セクハラして異世界生活を満喫していたら美少女に尊敬されていた件

みずがめ

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16.勇者ラインハルトは一目惚れをする

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 僕は不運にも死んでしまった。
 悲しいとか寂しいという感情を抱く暇すらなかった。なぜなら気がついた時には女神様の前にいたからだ。

「どう? 異世界に行ってみたくはないかしら?」

 自分で神を名乗るだけあって、神々しさが極限にまで達した美女だった。でも胸がないので僕の守備範囲から外れてしまったね。

「異世界と言われても、どんな世界かもわからないのに簡単に頷けるわけがないじゃないか」

 僕の言葉を受けて、女神様はどんな異世界に転生させようとしているのか説明してくれた。
 中世ヨーロッパ風ではあるが、魔法が存在するのでいろいろと便利になっていること。
 勇者と魔王が争い、冒険者がモンスターを討伐するという、戦いのある世界であること。
 人族はもちろん、様々な種族の巨乳美少女がいること(←ここ重要)
 などなど、たくさんの異世界の情報を手に入れた。
 しかも今異世界転生すれば、一つではなく複数のスキルをもらえるとのことだ。

「アタシはその辺のザコ神とは違うのよ。他にも転生者はいるけれど、みんな一つしかスキルを授かっていないはずよ。アタシだから複数のスキルを与えられるわけ。アタシに出会えた幸運に感謝なさい」
「ありがとうございます女神様! 喜んで異世界転生させていただきます!」

 僕は決断した。今行かなければバカだ。
 自由にスキルを選べるとのことなので、僕は考えを巡らせ、要望を口にした。

「では、行ってきます」
「がんばって無双してきなさいな。ちゃんと世界を平和にするのを忘れるんじゃないわよ」

 女神様から複数のスキルをもらって、僕は意気揚々と異世界転生したのであった。


  ◇ ◇ ◇


 とある貴族の男児として僕は生まれた。
 名はラインハルト。幼いながらに異性を魅了する天使のような愛くるしさがあった。我ながら将来が楽しみである。
 もちろん顔だけではなく、魔法の才にも恵まれた。成長するにつれて身体能力でも他を圧倒するようになった。
 女神様はちゃんとチートボディを与えてくれたようだ。しかもかなりの上級貴族だったようで書庫が充実していた。独学で数々の魔法を覚えていく。
 成人するまで自分を高めるために時間を注ぎ込んだ。将来確実に訪れる成功を思えば、その時間は苦に感じなかった。

「勇者が誕生したぞ! その名はラインハルト!」

 そして、僕は勇者になった。
 約束された成功への道を進む。できることが増えていき、他人から認められることも多くなった。
 正直に言おう。快感だ。
 能力のある自分。それを褒め称える有象無象。承認欲求が満たされていくのがこれほどまでに気持ち良いことだったなんて、転生する前は知らなかった。
 ならば次にすべきことは、仲間集めだ。
 魔王討伐を成功させるためには僕をサポートする仲間が必要だ。仲間の重要性は漫画で学んできた。

「勇者の僕に相応しい仲間が欲しい。国王として、当然協力してくれるよね?」
「……もちろんだ」

 僕が生まれ育った国、ラングレー王国。その王様に会った。
 国王は白いひげをたくわえた無駄に偉そうなジジイだった。
 歳を食っただけのジジイと対話するだけ時間の無駄だ。女神様から与えられたスキルの一つ、【洗脳】を使って無駄な時間をカットする。
 これで国を挙げて仲間集めを全面的に協力してくれるはずだ。僕は仲間に必要な条件を伝えて、候補者が選ばれるのを待った。
 仲間集めの条件。一つは美しい女であること。一つは武力や魔力などのそれなりに秀でた能力があること。
 そして、これが一番重要なのだが……おっぱいが大きいことだ!

