全てを諦めた公爵令息の開き直り

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続編2 手放してしまった公爵令息はもう一度恋をする

79話 手紙

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アデリートへの急な帰国とソフィア様のご懐妊。
王へ無事の帰還をご報告申し上げた後、心配をお掛けしてしまったであろう第4王女ヴィオラ様や第3王女カルラ様へご挨拶申し上げねばと思っていた矢先。
こちらから出向くより前に、お二人は末妹姫のイネス様もご一緒に、ベルティーナ様へのご挨拶を終えて戻って来たばかりのロレンツォ殿下の部屋へと突撃して来られた。

「お兄様、お帰りなさい!シリル様は?!」
「あ!シリル様!」
「カルラ殿下、ヴィオラ殿下、イネス殿下。ただ今帰りました。この度は、大変ご心配頂き誠に…」

兄王子への挨拶もそこそこに、こちらへ駆け寄って来られた姫君達に丁重にご挨拶を述べようとしたところ。
手、と言うか腕をガッチリ掴まれて詰め寄って来られた。

「シリル様……ご記憶が、戻ったのね?!」
「良かった!シリル様~!!」
「あの時、助けて下さってありがとう!本当に、良かっ……うわぁあん!」

姫様方にはそれぞれに喜ばれたり、感極まって涙を流されたり。
そうかと思えば。

「ソフィア様、聞きましたよ。懐妊、おめでとうございます!」
「ロレン兄様、父様になるの?うそぉ?!」
「う、うるさいな!俺だってまだ実感が…」
「でも…おめでとう、ロレン。ソフィア様、まずは何よりご自身のお体を労わって。欲しい物はない?無理は禁物だからね。」

なんて。
話題は、今度はそちらで持ち切りとなり。
王宮に滞在中は姫様方の襲来がひっきりなしで、実に賑やかで忙しなかった。

そんな数日を過ごしたある日。
王都ヴェネトリア内にあるロレンツォ殿下の邸宅に帰る前に。
その日、僕はサフィルと共に、いつか来たアデリート王の執務室にお邪魔していた。

「陛下、失礼致します。」

三度目の僕と違い、初めて失礼する王のお部屋に来たサフィルは、少し緊張した面持ちだった。
そんな彼を安心させる為にそっと手に触れて、そして握った。
するとすぐに優しい笑みを返してくれて、つい嬉しくなって笑みを返していていたら。

「フッ。見せつけてくれるではないか。」

背を向けていた筈の王に軽く笑われてしまい、僕は慌てて彼の手を離し、臣下の礼をとった。
振り返った王は、そんな僕らを気さくに歓迎下さり、ソファーへと促されて座した。

「ご機嫌麗しゅう……。陛下、遅くなりましたが、いつぞやお預かり致しましたお手紙、無事お渡しする事が出来ましたので、そのご報告を致したく、参りました。」
「そうか…!すまなかったな、つい頼んでしまって。で、ユベールは何と言っていた?」
「陛下。きちんとお返事を頂戴して来る事が叶いましたよ。それについては後でどうぞごゆっくり、ご覧になって下さいませ。」

僕らが戻ってしばらく後に、ヴァレンティーノ王太子殿下達がご帰国されてから。
ユリウス殿下達の婚姻式の参列を無事に終えた労いと、僕の記憶が戻った事と。
何より、ソフィア様の懐妊を祝福する為に。
王宮内で内輪だけのお祝い晩餐会が開かれた。

記憶が戻った僕の事をベルティーナ様だけでなく、王妃様や他の側妃様方も喜んで下さったが。
特に第3王女カルラ様の母である第2側妃のソル様と第4王女ヴィオラ様の母・第3王妃ルチア様にはそれぞれ姫を助けてくれてありがとう、と直接感謝のお言葉を頂戴し、大変有難くも身が引き締まる思いだった。

