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第五章 王宮にて
第六話 サリファとクレリア(二)
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クレリアが側妃になってから一年ほど過ぎた頃。ハルトムート王国の王都では厄介な病が蔓延し始めた。
毎年冬になるといくつか病が流行ったが、その年に流行ったそれは例年よりも感染力が高く、強力で、王都では沢山の死者が出てしまったという。
そんな中、クレリアがサリファに内密に面会を求めてきた。クレリアが側妃という立場になってから二人きりで話をするのは久しぶりで、サリファは嬉しくて、クレリアが部屋に入って来るなり、思わず抱きしめてしまったという。
クレリアもそんなサリファに喜んで、まるで幼い頃のように二人は言葉を交わし合った。
クレリアがサリファに相談をしに来たのは二度目で、何か重大な話があるのでは、と思ったが、それはサリファが想像した以上のものだった――。
「もしかしたら、陛下のお子を身籠ったかもしれない、とクレリアに言われたの……。クレリアにその話を切り出されるまで、その可能性を全く考えていなかった自分を、わたくしは恥じたわ。だって、陛下はクレリアを側妃に迎えてから、どこへ行くにもクレリアと一緒で、わたくしの寝室には一度だって訪れなかったのよ。クレリアに子が出来るなんて、少し考えてみれば当然のことだったのに……!」
クレリアの相談内容は、最近王都で流行っている病のことだった。もし自分がその病にかかってしまったら、お腹の中にいる子が流れてしまうのではないのかと、そう危惧したのだ。
すでに王宮内でも病が流行り始め、何人かが帰らぬ人になっていた。
クレリアに相談を受けて、サリファは考えた。
「そしてわたくしは、クレリアに、王都から遠く離れた離宮へ行くことを勧めたの。ただしそれは子を身籠ったためではなく、流行り病にかかり、その養生のために、という理由にする方がいいと伝えたわ。……陛下のクレリアへの寵愛が深すぎて、本当のことを言っても離宮になど行かせてもらえないと思ったから」
はたしてサリファの案は成功した。
流行り病にかかった側妃が療養のために王都から離れることを、反対する者など一人もいなかった。むしろ国王の安全のためにすぐにそうした方が良い、ということになったのだ。
「陛下はクレリアについて行くと仰ったけれど、立場上、それは出来なかった。そしてクレリアの離宮へ訪れるのは、本当の理由を知る、わたくしだけになったのよ……」
はじめの頃、サリファはそれを密かに喜んだ。
まるで幼い頃に戻ったかのようにこっそり二人きりで会えるのは、他国に嫁いできたサリファにとって、何よりも嬉しいひと時だった。
例え、ハルトムート王国で国王と同じような実権を持てても、母国を思い出し、クレリアと過ごした日々を恋しく思う日もあったのだ。
「でも段々と、あの子のお腹が膨らんでいくのをそばで見ているのが辛くなっていったの……。陛下と男女の愛を育むことはとっくに諦め、全て割り切ったつもりでいたのに。少しずつ離宮から足が遠のいて、しまいには全く行かなくなってしまった……。離宮のクレリアから何度もわたくし宛の手紙が届いても、読むのが辛くて、そのまま封も開けずに放置していたわ。……そして、それを後からとても後悔した。離宮から最後に届いた手紙は、あの子からのものではなく、あの子の侍女からで、クレリアが本当に流行り病にかかって亡くなってしまったという知らせだったのよ……!」
クレリアの死亡の知らせを受け、慌ててサリファがクレリアからの手紙を開けると、そこに書かれていたのは、サリファに一目でいいから会いたい、病を移してしまうと困るから遠くからでいい、サリファの姿を見たい……という健気な言葉の数々だった。
――なんということだろう。
嗚咽を漏らすサリファ王妃にかけてあげる言葉が、アシェルは何も見つからなかった。
「もしかしたら……わたくしのどこかに女としてクレリアを妬む気持ちがあって、クレリアに離宮へ行くようにという提案をしたのかもしれないわ。……そしてそんなわたくしの浅ましい気持ちを天がお気付きになって、きっとわたくしに罰を下したのよ! 大切なあの子を――クレリアを永遠に失うなんて」
ごめんさい、わたくしを許してちょうだい……、といつかのようにサリファ王妃が謝りながら涙を零す。
「左様でございましたか……」
サリファ王妃の嗚咽が響きわたる部屋の隅から、一人の侍女が頭を下げたままやって来た。
