ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学

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37 俺の稼ぎ

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 居間でお茶を飲みながらだらけきっている俺に、執事のオルスクが盆に載せた数枚の紙片を差し出す。
 
 「先月の転移魔法陣と通信魔法陣の使用料収支明細で御座います。後は住宅使用料明細一覧と農園の収支報告書です」
 
 「確認したか?」
 
 「はい、発信数と受信数及び区分けに間違い有りません。転移魔法陣も同様です」
 
 「今月の転移魔法陣の使用料が、テレンザとヤマトだけで一日平均8人で1ヶ月金貨1200枚12.000万ダーラか。皆さん金持ちだねぇ。と通信魔法陣の使用料が一日1000通を越えるって、一日平均1200万ダーラだと。ふむ月に36.000万ダーラか、経費を引いても半分は残るね、大したものだねぇ我ながら」
 
 「他国からの転移魔法陣設置依頼ですが、相当数溜まっておりますが如何致しますか」
 
 「あーそれね、忙しいので暫く設置は無理ですって、返事しておいてよ」
 
 「転移魔法陣を設置した馬車が到着しておりますので、無理かと」
 
 「あー・・・余計な物を造ってしまった呪いか。誰か他に転移魔法陣を設置出来る者は居ないものかな。俺が行けば、奴等は人の事をじろじろ品定めしながら、おべんちゃらのオンパレードだぜ」
 
 「おんぱれどが何か存じませんが、行かぬ訳にも参りません」
 
 「オルスク代わりに行ってよー」
 
 「行くのは構いませんが、設置は出来ませんよ。ご主人様諦めが肝心と申しますので、お覚悟を」
 
 「判ったよ、1番の馬車から始めるので連絡を頼む」
 
 通称1号車から5号車迄が車内に転移魔法陣を設置していて、現地に到着すると魔法陣設置の場所を点検確認する。
 安全と確認すれば転移通信魔法陣で連絡が来るので、此処から1号車の車内に転移し転移魔法陣を設置する建物に入り魔法陣を設置して終わり。
 とは行かないので面倒だ。
 何かと探りを入れて来る位は可愛いもので、時には思いも依らぬ方法で襲って来る阿保迄いるので面倒極まりない。
 
 他国に要求する、転移魔法陣を設置する為の条件は、200m四方の敷地と敷地内では完全なヤマトの法と礼儀に従う事だけだ。
 この条件は結構厳しい様で、城壁の外に造る事も多い。
 
 土地の提供を受けると土魔法使いが派遣され、高い塀とブロック工法で管理運営の建物を造る。
 完成すれば連絡が来て馬車を派遣、そこからは俺の出番だ。
 建物も塀も規格を統一してるので至って簡単に済む。
 
 到着すれば塀と建物を強化して、送り出しと受け入れ二つの転移魔法陣を設置する。
 しかも内緒で省エネ構造に改善して、以前の通信筒程度の魔力石で転移が可能にしてある。
 使用する魔力石は見掛けは同じだが、すかすかの魔力石に替わっているので。
 ボロ儲けとはこの事かと実感する。
 後は転移試験をしておさらばだ。
 
 施設建築費用は金貨100枚の半金払いで完成後残金受け取りで営業開始と相成る。
 問題は此処からだ、完成記念だ公爵様に何の接待もせず云々・・・挙げ句は女性をずらりと並べて、姻戚関係を結ぼうとあれやこれやともう大変。
 なので今では施設が完成しても、俺が現地を去る迄誰も敷地内に入れない手筈に為っている。
 
 それでも己の権力を信じて約束を破る者には、俺が居る間の敷地内なら厳しい教訓を与えている。
 俺の居ないところで無理難題を言えば、全員引き上げて転移魔法陣を解除して放置となる。
 建物の中の待合室には転移可能な場所の一覧が記載されているが、契約解除となった地の名は赤字で記されているので、違反者は恥を晒す事になる。
 
 1~5号車迄サクサク済ませると、次は1週間後迄到着連絡禁止を命じて帰宅、やれやれこれで1週間のお休みだ♪
 ブラウンに政務を丸投げしているのに、何故こんなに働かなきゃいけないのか疑問だ。
 6日に1回働いて、5週間で金貨2500枚25.000万ダーラの稼ぎになる。
 12.000万ダーラ+36.000万ダーラ+25.000万ダーラで73.000万ダーラになる、半分経費として差し引いても36.500万ダーラって金貨3.650枚だよ。
 設置が終わっても通信魔法陣と転移魔法陣の使用料だけでも、現在の48.000万ダーラより増えても減ることは無いだろう。
 住宅費を国家予算に回して良かったとつくづくおもう。
 
 俺も、地下に金庫室を造る羽目に為りそうな予感に震える。
 嫌だねー、金を持て余す日が来るなんて思ってもいなかった。
 これからはもっと人に投資して全体の底上げと、有能な人材を高給で雇用する方針を強化しないと。
 義務教育期間を延ばして、体力増強や冒険者候補達の武力の基本も教える様にブラウンに指示しておこう。
 
 憂鬱なのは、各僻地の農村部からの収益がまだ報告されていないが、結構な金額に成るのは確実だ。
 特産品の果物に加えて、小麦や芋類にと農地の肥沃化に取り組んだ結果、収穫量が倍増していて、成人しても僻地で農業を続ける者が多い。
 人手が増えれば農地も広がり又増収増益になる、納税しても良い暮らしが出来るとニコニコだ。
 
 税収が増えるのは良い、国の懐に入るのだから。
 困るのが特産果実だ、実質農園を借り上げたり資金を出して新たな土地を囲い果樹を植えたので、俺の農園になっているものが多数ある。
 多額の労賃を払っても、一つの村から金貨数百枚が転がり込んで来る。
 
 ヤマト公国は俺の国なので俺は無税、賃貸住宅の家賃を全て国家運営に投入しても俺の財産は増える一方だ。
 ブラウン曰く、国の財政も税収と賃貸住宅使用料だけで予算が浮きまくっていると。
 初期投資の道路や上下水道の整備と、住宅建設の費用を俺が全て負担したので赤字は無い。
 設備が新しいので保守の負担が少ない、その浮いた費用は旧領都フルンカの整備や他の街セルスやハルツの整備に回しているが余裕だと言われた。
 
 俺の投資費用は全て回収出来ていると言われたので、予備費に回させた。
 俺の財産に組み込んだら恐ろし金額にになる。
 お金怖い金貨怖いってうなされそうだ。
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