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第三十四話『王と聖女の共闘』
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聖剣を構えたアレクシオス陛下の姿はまるで伝説の勇者のようだった。
彼の全身から放たれる光のオーラが地下神殿の闇を昼間のように照らし出す。
「いくぞバジリスクッ!」
陛下が地を蹴る。
その速さは先程までとは比べ物にならない。
聖剣が一閃。
バジリスクが咄嗟に作り出した闇の障壁をまるで紙を切り裂くようにいとも簡単に切り裂いた。
「なっ……!? 我が魔力が通じぬだと!?」
「当たり前だ! この聖剣はお前のような邪悪な存在を浄化するためだけにあるのだからな!」
陛下が流れるような剣技でバジリスクに斬りかかる。
バジリスクも巨大な蛇の尾を鞭のようにしならせ応戦する。
激しい剣戟が地下神殿に鳴り響いた。
私はその後方で回復と浄化の魔法を陛下に送り続ける。
「陛下! お力を!」
「ああ感じているぞイリス! 君の力が私に流れ込んでくる!」
私たちの心は完全に一つになっていた。
王と聖女。
二つの魂が共鳴し奇跡の力を生み出していく。
「ライオス団長! 私たちも援護を!」
「心得た!」
ライオス団長率いる騎士団も再び奮起しバジリスクの周りにいる残党たちへと襲いかかった。
そして後方では。
「アンナ先輩! 今ですわ!」
「心得ましたわセレーナさん!」
セレーナとアンナがいつの間にか息の合ったコンビネーションを見せていた。
セレーナが敵の足元に石ころを投げつけ体勢を崩させる。
そこへアンナがどこから持ってきたのか水差しに入った聖水を敵の顔面へと浴びせかける。
「ぎゃあ! 目が、目がぁ!」
そのあまりに地味でしかし効果的な援護射撃に敵は次々と混乱していく。
「おお……! これが王と聖女の力……! そしてそれを支える忠義なる家臣たちの姿……! なんという素晴らしい光景じゃ……!」
ヴァスコ総督はその光景を目の当たりにして感動のあまり涙を流して打ち震えていた。
戦いは完全に私たちのペースだった。
アレクシオス陛下がバジリスクの巨体を切り裂き私がその傷口を聖なる光で浄化していく。
再生能力を封じられたバジリスクはみるみるうちに弱っていった。
「おのれ……おのれ小僧どもがあっ!」
追い詰められたバジリスクは最後の力を振り絞る。
額の第三の眼がこれまでで最も禍々しい血のような光を放ち始めた。
「もはやこれまで! この身が滅びようとも貴様らだけは道連れにしてくれるわ!」
石化の魔眼、最大出力。
それはこの地下神殿そのものを空間ごと石に変えてしまうほどの禁断の力。
その全てを終わらせる一撃がアレクシオス陛下に向かって放たれた。
さすがの陛下もこれを避けることはできない。
その時。
私は自分の全ての聖女の力を解放することを決意した。
「陛下ーーーっ!」
私の体から太陽のような黄金の光が溢れ出す。
「聖なる光の奔流よ! 全ての悪しきを浄化せよ!」
『ホーリー・ノヴァ』!!
私の全力全開の一撃。
それがバジリスクの最後の石化光線と正面から激突した。
閃光。
轟音。
光と闇がぶつかり合い地下神殿全体が凄まじい揺れと共に崩壊を始めた。
「イリス!」
「陛下!」
崩れ落ちる天井の中、私たちはただお互いの名前を叫んだ。
彼の全身から放たれる光のオーラが地下神殿の闇を昼間のように照らし出す。
「いくぞバジリスクッ!」
陛下が地を蹴る。
その速さは先程までとは比べ物にならない。
聖剣が一閃。
バジリスクが咄嗟に作り出した闇の障壁をまるで紙を切り裂くようにいとも簡単に切り裂いた。
「なっ……!? 我が魔力が通じぬだと!?」
「当たり前だ! この聖剣はお前のような邪悪な存在を浄化するためだけにあるのだからな!」
陛下が流れるような剣技でバジリスクに斬りかかる。
バジリスクも巨大な蛇の尾を鞭のようにしならせ応戦する。
激しい剣戟が地下神殿に鳴り響いた。
私はその後方で回復と浄化の魔法を陛下に送り続ける。
「陛下! お力を!」
「ああ感じているぞイリス! 君の力が私に流れ込んでくる!」
私たちの心は完全に一つになっていた。
王と聖女。
二つの魂が共鳴し奇跡の力を生み出していく。
「ライオス団長! 私たちも援護を!」
「心得た!」
ライオス団長率いる騎士団も再び奮起しバジリスクの周りにいる残党たちへと襲いかかった。
そして後方では。
「アンナ先輩! 今ですわ!」
「心得ましたわセレーナさん!」
セレーナとアンナがいつの間にか息の合ったコンビネーションを見せていた。
セレーナが敵の足元に石ころを投げつけ体勢を崩させる。
そこへアンナがどこから持ってきたのか水差しに入った聖水を敵の顔面へと浴びせかける。
「ぎゃあ! 目が、目がぁ!」
そのあまりに地味でしかし効果的な援護射撃に敵は次々と混乱していく。
「おお……! これが王と聖女の力……! そしてそれを支える忠義なる家臣たちの姿……! なんという素晴らしい光景じゃ……!」
ヴァスコ総督はその光景を目の当たりにして感動のあまり涙を流して打ち震えていた。
戦いは完全に私たちのペースだった。
アレクシオス陛下がバジリスクの巨体を切り裂き私がその傷口を聖なる光で浄化していく。
再生能力を封じられたバジリスクはみるみるうちに弱っていった。
「おのれ……おのれ小僧どもがあっ!」
追い詰められたバジリスクは最後の力を振り絞る。
額の第三の眼がこれまでで最も禍々しい血のような光を放ち始めた。
「もはやこれまで! この身が滅びようとも貴様らだけは道連れにしてくれるわ!」
石化の魔眼、最大出力。
それはこの地下神殿そのものを空間ごと石に変えてしまうほどの禁断の力。
その全てを終わらせる一撃がアレクシオス陛下に向かって放たれた。
さすがの陛下もこれを避けることはできない。
その時。
私は自分の全ての聖女の力を解放することを決意した。
「陛下ーーーっ!」
私の体から太陽のような黄金の光が溢れ出す。
「聖なる光の奔流よ! 全ての悪しきを浄化せよ!」
『ホーリー・ノヴァ』!!
私の全力全開の一撃。
それがバジリスクの最後の石化光線と正面から激突した。
閃光。
轟音。
光と闇がぶつかり合い地下神殿全体が凄まじい揺れと共に崩壊を始めた。
「イリス!」
「陛下!」
崩れ落ちる天井の中、私たちはただお互いの名前を叫んだ。
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