随分と年老いた侍女で、ケイレブの屋敷にいるネロくらいの年齢だろうか。王宮で働く侍女たちは若い者が多いから、その存在は少しだけ浮いているように見えた。
「ジエル……」
侍女へ目をやったサリファ王妃が目元の涙を拭って、年老いた侍女に話しかける。
「ここへ知らせを届けにきてくれたのはあなただったわね。クレリアの最期を看取ってくれて、感謝しているわ」
「……サリファ王妃殿下が、私をそのまま侍女に雇ってくださるとは思いませんでしたが」
「……そうね。もう引退したいというあなたを無理矢理引き留めて悪かったと思っているわ。でも、クレリアのそばにずっといてくれたあなたを、わたくしのそばに置いておきたかったの」
「……ずっと監視されているのではないのかと思っておりました……」
「監視? なぜ?」
「全ては……私の勝手な思い違い。どうぞ、お許しくださいませ……!」
ジエルと呼ばれた侍女が突然サリファ王妃の元へ運ばれてきた菓子を掴みあげた。白い菓子の中にある、一つだけ色の違うものを迷うことなく選び、サッと口へ入れる。
「待って、何をするの! それはわたくしが食べるものよッ!」
サリファ王妃の制止の言葉を振り切り、ジエルがそれをごくりと嚥下するのがわかった。
崩れるように床へ膝をついたジエルの口の端から、何か筋のようなものが流れるのが見える。
……まさか、あの赤いものは。
血、だろうか。
「いいえ、この菓子をいただくのは私であっております。……サリファ王妃殿下がこの菓子を作らせるのを命令なさった時に、すでに心に決めておりました」
慌てて駆け寄ったサリファ王妃にうっすらと微笑んだジエルの体が、突然ガクガクと震え始める。
「……クレリア様は最期まで、サリファ王妃殿下がお会いにくるのをずっと待ってらっしゃいました……。あの方は王宮内でのご自分の立場やご身分などはどうでもよく、いつもサリファ王妃殿下の身だけを案じてらっしゃいました。お子を授かった時にも、サリファ王妃殿下を差し置いて申し訳ないと、そう、ずっと思ってらしたのです。……そして、死の淵で何とか最期の力を振り絞り、一人でお子をお産みになりました」
「クレリアが亡くなった時に、お腹の子も一緒に死んでしまったものとずっと思っていたわ……!」
「違うのです……。クレリア様は、本当はサリファ王妃殿下にお子を託したいと仰っていました。ですが私が……サリファ王妃殿下を信じ切れずに、こっそりと、絶対に王族の誰にも見つからない場所へ置いてきました。あのクレリア様とそっくりな見目では、王都や、その近くの街や村ではすぐに見つかってしまうかもしれないと思い……なるべく、遠く離れた場所へ」
サリファ王妃がアシェルを見る。
「ではあの子はやはり……!」
「あれは雪の降る、とても寒い日でした。赤ん坊の泣き声を聞き、屋敷の中から主人らしき人が出てくるのを、私は木の影からずっと見ておりました……。屋敷の主人は戸惑っている様子でしたが、籠の中の赤ん坊を見たとたん、とても優しい表情をして。……だから私は安心して、その屋敷の主人にクレリア様の大切な忘れ形見を託したのです……」
「それがケイレブの街なのね……!」
「これは全てわたしの一存でしたこと。死んでお詫び申し上げます……!」
ジエルの目から涙が溢れ出た。
「……このハルトムート王国のお世継ぎを、一介の侍女が一存で隠してしまった罪を、どうか……償わせてくださいませ。サリファ王妃殿下」
クレリア様とサリファ王妃殿下の間にある深い繋がりに気づけなかった。
サリファ王妃殿下の嫉妬や妬みのせいで、クレリア様の忘れ形見に命の危険が迫るのでは、と思い込んでしまった――とジエルが謝る。
「謝る必要などないわ、ジエル。クレリアの息子はこうして立派に成長して、わたくし達にその姿を見せに来てくれたのだから……!」
微かな笑みを浮かべて、ジエルがアシェルを見て頷く。
サリファ王妃の手を握りしめていたジエルの手からゆっくりと力が抜けていき、ぽとりと床に落ちるのを見て、アシェルは息を呑んだ。
「ラオドール様!」
ラオドールが慌ててそばに駆け寄り、サリファ王妃の腕の中からジエルを引き取って顔を寄せた。
すぐに暗い表情をして首を横に振り、すでにジエルが息絶えてしまったことを周りに知らせる。
「……ああ、なんということ。ジエルの罪よりほっぽどわたくしの罪の方が重いのに……。わたくしの方こそ、流行り病にかかって死んでしまえば良かったのよ。あんなに優しい子をひとりで逝かせてしまったなんて。……わたくしがあの子にしたことを、全てやり直したいわ」