「すぐに紹介できるのは娘のユフィーナだけだが」
「わかった。会ってみよう」

 国王の娘ということは、相手は王女というわけだ。
 姫属性にそそられないでもないが、この偉そうな顔をした王の娘だ。姿を見るまでは仲間に相応しいか決められない。

「魔王討伐の任を授かった勇者、ラインハルトだ。ユフィーナ、君の力を僕に貸してくれないか?」

 彼女の姿を目にした瞬間、僕は無意識にそう口走っていた。
 艶のあるピンクブロンドの長い髪。エメラルドグリーンの瞳がきらめいている。
 整った美貌は確かに王女の気品があった。だがあどけない表情からはまだ幼さを感じさせた。
 しかし身体の方は充分に育っていた。服越しでも素晴らしい身体のラインが見て取れる。間違いなく立派な巨乳の持ち主だ。
 正直に白状しよう。僕は彼女に一目惚れをした。

「ユフィーナは【姫騎士の加護】を授かっておる。強さも申し分ないであろう。勇者様の条件のすべてに当てはまると思うのだが……どうだ?」

 国王が何か言っている。僕はユフィーナに釘づけだった。邪魔しないでほしい。
 前世では僕に見合うだけの女がいなかった。ずっと大切にしてきた童貞。彼女になら、捧げてもいいかもしれない。

「ユフィーナは絶対に仲間にしなければならない。魔王討伐には彼女の力が必要不可欠だ。そう勇者の勘が言っている」
「わかった。ではそう命じよう」

 この時ばかりは国王の権限に感謝した。
 ただ一つだけ、ユフィーナは僕と旅を共にするための条件をつけてきた。

「……アリッサがいっしょなら、いいわよ」

 アリッサとは、ユフィーナの専属メイドらしかった。
 メイドか……。王女のメイドだ。きっと美少女に違いない。
 僕は快く承諾した。ユフィーナとの初めてを終えた後に、メイドにご奉仕してもらうのも悪くない。
 ……そう思っていた時期が僕にもありました。

「アリッサと申します。ユフィーナ様の身の回りのお世話をするため、旅の同行を許可してくださり感謝いたします」

 頭を下げる銀髪のメイド。確かに美少女ではあった。
 だがしかし、決定的に胸がなかった。無乳と言っても言いすぎじゃない。
 なんてことだ……。おっぱいのない女を女として扱っていいのか? それは僕の主義に反することだぞ。
 けれどユフィーナのお願いを承諾した手前、「やっぱりメイドの同行は認めない」とは言いづらかった。
 いや待て。僕には【洗脳】のスキルがあるじゃないか。
 ユフィーナを洗脳してアリッサを帰らせる。しかも僕の洗脳下に置いてしまえば躊躇いなくいつでも股を開いてくれるだろう。
 まさに一石二鳥。僕はユフィーナに洗脳を試みた。

「ユフィーナ、アリッサはもういらないから城に帰らせてやってくれ」
「なっ!? いらないって何よ! アリッサは私にとって大切な存在よ。それにアリッサを連れて行くことを承諾したのはラインハルトじゃない!」
「あ、あれ?」

 なんとユフィーナの洗脳に失敗した。
 なぜだ? その理由を知るために【鑑定】のスキルを使った。
 女神から与えられた【鑑定】はアイテムだけではなく、人物のステータスを見ることもできるのだ。転生者必須のスキルである。
 ユフィーナのステータスの中で気になったのは【姫騎士の加護 A】というものだった。

「ステータス・オープン」

 今一度自分のステータスを確認する。
 スキル一覧には女神から与えられたスキルが並んでいる。その後ろにはA~Cまでのアルファベットがあった。
 それはスキルの能力の高さを表すランクだ。見れば【洗脳 B】と表記されていた。
 ユフィーナの【姫騎士の加護】の守りのせいで、僕の【洗脳】が効かなかったってことか?
 でも【鑑定 A】は問題なく彼女のステータスを見られている。つまり、ユフィーナを洗脳するためには、熟練度を上げて同じ【A】ランクにしなければならないということか。
 ユフィーナで童貞を卒業するために、まずは【洗脳】の熟練度を上げなければならないようだった。
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