馬のお尻にドキッ!?ケンタウルスな彼女に恋した件。

AI(エーアイ)

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第1話:禁断の聖地

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 禁断の谷へ夜の森は静寂に包まれ、月光がケンタウルス族の聖地「銀蹄の谷」を照らしていた。巨大な石柱が円形に並ぶ神聖な場に、異邦人の足音が響く。人間の魔術師カイは、好奇心に突き動かされ、この禁断の地に足を踏み入れた。身長165cmの華奢な体に、煤けたローブをまとい、瞳には純粋さと冒険心が宿る。「ここが…ケンタウルス族の聖地か」
 カイは呟き、杖を握りしめる。魔術の師から聞いた伝説――ケンタウルス族の癒しの秘術――を追い求め、彼は危険を顧みず谷に侵入した。だが、背後で土を蹴る重い音が響き、カイの心臓が跳ねる。「人間、何故ここにいる?」
 雷鳴のような声が闇を切り裂く。振り向いたカイの視界に、月光に映える巨大な姿が現れる。全高2.5m、浅黒い肌に灰色の髪が流れる美しい女性だ。側頭部からは、バッファローのように湾曲し上を向く角が生え、威厳を放つ。その角の間には青い額当て、胸には金の装飾が施された青い胸当て、胸当ての下には身体に密着した茶色の服。彼女の下半身は力強い筋肉と銀灰色の毛並みが輝く馬体だ。瞳は鋭く、だがどこか深い哀しみを湛えていた。カイは息を呑み、杖を構えるが、彼女の前脚に軽く蹴られ、地面に倒れる。
「答えなさい。さもなくば、この槍が貴様の心臓を貫く」
 彼女の手に握られた槍が、カイの胸元に突きつけられる。馬体の迫力に圧倒され、カイの身体が震える。
「待って!俺は…ただ、癒しの秘術を知りたくて…!」
 カイの震える声と純粋な瞳に、彼女は一瞬たじろぐ。槍を下ろし、冷たく言い放つ。
「人間の好奇心は、災いしか呼ばない。連行する。族長の裁きを受けなさい」
 カイは谷の奥にある岩窟の牢に閉じ込められた。監視役として件の女性が現れる。馬の蹄が石の床を叩く音が反響し、彼女はカイを見下ろす。銀灰色の毛並みが月光にきらめき、湾曲した角が影を落とす。
「なぜ危険を冒した?人間がここに来れば、死罪もあり得る」
 彼女の声は厳しいが、どこか興味を隠しきれていない。カイは牢の隅で膝を抱え、答える。
「俺の村…疫病で多くの人が死んだ。ケンタウルス族の癒し手が、奇跡を起こせると聞いて…俺は魔術師だ。学びたいんだ」 彼女は鼻を鳴らし、馬の尾を軽く振る。
「愚かな人間。癒しの秘術は、血と魂の術だ。貴様のような小童に扱えるものではない」
 だが、カイの真っ直ぐな瞳に、彼女の心は揺れる。人間への不信と、惹かれる純粋さの間で、彼女は踵を返し、去り際に呟く。
「明朝、族長に引き渡す。それまで大人しくしていろ」 夜が更ける中、カイは牢の隙間から彼女の姿を盗み見る。月光に照らされた灰色の髪、鋭い瞳、浅黒い肌…そして、視線は彼女の下半身―力強くも優美な銀灰色の馬体―に引き寄せられる。
「神聖だ…美しい…」
 カイの呟きが、岩窟に小さく響く。彼女の尖った耳がピクリと動き、振り返る。
「何だと?」
 カイは慌てて目を逸らし、頬を赤らめる。彼女は眉をひそめ、馬の蹄を鳴らして近づく。
「人間の目は節操がない。私の尻を…獣のように見るな」
 声には怒りと深い羞恥が滲む。かつて人間の子供たちに「馬尻女」と嘲笑された記憶が、彼女の心に刺さっていた。カイは首を振る。
「違う!俺は…君の全てが、神聖に見えるって…」 彼女の瞳が揺れ、黙って牢を離れた。
 カイは、鉄格子の隙間から星空を眺める。冷たい石の床に座り、傷ついた腕をさする彼の耳に、馬の蹄が響く。監視役の彼女が再び現れた。「まだ起きているか?人間」
 彼女の声は低く、警戒心に満ちている。カイは慌てて目を上げ、彼女の鋭い瞳と向き合う。
 彼女は無言で水の入った革袋を差し出す。
「ありがとう…その、名前を聞いてもいいかな?俺はカイ…」
 彼女の耳がピクリと動く。しばしの沈黙の後、彼女は答える。
「イリアナ。ケンタウルス族の癒し手であり戦士だ」
「ありがとうイリアナ…きれいな名前だね」
 カイの素直な言葉に、イリアナの頬がわずかに赤らむ。だが、彼女はすぐに冷たく言い放つ。
「人間の甘言は信用できん。明日の裁きで、貴様の運命が決まる」
 彼女は踵を返し、去っていく。だが、カイの胸には、彼女の名前の響きが温かく残った。
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