第1王女のアザレア様もお声掛け下さって、こっそりとお礼の言葉を賜った。
それをお伝えするならベアトリーチェ王太子妃殿下へ、なのだが…。

実は、エウリルスの王宮へ参内した折に、居合わせたジェラルドと再会したのだ。
婚姻式を前に、近々会いたい旨を手紙にしたためて送りはしたのだが、シャンデル家へ訪問の日程を調整する前に王宮で再び相見える事が出来た。
出来たのだが。

『シリル!久しぶり!』
『ジェラルド!奇遇だね。こんな所で再会出来るなんて。』
『君達が参内するのは聞いてたから、僕もそれに合わせたのさ。手紙をくれてありがとうね。……で?』
『え?』

わざわざ僕らの参内する日に合わせて来てくれたらしい、が。
にっこにこの笑顔で詰め寄られて、一歩下がる僕に、ジェラルドはいきなり右手を突き出して来た。

『ん!』
『え。な、何?』
『何って、手紙だよ、手紙!もちろん、預かって来てくれたよね?アザレア様から。』
『……預かって無いよ。』
『…………えぇ。』

最上級の笑顔から一転、催促されたアデリートの第1王女からのお手紙は預かって来ていない僕に、ジェラルドはみるみる悲しい顔になり、涙目になって詰め寄られた。

『何で、何で?!君らは僕とアザレア様の恋のキューピットじゃない!何も言付かって無いの?!本当に?』
『悪いけど僕、最近まで酷い不調で実家に戻って療養してたんだ。アデリートから急に実家へ戻る事になって、それどころじゃなかったんだよ……。』

記憶喪失になった事や、その原因の事件については伏せ、簡単に体調不良だったとだけ伝えると、それはそれで心配してくれたが。
しかし、無いものは無いし預かってない物は預かっていない。
がっくりとしょぼくれてしまったジェラルドの後ろからひょっこりと現れたのは、エウリルスの王宮に滞在中だったヴァレンティーノ王太子殿下とベアトリーチェ王太子妃殿下で。
その王太子殿下は楽しそうに笑われ、ベアトリーチェ様は苦笑しながらアザレア様のお手紙をお渡し下さった。

『この感じですとアザレア様も、シャンデル卿の強い熱意にその内根負けなさりそうね。』

僕達やロレンツォ殿下の方を見やって、彼女はそんな事を仰っていた。

……そう言えば。
あの時、僕は勝手に勘違いして失意のどん底であまりハッキリとは覚えていないものの。
第4王子エミリオ殿下も壇上に上がられた軍の式典への参加の際、セラフィーナ王妃殿下とその娘であられる第2王女エレオノーラ殿下の母娘のお二人に挟まれて、第1王女アザレア殿下はお顔を真っ赤にされて怒っておられたっけ。
サフィルも言っていたけど、大方、今までどんな殿方にも靡かず我関せずを貫かれていたアザレア様が、隣国から来た使者殿とは話を交わされ、修道院でこっそり会っていた事もそうだが、その後使者殿が滞在中に猛烈なアプローチを受け、彼が帰国後も手紙での遣り取りをされている。
何処までご存じなのかはともかく、ある程度お知りになり。
きっと、それで興味津々に義母と義妹から突っ込まれていたのだろうな。

それを王妃の息子であるヴァレンティーノ王太子の妃であるベアトリーチェ様も知る所となり、今回のユリウス王太子の婚姻式でエウリルスへ行く事になったベアトリーチェ様にアザレア様がお手紙を託されたのだろう。
……下手に無視を決め込むと、余計に手に負えなくなると、アザレア様は悟ったのかも。
それとも、アザレア様もまんざらでもない…?
それは、僕には分からなかったが。

『わぁー!王太子妃殿下、どうもありがとうございます!あぁ~、アザレア様♪』

それまでの落ち込み様が嘘の様にお手紙を受け取ったジェラルドは、王太子夫妻へのご挨拶とお礼もそこそこに、ふわふわと雲の上を歩いている様な浮足立った足取りで、さっさと退散していったのだった。

