまう。
掴みどころのない雲や霧のような存在であるブラックバカラが、次に現れたのは、ソーンの傍。
首に腕を回し、身体をぴったりと密着させ、程よく引き締まった細身の脚部を、勇者に絡ませる。
少し動けば命も取れるであろう体勢であったが、彼には欠片の殺意もない。
蠱惑的な視線が、挑発的な視線が、ソーンに向けられた。
「勇者クン、世界を救う旅なんてやめて、オレのモノになりなよ。」
「なっ…!?」
耳元で、囁くように言葉が流し込まれる。
静寂の中で、どこか湿り気を帯びた声色で、魔族の青年は言う。
自分たちと大した年の変わらない外見ながらに、男を手玉に取る悪女のような色を纏った青年の仕草に、思わずミカエルが目を丸くして顔に血を上らせる。
しかし、その血液の巡りの原因は、決して色に当てられただけではない。
嫉妬や怒気もある。
勿論、その矛先はブラックバカラに対してだ。
「ね、いいでしょ。
勇者クンがウンって言ってくれたら、勇者クンだけは絶対に殺さないって親父にお願いしてあげる♡
勇者クンだって親父に挑んで無駄死には嫌じゃん?
いい条件だと思うけどなー♡」
怒気が自身に向けられてもどこ吹く風。
意図的に彼の存在をまるっと無視して、ブラックバカラは言葉を続ける。
彼の顔は勇者のそれにほど近い。
少し近付けば、その唇を奪ってしまえるだろう。
しかし、彼に迫られている勇者ソーンは、それこそ凪の感情。
落ち着き払った無表情を貫いている。
そして、目を閉じると軽く首を振って、否定の意を示した。
「それは出来ない相談だ。
魔王がこの国を、世界を脅かしている以上、守護神様の聖剣に選ばれた俺が使命を投げ出してはいけない。
俺が聖剣を抜くことができたのは、その使命を全うできると守護神様に選ばれたからだ。
何を言われてもそれは曲げられない。」
ぴしゃりと、強い口調で、彼はそう言い放つ。
ブラックバカラは返答に対して少々ばかりの驚きを覚えたようだった。
近かった顔は、ほんの少しだけソーンから退けられている。
にやついた、つかみどころのない顔が驚きに彩られ、深紅の瞳を抱いた眼が見開かれていた。
「何より、俺は自分の気持ちに嘘はつけないのでな。
君には別段今のところ悪印象は一切ないのだが、君のことは全く好みじゃない。
君のものになれと言われても『ハイ』とは頷けないな。」
次いで告げられた言葉は、思わず張りつめた空気の糸をプツンと切ってしまうようなものである。
だが、先のお断りを含めて、ミカエルの気持ちを落ち着かせる特効薬にはなった。
怒気で沸騰していた心が一気にすうっと冷めて、その熱を思い切りため息として吐き出す。
「まあ、ソーンさんならそうっスよね」という言葉も付け加えて。
怒気を吐き出した後に残ったのは、呆れと、安心であった。
断りを受けた当のブラックバカラは、目を丸くしていたものの、その答えにキャハハッ、と楽しく笑い声を漏らす。
「えぇー?
超ストレートにフラれちゃったんですけどー。
いい答えだね、勇者クン♡
で・も、そう言われたらもっともーっと欲しくなっちゃうなぁー?」
けらけらと笑いながら、勇者にまだ身を寄せるブラックバカラ。
諦めもせずに挑発的な言動を繰り返す彼の周囲に、突如黒い風が集まっていく。
吹き荒れる黒い風に思わず目を閉じるミカエルとソーン。
その眼が再び開かれた際には、ブラックバカラは変貌していた。
彼が化けていた炭鉱夫の姿、なのだが、身なりが相応だった先とは違う。
浅黒い肌と分厚い筋肉の鎧を纏った様はそのまま、土埃でくすんでいた銀髪は本来の美しさを取り戻している。
長さもブラックバカラの趣味を反映したのか、ゆるりとウェーブのかかったそれを肩まで伸ばしていた。
真っ赤な瞳の双眸は挑発的に細められ、厳つさを増した顔つきを妖艶に彩る。
ねじれたサークレットのような角も、尖った耳も、身に着けた装飾品も、服装も、若い彼のそれのままだが、それがどこかアンバランスながらも挑発的。
一目でソーンの股間を思い切り貫くであろう壮年の姿、彼が父と呼ぶ存在によく似た男がそこにいた。
「ほら勇者クン、オレってば超親父に似てるからさぁー。
絶対に勇者クンの股間にズッキュン来るような男になっちゃうよ?