サリファ王妃が虚ろな顔で立ち上がり、窓の外を眺めた。
「ああ……幼かったあの頃に、戻りたい……」
アシェルがアッと思った瞬間、サリファ王妃は窓を開けてその身を外へ滑らせていた。
毎年冬になるといくつか病が流行ったが、その年に流行ったそれは例年よりも感染力が高く、強力で、王都では沢山の死者が出てしまったという。
そんな中、クレリアがサリファに内密に面会を求めてきた。クレリアが側妃という立場になってから二人きりで話をするのは久しぶりで、サリファは嬉しくて、クレリアが部屋に入って来るなり、思わず抱きしめてしまったという。
クレリアもそんなサリファに喜んで、まるで幼い頃のように二人は言葉を交わし合った。
クレリアがサリファに相談をしに来たのは二度目で、何か重大な話があるのでは、と思ったが、それはサリファが想像した以上のものだった――。
「もしかしたら、陛下のお子を身籠ったかもしれない、とクレリアに言われたの……。クレリアにその話を切り出されるまで、その可能性を全く考えていなかった自分を、わたくしは恥じたわ。だって、陛下はクレリアを側妃に迎えてから、どこへ行くにもクレリアと一緒で、わたくしの寝室には一度だって訪れなかったのよ。クレリアに子が出来るなんて、少し考えてみれば当然のことだったのに……!」
クレリアの相談内容は、最近王都で流行っている病のことだった。もし自分がその病にかかってしまったら、お腹の中にいる子が流れてしまうのではないのかと、そう危惧したのだ。
すでに王宮内でも病が流行り始め、何人かが帰らぬ人になっていた。
クレリアに相談を受けて、サリファは考えた。
「そしてわたくしは、クレリアに、王都から遠く離れた離宮へ行くことを勧めたの。ただしそれは子を身籠ったためではなく、流行り病にかかり、その養生のために、という理由にする方がいいと伝えたわ。……陛下のクレリアへの寵愛が深すぎて、本当のことを言っても離宮になど行かせてもらえないと思ったから」
はたしてサリファの案は成功した。
流行り病にかかった側妃が療養のために王都から離れることを、反対する者など一人もいなかった。むしろ国王の安全のためにすぐにそうした方が良い、ということになったのだ。
「陛下はクレリアについて行くと仰ったけれど、立場上、それは出来なかった。そしてクレリアの離宮へ訪れるのは、本当の理由を知る、わたくしだけになったのよ……」
はじめの頃、サリファはそれを密かに喜んだ。
まるで幼い頃に戻ったかのようにこっそり二人きりで会えるのは、他国に嫁いできたサリファにとって、何よりも嬉しいひと時だった。
例え、ハルトムート王国で国王と同じような実権を持てても、母国を思い出し、クレリアと過ごした日々を恋しく思う日もあったのだ。
「でも段々と、あの子のお腹が膨らんでいくのをそばで見ているのが辛くなっていったの……。陛下と男女の愛を育むことはとっくに諦め、全て割り切ったつもりでいたのに。少しずつ離宮から足が遠のいて、しまいには全く行かなくなってしまった……。離宮のクレリアから何度もわたくし宛の手紙が届いても、読むのが辛くて、そのまま封も開けずに放置していたわ。……そして、それを後からとても後悔した。離宮から最後に届いた手紙は、あの子からのものではなく、あの子の侍女からで、クレリアが本当に流行り病にかかって亡くなってしまったという知らせだったのよ……!」
クレリアの死亡の知らせを受け、慌ててサリファがクレリアからの手紙を開けると、そこに書かれていたのは、サリファに一目でいいから会いたい、病を移してしまうと困るから遠くからでいい、サリファの姿を見たい……という健気な言葉の数々だった。
――なんということだろう。
嗚咽を漏らすサリファ王妃にかけてあげる言葉が、アシェルは何も見つからなかった。
「もしかしたら……わたくしのどこかに女としてクレリアを妬む気持ちがあって、クレリアに離宮へ行くようにという提案をしたのかもしれないわ。……そしてそんなわたくしの浅ましい気持ちを天がお気付きになって、きっとわたくしに罰を下したのよ! 大切なあの子を――クレリアを永遠に失うなんて」
ごめんさい、わたくしを許してちょうだい……、といつかのようにサリファ王妃が謝りながら涙を零す。
「左様でございましたか……」
サリファ王妃の嗚咽が響きわたる部屋の隅から、一人の侍女が頭を下げたままやって来た。
随分と年老いた侍女で、ケイレブの屋敷にいるネロくらいの年齢だろうか。王宮で働く侍女たちは若い者が多いから、その存在は少しだけ浮いているように見えた。