そんなこんなを義兄夫妻から聞かされたアザレア様は、苦笑しながら僕らを労って下さった。

そのアザレア様とジェラルドが結ばれるのは、もう少しだけ先のお話。
その際、その二人の仲人役を担う事になる訳だが、それまではお二人で手紙のやり取りにて、密かに愛を育まれていかれるのだった。

そんなアザレア様も含めた皆、ソフィア様の懐妊を祝福下さり、感謝なさいながらも恐縮されるソフィア様と、他の妃方から裏表無く心から祝われ、姑であるベルティーナ様はそれまで誰とも交流出来ず孤独だった関係の希薄さが嘘の様に、自然に妃の輪の中に迎えられ、共に笑い合っておられた。

ベルティーナ様の誰に対してもお優しい丁寧な態度で接しられる姿が、他者から好感を持たれる素晴らしい御方であるのは勿論の事。
他の妃方も、昔は王太后と王との対立やそれに伴う派閥の抗争、第1側妃様のお父君の失脚による大きな波紋などで、政治的な駆け引きに否応無しに巻き込まれ、それぞれに身動きが取りづらく、歯がゆい日々を送っておられた事だろう。
しかし、それももはや過去の事となり、ようやく、共に笑い合える関係へと発展していけたのだ。
その様子を、話しに盛り上がる女性陣の輪の外から、アデリート王は穏やかな笑みでもって見守っておられた。

チラリと周囲を伺うと、ヴァレンティーノ殿下の所にセルラト公爵が寄り添われ、約束通りエウリルスでの話に花を咲かせていらっしゃった。
そうして、宴もたけなわになった頃、僕は陛下の護衛騎士にそっとお伝えし、後日陛下にお呼び頂いたと言う訳だ。

と言うのも。
実は、まだ記憶を失う前、ユリウス殿下の婚姻式への参列を願い出る為エウリルスの使者として来訪したジェラルドが帰国してから、しばらくしたある日。
いずれ式へ向かう為、それならば、と。
アデリート王からこっそり呼び出されていた僕は、再び例の執務室にて、王より手紙を承っていたのだ。
それは、親書とは異なる、昔の旧友に宛てた手紙として。

『無理なら構わないのだが。もし可能なら、渡して来てくれるか。』

だなんて。
その時は実に気軽に仰った王だったが。
いくら国王としてではなく、個人的なものだからと言われても。
国王陛下からのお手紙を軽々しく扱える訳もなく。

ただ、その時は婚姻式までまだ間があった為、持参するのを忘れない様にしなければ、とエウリルスへ行くとき用の荷物の中に事前に忍ばせておいたのが功を奏した。
その後、あの事件があり記憶を失くして、僕自身は訳が分からないまま、当初の予定よりかなり前倒しでエウリルスへ行く事になり。
でも、いつも僕を支えてくれている従者のテオは、エウリルスへ行くにあたり、その荷物を持参してくれていた。
おかげで後に記憶を取り戻せた僕は、婚姻式前の忙しい中、少しの間お時間を頂戴出来た僕はサフィルに寄り添ってもらってマリアンヌ王女にお願いし、なんとかエウリルス王に直接謁見出来る機会を頂けた事で、アデリート王からのお手紙をお渡しする事が出来たのだった。

アデリート王にはそれからユリウス殿下の婚姻式の様子や、エウリルスの祝福に盛り上がっている雰囲気の他、僕の事を気に掛けるお言葉を下さって、改めて御礼を申し上げた。
また、ロレンツォ殿下の側近として幼い頃から仕えているサフィルに対しても、気難しい第5王子を支え続けてくれた事による感謝とねぎらいのお言葉を頂戴し、サフィルは瞳を潤ませて王の激励に感激していた。

無事お手紙をお渡し出来て、ホッとして王の執務室を失礼した僕とサフィル。
そのお手紙を受け取られた時もそうだが、僕らが退室する時も。
心なしか嬉しそうな優し気なお顔をされていらして。
きちんとお渡し出来て良かったなぁ~。なんて呑気に笑っていた僕らだったが。