将来を見越して投資するのもアリなんじゃないかなー?
ね、オレのモノになってよ勇者クン♡」
「うおお、青田買い…!」
「クソみたいな理由で掌クルックルすんな色ボケ勇者!」
誘惑に晒され、悶絶するような声を上げた男の頭をガツンと殴りつけたのは、ミカエルが愛用するカイトシールドである。
分厚い金属のそれを両手に掴んだ青年騎士が、怒りの言葉と共に、それを勇者の後頭部に向けて思い切り振り下ろしたのだった。
その巻き添えを喰らいそうであった壮年姿のブラックバカラは、キャッキャと笑い声を上げながら、寸でのところでその場から離脱し、勇者と青年騎士との間に距離を取る。
「キャハハッ、もう少しだったのに、ざーんねん♡
ま、いっかぁ、勇者クンと騎士クンに会えただけでも大満足だし。」
黒い風を再び纏い、壮年の姿から青年の姿に変化したブラックバカラ。
冗談めかして発言をしているものの、その奥底には少々の未練が滲む。
しかし、彼をじろりと睨んだミカエルにはそれを感じ取られてはいなかった。
「お前もとっとと帰れって!
俺たちを騙す目論見も見破られたからもういいだろ!」
「邪険にしないでよ騎士クーン♡
お邪魔虫はお互い様っしょ?
それに、楽しませてくれたお礼をまだしてないし♡」
いつもの気さくな青年騎士の雰囲気とはがらりと変えたミカエルが、今にも噛みつきそうな勢いで言葉をぶつける。
そんな彼の様子をニヤニヤとどこ吹く風でかわしながら、ブラックバカラは虚空に手を翳す。
そこへ黒い風が集まり、人の頭ほどの塊を形成して、彼の手の中に何かを実体化させた。
つるりと磨き抜かれた、真ん丸の水晶玉である。
まるで空気が澄んだ冬の夜に浮かぶ満月のように、美しく透明度の高い代物であった。
「はあい、こちらは月光水晶でーす♡
勇者クンご一行様に、プ・レ・ゼ・ン・ト♡」
ブラックバカラはそれを勇者に放り投げるようにした。
しかし月光水晶であると言われたそれは、見た目の重さ相応に勢いよく飛んでいくことはなく、黒いそよ風に吹かれて、柔らかく飛来していく。
殴り倒されていた勇者が起き上がり、手を伸ばせば、その手の中にすっぽりと納まってしまう。
「な、なんで、次は何を企んでるんだよ。
偽物じゃないだろうな。」
「えー、そんなしょっぱい真似はしないつもりだけどなー?
純粋に、オレを楽しませてくれたお礼だしー。
ね、勇者クン、嬉しい?」
警戒心を露にしつつも、動揺を隠せないミカエルは、月光水晶と言われたそれと、ブラックバカラを交互に見やる。
疑われたことに対して少々ながらに不満な声を上げたブラックバカラだが、ソーンに話しかければすぐに機嫌は直った。
ソーンは手にした月光水晶を一度つるりと撫でてから、魔族の青年に真っ直ぐな視線を。
「ああ、ありがとう。
君のおかげでまた一歩、魔王の城に近づくことができた。」
彼からの礼を聞けば、ブラックバカラは満足そうに笑みを深めていた。
オレ、そんな悪いこと考えてないしー。
面白そうな騎士クンと勇者クンと、一緒に遊びたかっただ・け♡」
一瞬で姿を、気配を消したブラックバカラが、瞬きをする間にミカエルの目の前に現れた。
人を喰ったような言葉からは、嘘も真実も見抜けない。
貼り付けたようなニヤケ面のまま、褐色の指先を伸ばして、青年騎士の鼻の先にちょんと触れる。
ミカエルは一瞬びくりと体を震わせた。
「お誘いかけてー、乗ってきたらこの奥にある、オレ特性のトラップダンジョンに招待してあげよーって思ってたんだ♡
ま、結果はこうして勇者クンに見破られちゃったワケなんだけどー、オレ的には面白いからオールオッケーだし。」
「フッ、勇者七つ奥義が一つ、『勇者ジュニア』が役に立ったようだ。」