「ジエル……」
侍女へ目をやったサリファ王妃が目元の涙を拭って、年老いた侍女に話しかける。
「ここへ知らせを届けにきてくれたのはあなただったわね。クレリアの最期を看取ってくれて、感謝しているわ」
「……サリファ王妃殿下が、私をそのまま侍女に雇ってくださるとは思いませんでしたが」
「……そうね。もう引退したいというあなたを無理矢理引き留めて悪かったと思っているわ。でも、クレリアのそばにずっといてくれたあなたを、わたくしのそばに置いておきたかったの」
「……ずっと監視されているのではないのかと思っておりました……」
「監視? なぜ?」
「全ては……私の勝手な思い違い。どうぞ、お許しくださいませ……!」
ジエルと呼ばれた侍女が突然サリファ王妃の元へ運ばれてきた菓子を掴みあげた。白い菓子の中にある、一つだけ色の違うものを迷うことなく選び、サッと口へ入れる。
「待って、何をするの! それはわたくしが食べるものよッ!」
サリファ王妃の制止の言葉を振り切り、ジエルがそれをごくりと嚥下するのがわかった。
崩れるように床へ膝をついたジエルの口の端から、何か筋のようなものが流れるのが見える。
……まさか、あの赤いものは。
血、だろうか。
「いいえ、この菓子をいただくのは私であっております。……サリファ王妃殿下がこの菓子を作らせるのを命令なさった時に、すでに心に決めておりました」
慌てて駆け寄ったサリファ王妃にうっすらと微笑んだジエルの体が、突然ガクガクと震え始める。
「……クレリア様は最期まで、サリファ王妃殿下がお会いにくるのをずっと待ってらっしゃいました……。あの方は王宮内でのご自分の立場やご身分などはどうでもよく、いつもサリファ王妃殿下の身だけを案じてらっしゃいました。お子を授かった時にも、サリファ王妃殿下を差し置いて申し訳ないと、そう、ずっと思ってらしたのです。……そして、死の淵で何とか最期の力を振り絞り、一人でお子をお産みになりました」
「クレリアが亡くなった時に、お腹の子も一緒に死んでしまったものとずっと思っていたわ……!」
「違うのです……。クレリア様は、本当はサリファ王妃殿下にお子を託したいと仰っていました。ですが私が……サリファ王妃殿下を信じ切れずに、こっそりと、絶対に王族の誰にも見つからない場所へ置いてきました。あのクレリア様とそっくりな見目では、王都や、その近くの街や村ではすぐに見つかってしまうかもしれないと思い……なるべく、遠く離れた場所へ」
サリファ王妃がアシェルを見る。
「ではあの子はやはり……!」
「あれは雪の降る、とても寒い日でした。赤ん坊の泣き声を聞き、屋敷の中から主人らしき人が出てくるのを、私は木の影からずっと見ておりました……。屋敷の主人は戸惑っている様子でしたが、籠の中の赤ん坊を見たとたん、とても優しい表情をして。……だから私は安心して、その屋敷の主人にクレリア様の大切な忘れ形見を託したのです……」
「それがケイレブの街なのね……!」
「これは全てわたしの一存でしたこと。死んでお詫び申し上げます……!」
ジエルの目から涙が溢れ出た。
「……このハルトムート王国のお世継ぎを、一介の侍女が一存で隠してしまった罪を、どうか……償わせてくださいませ。サリファ王妃殿下」
クレリア様とサリファ王妃殿下の間にある深い繋がりに気づけなかった。
サリファ王妃殿下の嫉妬や妬みのせいで、クレリア様の忘れ形見に命の危険が迫るのでは、と思い込んでしまった――とジエルが謝る。
「謝る必要などないわ、ジエル。クレリアの息子はこうして立派に成長して、わたくし達にその姿を見せに来てくれたのだから……!」
微かな笑みを浮かべて、ジエルがアシェルを見て頷く。
サリファ王妃の手を握りしめていたジエルの手からゆっくりと力が抜けていき、ぽとりと床に落ちるのを見て、アシェルは息を呑んだ。
「ラオドール様!」
ラオドールが慌ててそばに駆け寄り、サリファ王妃の腕の中からジエルを引き取って顔を寄せた。
すぐに暗い表情をして首を横に振り、すでにジエルが息絶えてしまったことを周りに知らせる。
「……ああ、なんということ。ジエルの罪よりほっぽどわたくしの罪の方が重いのに……。わたくしの方こそ、流行り病にかかって死んでしまえば良かったのよ。あんなに優しい子をひとりで逝かせてしまったなんて。……わたくしがあの子にしたことを、全てやり直したいわ」
サリファ王妃が虚ろな顔で立ち上がり、窓の外を眺めた。
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