だから知らない。
王がどんなお気持ちで僕などに手紙を託し、その返信を受け取られたのか。
そこに、どんなやりとりがあったのか。

王は。


————・・・

『親愛なるユベールへ

今や互いに国を背負い、昔のあの頃に戻る事も叶わないのは分かっている。
もう、貴方の一番にはなれない。けれど、貴方は私の唯一である事には変わりない。昔も今も、それだけはずっと変わらない。
あの時、不安に項垂れる貴方の手を取り、雁字搦めに縛られている全てをいっそ投げ出して、互いに自由を謳歌する道を選ぶ事が出来たのなら……などと、何度も夢想したのは言うまでもない。 
貴方はどうだっただろうか?
けれど、血の滲む想いで背負い、その上に立ち続けて。
貴方への裏切りだと自覚しながらも慈しんだ子らは、時に守りきれず、時に自身の手で裁を下さねばならない事もあり。
己の不甲斐なさに嫌気が差すばかりで。
そんな時、ふと思った。貴方ならどうしただろう?と。
…いや。
貴方との叶わなかった先を夢想した。
けれど、それは単なる逃げでしかないと気付き、自身の未熟さを貴方への想いで誤魔化そうとしてしまった己を恥じたよ。
何度も、何度も。
今更、こんな事を言って、申し訳ない。
貴方はもう、新しい道を歩み、私の事など…迷惑かもしれないと迷ったんだ。
だが、貴方が私に託してくれた青年は、私達が出来なかった事を乗り越えてやって来た。
それを見て、私も、私なりに貴方の多幸を祈りながら、貴方に胸を張って向かい合える様に努力し続けると誓う。
貴方の最愛なる息子、ユリウスの結婚おめでとう。
心より祝っている。
どうか、身体に気を付けて。

 アウグスティーノ・グレゴリオ・アデリート』


『手紙をありがとう。もう自分も息子が結婚する程の歳になったというのに、貴方からの手紙を読んで、アデリートで貴方と過ごした幼い学生時代の記憶が一瞬にして蘇ったものだから、驚くばかりだ。
あの頃の事は、感謝している。
自国の不協和音を恐れて逃れ、それでもまだ怯えていた私を貴方は明るい笑顔で笑い飛ばしてくれたな。あの時は怒ってみせたが、本当はとても気が楽になったんだ。
楽しかったな、あの頃は。
本当に。
貴方はいつも私には自信ありげに豪快に笑っていたから、そんな繊細な夢想をしていたとは驚きだ。
……いや、私も夢想したさ。きっと貴方と同じくらい、何度も何度も。
互いに子供にも恵まれ、その子が婚姻するまでに健やかに育ち、おそらく沢山の苦難もあったであろうが、その分幸せも沢山あっただろう。
けどな。
この際だから言うが、いくらなんでも多すぎやしないか?!お前って奴は!
王太子から王へと段階を踏んで王位に就けた私と違って、急に王にならねばならなくなった貴方は、きっと私より何倍も大変だったのは分かる。
自分の立場を固めないと、国が揺らぎかねず、その為だったというのは充分に分かっている。分かっているとも。
それでも、5人の妃に息子娘12人って、いくらなんでも多すぎやしないか?!
貴方の提案を蹴った腹いせの当てつけかと思ってしまったくらいだぞ。
でもまあ、それだけ大変でもあるんだろうけれど。
あの青年の事は、宜しく頼む。
救世の巫子らの親愛を一身に受けた善良なる者だ。
なに、彼らは彼らの道を進み、我々は我々の道を歩む、それだけだ。
今だから言えるのだろうが。
互いの国を、家族を。自分自身のやり方で守っていこう。
そして、出来ればこれから先も共に、より良い関係を築けてゆけたらと願う。
息子の祝いをありがとう。
貴方も、身体に気を付けて。
いつの日か、また会える事を願って。

親愛なるアウグスティーノへ
 ユベール・ルイ・エウリルスより』
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