「勇者必需品技能にまたくっだらねえの追加しないでくださいっス。」
フッと姿を消し、距離を取るブラックバカラ。
笑いながら語るその言葉には、喜色が浮かんでいるものの、やはりその真意は見えない。
ただ、ミカエルやソーンを騙して、トラップダンジョンとやらに閉じ込めるつもりだったことだけは真実だろう。
彼の目論見を見破った当の勇者は、得意げに己の股間を誇示するように腰を突き出している。
ミカエルはそんな彼に鉄拳を食らわせたい衝動に駆られたものの、今はそんな場合ではないとぐっと我慢した。
「アハッ、勇者クンと騎士クンって、チョー仲良しだし、チョー面白いね。
チョー面白いから、オレ、勇者クンのコト、気にいっちゃった♡
だ・か・らー…」
けらけらと笑い声を上げていたブラックバカラだったが、次の瞬間にはまた姿を消してしまう。
掴みどころのない雲や霧のような存在であるブラックバカラが、次に現れたのは、ソーンの傍。
首に腕を回し、身体をぴったりと密着させ、程よく引き締まった細身の脚部を、勇者に絡ませる。
少し動けば命も取れるであろう体勢であったが、彼には欠片の殺意もない。
蠱惑的な視線が、挑発的な視線が、ソーンに向けられた。
「勇者クン、世界を救う旅なんてやめて、オレのモノになりなよ。」
「なっ…!?」
耳元で、囁くように言葉が流し込まれる。
静寂の中で、どこか湿り気を帯びた声色で、魔族の青年は言う。
自分たちと大した年の変わらない外見ながらに、男を手玉に取る悪女のような色を纏った青年の仕草に、思わずミカエルが目を丸くして顔に血を上らせる。
しかし、その血液の巡りの原因は、決して色に当てられただけではない。
嫉妬や怒気もある。
勿論、その矛先はブラックバカラに対してだ。
「ね、いいでしょ。
勇者クンがウンって言ってくれたら、勇者クンだけは絶対に殺さないって親父にお願いしてあげる♡
勇者クンだって親父に挑んで無駄死には嫌じゃん?
いい条件だと思うけどなー♡」
怒気が自身に向けられてもどこ吹く風。
意図的に彼の存在をまるっと無視して、ブラックバカラは言葉を続ける。
彼の顔は勇者のそれにほど近い。
少し近付けば、その唇を奪ってしまえるだろう。
しかし、彼に迫られている勇者ソーンは、それこそ凪の感情。
落ち着き払った無表情を貫いている。
そして、目を閉じると軽く首を振って、否定の意を示した。
「それは出来ない相談だ。
魔王がこの国を、世界を脅かしている以上、守護神様の聖剣に選ばれた俺が使命を投げ出してはいけない。
俺が聖剣を抜くことができたのは、その使命を全うできると守護神様に選ばれたからだ。
何を言われてもそれは曲げられない。」
ぴしゃりと、強い口調で、彼はそう言い放つ。
ブラックバカラは返答に対して少々ばかりの驚きを覚えたようだった。
近かった顔は、ほんの少しだけソーンから退けられている。
にやついた、つかみどころのない顔が驚きに彩られ、深紅の瞳を抱いた眼が見開かれていた。
「何より、俺は自分の気持ちに嘘はつけないのでな。
君には別段今のところ悪印象は一切ないのだが、君のことは全く好みじゃない。
君のものになれと言われても『ハイ』とは頷けないな。」
次いで告げられた言葉は、思わず張りつめた空気の糸をプツンと切ってしまうようなものである。
だが、先のお断りを含めて、ミカエルの気持ちを落ち着かせる特効薬にはなった。
怒気で沸騰していた心が一気にすうっと冷めて、その熱を思い切りため息として吐き出す。
「まあ、ソーンさんならそうっスよね」という言葉も付け加えて。
怒気を吐き出した後に残ったのは、呆れと、安心であった。
断りを受けた当のブラックバカラは、目を丸くしていたものの、その答えにキャハハッ、と楽しく笑い声を漏らす。
「えぇー?
