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しおりを挟むセックスとは、こんなにも気持ちがいいものだっただろうか。これまで自分が知っていた行為は、同じ名前を持つ別のなにかだったのではなかろうか。
そう考えてしまうほどに、彼との情交はすさまじかった。彩香をめちゃくちゃにさせた。
ローランドが指で彩香の秘部を犯しながら、胸に顔を寄せてくる。直後、未だに赤く尖ったままのそこにねっとりと舌を絡め、吸い上げた。
瞳の奥で、いくつもの星が白く弾けたような気がした。
「きゃううっ! アッ、ぁ、だめ……ァ――あアアぁああッ!」
体の内側をなにかが暴れ狂うふうな絶頂が、彩香を襲う。手足といわず、全身が壊れたように痙攣し、彩香の思考を乱暴にさらっていった。
気持ちがいいなどというものではない。行き過ぎた快感は呼吸を奪い、もはや苦痛にも近くなる。
けれど、余韻の甘さが、彩香を嫌悪感から遠ざけていた。
苦しいほどの愉悦に、偽りはない。だが、この甘い余韻が絶頂からでしか得られないことを、彩香は知っている。知ってしまっている。
苦しいのに、気持ちがいい。ひょっとすると、それを知ることが、大人になるということなのかもしれなかった。
果てた彩香をさらに追いつめるべく、ローランドが執拗に胸の尖りを責め苛む。
そのせいで絶頂の波が引いてはくれず、彩香は涙に瞳を濡らしながら彼に訴えた。
「ぁんっ、アッ、やだっ! もうおっぱいやだぁ!」
直後、秘所に挿入されていた指が数を増やす。
敏感な粘膜が男の指によっていっそう圧迫され、摩擦は強くなった。さらにその指を激しく抜き差しされてしまえば、もはや彩香は髪を振り乱して悶えるしかない。
節くれ立った指が、果てたばかりの彩香を容赦もなく凌辱した。
「ンぁあああ! ゆび、こすれちゃうぅ!」
呂律が怪しく、その嬌声は媚びているふうにも聞こえる。
相手の動きに合わせてひとりでに動く腰は淫猥で、自分の体ではないようだった。
意思と肉体が、ローランドによって着実に切り離されていく。
ようやっと胸からくちを離した悪魔が、軽く笑った。
「はは、最初のドライさはどこに行ったんだか」
述べて、ローランドは彩香の陰部をじっと見つめる。貪欲に男の指を受け入れ、愛液を零し続ける淫らなそこを。
今まさに彼の指をしゃぶっている秘所を凝視されて、彩香は恥じらいに震えた。が、そんな感情さえも、彩香をますます鋭敏にする材料にしかならない。
見つめられるだけで、イケナイところが痙攣してしまう。粘液が奥から溢れてしまう。現在進行形で自分を追いつめている指に絡みついて、締めつけて、もっともっととねだってしまう。
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