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しおりを挟む彼の言葉に、体内の指の存在をますます強く意識してしまう。
男の指が、イケナイところを犯している。たった指一本で、自分はこんなにも乱れ、期待してしまう。
イケナイとわかっていながら、秘所は悦んで愛液に濡れ、蹂躙者に絡みつく。深奥がめちゃくちゃにされることを望んで、ひくひくと震える。
すると、内部を進んでいた指が、軽く奥を突いて根元まで沈んだ。
「ひ、っん!」
ひとりでに四肢がびくんと反応し、声帯が喘ぐ。早くも、彩香は自らの肉体のコントロールを見失っていた。自分の理性が、意識が、体の制御権がどこにあるのか、わからなくなっていく。
「彩香ちゃんの中、熱くてとろとろだ。おじさんの指、わかるかい?」
「わかり、ます……」
わかるどころか、もはや明確に理解できるのはそれくらいだった。
ローランドの指が、ゆっくりと抜き差しを始める。と、ゆるやかな摩擦による穏やかな法悦が彩香の全身を愛撫し、ますます理性を溶かしていった。
「ふぁ、あ……」
意識がぼんやりとして、かわりに幸福感で満たされる。その幸福はイケナイもので、背徳的なもので、それはわかっているのに、抗うことが出来ない。むしろ、今この瞬間が永遠に続けばいいとさえ思ってしまう。
今は触れられていない胸の先が、なにかを期待してじんじんと痺れた。
「くちゅくちゅエッチな音がしてるねぇ。これは、彩香ちゃんが胸だけで濡れちゃうスケベな子だって証拠かな?」
「ちが、おじさんが、するからぁ……っ」
「だから、ローさんって呼んでってば」
仕返しとばかりに、長い指が奥を掻きまわす。過敏な粘膜を攻める指を、溢れる愛液が手伝った。故に、今の彩香には愉悦に翻弄される以外の選択肢がない。
「ァあああァッ!」
がくがくと、腰がシーツから浮く。飲み込みきれない唾液が唇から零れていくのがわかった。
ただでさえ、そんな強烈な感覚に振り落とされそうなのに、ローランドはさらに彩香の陰核をも苛むことで、いっそう彩香を追いつめる。
あまりにも強い快感によって無意識に足を閉じようとしてしまったが、その動作は他でもないローランドによって阻まれた。
彩香の喉が、法悦によって呼吸を忘れそうになる。
「や、っだ……だめぇ! イッちゃうからぁ!」
「もう? おじさん、まだ指しか入れてないよ」
返す彼の声は、楽しげだった。その声調が、言葉が、彩香の羞恥心をますます煽って、肉体を敏感にする。
そう、目の前の悪魔はまだ指しか挿入していない。にもかかわらず、彩香はすっかりと乱れきっていた。そんな己が、たまらなく恥ずかしくなるほどに。
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