超ストレートにフラれちゃったんですけどー。
いい答えだね、勇者クン♡
で・も、そう言われたらもっともーっと欲しくなっちゃうなぁー?」
けらけらと笑いながら、勇者にまだ身を寄せるブラックバカラ。
諦めもせずに挑発的な言動を繰り返す彼の周囲に、突如黒い風が集まっていく。
吹き荒れる黒い風に思わず目を閉じるミカエルとソーン。
その眼が再び開かれた際には、ブラックバカラは変貌していた。
彼が化けていた炭鉱夫の姿、なのだが、身なりが相応だった先とは違う。
浅黒い肌と分厚い筋肉の鎧を纏った様はそのまま、土埃でくすんでいた銀髪は本来の美しさを取り戻している。
長さもブラックバカラの趣味を反映したのか、ゆるりとウェーブのかかったそれを肩まで伸ばしていた。
真っ赤な瞳の双眸は挑発的に細められ、厳つさを増した顔つきを妖艶に彩る。
ねじれたサークレットのような角も、尖った耳も、身に着けた装飾品も、服装も、若い彼のそれのままだが、それがどこかアンバランスながらも挑発的。
一目でソーンの股間を思い切り貫くであろう壮年の姿、彼が父と呼ぶ存在によく似た男がそこにいた。
「ほら勇者クン、オレってば超親父に似てるからさぁー。
絶対に勇者クンの股間にズッキュン来るような男になっちゃうよ?
将来を見越して投資するのもアリなんじゃないかなー?
ね、オレのモノになってよ勇者クン♡」
「うおお、青田買い…!」
「クソみたいな理由で掌クルックルすんな色ボケ勇者!」
誘惑に晒され、悶絶するような声を上げた男の頭をガツンと殴りつけたのは、ミカエルが愛用するカイトシールドである。
分厚い金属のそれを両手に掴んだ青年騎士が、怒りの言葉と共に、それを勇者の後頭部に向けて思い切り振り下ろしたのだった。
その巻き添えを喰らいそうであった壮年姿のブラックバカラは、キャッキャと笑い声を上げながら、寸でのところでその場から離脱し、勇者と青年騎士との間に距離を取る。
「キャハハッ、もう少しだったのに、ざーんねん♡
ま、いっかぁ、勇者クンと騎士クンに会えただけでも大満足だし。」
黒い風を再び纏い、壮年の姿から青年の姿に変化したブラックバカラ。
冗談めかして発言をしているものの、その奥底には少々の未練が滲む。
しかし、彼をじろりと睨んだミカエルにはそれを感じ取られてはいなかった。
「お前もとっとと帰れって!
俺たちを騙す目論見も見破られたからもういいだろ!」
「邪険にしないでよ騎士クーン♡
お邪魔虫はお互い様っしょ?
それに、楽しませてくれたお礼をまだしてないし♡」
いつもの気さくな青年騎士の雰囲気とはがらりと変えたミカエルが、今にも噛みつきそうな勢いで言葉をぶつける。
そんな彼の様子をニヤニヤとどこ吹く風でかわしながら、ブラックバカラは虚空に手を翳す。
そこへ黒い風が集まり、人の頭ほどの塊を形成して、彼の手の中に何かを実体化させた。
つるりと磨き抜かれた、真ん丸の水晶玉である。
まるで空気が澄んだ冬の夜に浮かぶ満月のように、美しく透明度の高い代物であった。
「はあい、こちらは月光水晶でーす♡
勇者クンご一行様に、プ・レ・ゼ・ン・ト♡」
ブラックバカラはそれを勇者に放り投げるようにした。
しかし月光水晶であると言われたそれは、見た目の重さ相応に勢いよく飛んでいくことはなく、黒いそよ風に吹かれて、柔らかく飛来していく。
殴り倒されていた勇者が起き上がり、手を伸ばせば、その手の中にすっぽりと納まってしまう。
「な、なんで、次は何を企んでるんだよ。
偽物じゃないだろうな。」
「えー、そんなしょっぱい真似はしないつもりだけどなー?
純粋に、オレを楽しませてくれたお礼だしー。
ね、勇者クン、嬉しい?」
警戒心を露にしつつも、動揺を隠せないミカエルは、月光水晶と言われたそれと、ブラックバカラを交互に見やる。
疑われたことに対して少々ながらに不満な声を上げたブラックバカラだが、ソーンに話しかければすぐに機嫌は直った。
ソーンは手にした月光水晶を一度つるりと撫でてから、魔族の青年に真っ直ぐな視線を。
「ああ、ありがとう。
君のおかげでまた一歩、魔王の城に近づくことができた。」
彼からの礼を聞けば、ブラックバカラは満足そうに笑みを深めていた。
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