チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。

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オーネストへ!

Stage Thirty

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 そこからは一方的だった。アーサーが剣を一振りすれば2,3人の首が吹き飛び、力強く踏み込めばそれだけで盗賊たちはバランスを崩し尻餅を搗く。その隙をアーサーが見逃すわけもなく、首をはねる。そうしてどんどん屍が増えていった。・・・余談だが、このゲームの設定のところで、感覚に関して設定ができる。例えば痛覚。『まったく感じない』から、『現実と同じくらい感じる』まで、自分で設定できる。これは五感全てに共通すること。視覚をなくす人なんているのかな?聴覚もか。その他にも、表現の度合いも設定できて、攻撃が当たるだけの、『なんにも外見に変化がない』から『血飛沫が飛ぶ』まで選べる。俺は五感は現実と同じ、表現は、『攻撃を受けたところだけ変化する』に設定してある。完全に余談だな。

「片付きました」
「ご苦労様」
「有り難きお言葉」

 ものの数分で盗賊たちを片付けたアーサーに労いの言葉をかけ、アーサーにはアイテムに戻ってもらった。

 それから俺達は【オーネスト】に向かって歩き出し、数時間後には【オーネスト】に入るための外壁の前についた。





 【オーネスト】はこの世界で二番目に大きな都市で、人口(NPC)は約250万人。形は半径約2,5㎞の円形。数個にエリア分けされていて、商業が盛んにおこなわれている。【オーネスト】は高さ10メートルほどの防壁で囲われていて、防壁のすぐ内側には地霊族ドワーフの鍛冶場が密集している為、防壁に近づけば近づくだけ地霊族による防具や武器創りの音が聞こえてくる。この都市の文明発達速度は中世ヨーロッパくらいで、建物のほぼ全てが石でできている。中心部には見上げるほど大きな白い城がある。これが白亜の城、【オーネスト王城】だ。王城とある通り、ここは王都。故にこれだけ広く、沢山の人がいるのも納得だろう。

「さて、ここまで来たのはいいが、どうやって中に入ろう?」
「普通に門から入ればよくない?」
「そうだな。俺は何に悩んでいたんだろう」
「・・・入る」
「お家、楽しみです」

 サクラとミライが早く入りたそうにしているので入ることにしよう。

 俺たちが門から中に入ろうとしたところ、門の横に立っていた鎧姿の、おそらく騎士であろうNPCに声を掛けられた。

「ちょっと待て」
「なんだ?」
「【オーネスト】に入る前に身分証を提示しろ」
「悪いが、俺以外に持っていないんだ。どうすれば良い?」
「今は1人1000Gで通してやる。その後、冒険者ギルドに行って冒険者カードを発行してもらえ」
「わかった。・・・ほら、俺の冒険者カードと3000Gだ」
「・・・確認が済んだ。通っていいぞ」

 なにこれ面倒くさい。こんなことになるなら【ポータウン】で冒険者登録しておけば良かった。

「それじゃあ、言われた通り冒険者ギルドに行きますか」
「そうですね」
「そうね」
「・・・賛成」

 皆からの賛成の意見も貰えたので、早速冒険者ギルドに行こうと思ったんだけど、

「冒険者ギルドって、どこにあるの?」
「少なくともここにはないと思うわよ?」
「不本意ですが、カオリに同じく」
「・・・同意」

 絶賛迷子中です。仕方ないよ。広すぎるし。考えてみてよ。直径5㎞だよ?どうやって探すのさ。広すぎる。ここに住んでる人は家の近くにしか行かないだろうから大丈夫だけど、始めてきた人たちは絶対にわからないよ?・・・そこまで広くないとかそういうことは言わないでね?

 
 今、俺達の周りにあるのは小さな家が数軒。これしかないんだけど?まぁ、そのおかげで誰かに見られることなくスキルを使えるんだけど。・・・そもそもここにプレイヤーいなかった。どこでスキル使っても変わらないな。じゃあ、ここに居る理由ないね。・・・俺何言ってんだろ。普通に【飛行】使えばいいじゃん。俺馬鹿じゃん。

「ちょっと空から見てくる ―――【飛行フライ】」
「いってらっしゃい」
「いってらー」
「・・・空?」
 
 あぁ、サクラは知らなかったね。あとで教えるか。

 【飛行】で上空まで上がって周囲を見回してみると、少し先に俺達が入ってきた門があって、そこから真っすぐ大通りが伸びている。・・・俺達、なんで迷ったの?あれ?・・・とりあえず、降りよう。

「どうだった?」
「まず、なんで俺たち迷ったんだっけ?」
「それはキラがこっちの方が近道な気がするとか言ったからじゃない。そんなことも覚えてなかったの?」

 俺のせい?俺が悪いの?カオリが言ったようなことを俺が言ったような気がしないこともないけど。

「ごめん普通に道間違ってたとりあえず元来た道を戻ろう!」
「早口で一気に捲し立てればそれで済むとか思ってないわよね?」
「・・・あはは・・・・・・ごめんなさい」
「良い?私たちはキラには逆らえないのよ?力関係もあるけど、色々キラのお世話になっているからね。だから仕方なくついてきたのに道を間違ってた!?」
「キラ君。一応罰を受けてください」
「・・・罰」
「はい。俺が全面的に悪いので何でも一つだけ言うことを聞きます。俺にできる範囲で」

 俺が悪いことは分かってるよ?でもこんなに怒ることなくない?反論しないけど。・・・俺ってば、優しすぎるわ~。・・・・・・嘘ですだから殺気飛ばさないでくれませんかねぇ!?ミライさん!!?
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