異世界転生だと思ってたのにただのタイムスリップでさらに歴史が変わってしまいました

桜ふぶき

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いざ過去へ!!!

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ーーーエレベーターの中に入ると、そこには普通のエレベーターと同じく階を表すボタンがあった。

そのほかに壁には収納スペースがありビンに入った砂のようなものや薬などが入っていた。

リアムがさっきフロントにいた男からもらったものをとりだす。

「それなんなんだ?」

「これは防犯カメラのようなものだよ、僕たちが何かしないようにこれで見張ってるのさ」

カチッとボタンを押すとフワッと浮かび上がり姿をけした。

「今回は織田信長がいた時代へいく」

「織田信長ぁぁぁあ?!?!まじかよ!俺の好きな偉人じゃねえか!!」

「わぁ、好きなんだね」
ノアがりんごをみて微笑みかける。

「ノア言ってやりなよ、本能寺の変を見にいくって」
リアムが意地悪く笑いながら言う。

「ーーー!!??」

「こらぁ!余計なこといわないで!
りんごくん黙っちゃったでしょ!ーーーーー大丈夫?」

ノアが心配そうにりんごの顔を覗き込む。

「ほんのうじのへん…?!」

「あ、わかってなかったんだね!!!

傷ついてないだけよかったけど!」

ブフッとレグルスが吹き出すそばでリアムはドン引きする。

「え?バカすぎじゃない?日本でだいぶ有名だと思うけど」

「悪かったな、ばかで!!!」

こいつにはデリカシーってもんがないのかよ?!?!

ブスっと拗ねながら、勢いよく壁に頭をつけふせる。

ーーーピッ

ピ?なんだーーーーガコンっっ!!

「おわっっ?!?!」

エレベーターがゆっくり動き始めた。その反動でエレベーター内が大きく揺れる。

「うわっ」

リアムが突然動き出したエレベーターに対応しきれずよろめく。

「なに?だれかボタン押したの?」

「いや、俺も目的地の設定をしたところでーーまさか!」

ノアがりんごの背後にあるボタンの方を振り返ると満面の笑みで

「てへ❤️」

「は?てへじゃないんだけど、何やってるわけ」

「いてっ」

リアムがりんごを叩く。

「まあ、目的地の設定が終わってるなら問題はないだろう。
それより、ーーほらみろ、時間が戻っていくぞ」

レグルスが窓の外を指差しりんごを慰める。

「ーーーおわぁぁ!!」

ーーーそこには早送りしているかのごとく次々と風景が変わっていっていた。

「新幹線の中にいるみたいだな!!」

すげえ!!
と感心しているりんごとは反対に、真剣な表情でリアムがちょっといい?と、りんごに過去での注意事項を説明し始めた。

「わかってるとは思うけど、
今から行く時代に僕たちは本来いてはならない存在なんだよね。
ーーだから絶対にその時代の人に接触しないで」

「………………うす!!」

「ああ、そうだ。言い忘れてたけど、もし従わなかったり違反行為した場合はそれなりの覚悟をしときなよ。

ーーー君がついてきたことすら揉み消せしちゃうから」

リアムの目が一瞬光る。

「…あい」

「聞き分けがよくて嬉しいよ」

リアムがにっこり笑うと、踵を返す。
一方りんごは震えが止まらない。

ーー殺される!!!こいつ一瞬瞳孔がひらいたもん!!!まじで殺る顔だったあれは!!
怖すぎだろ!!圧力が桁違いだっつーの!!

「ついたようだな」




ーーエレベーターの外は森の中に通じていた。多くの草木がおおい茂り鬱蒼としている。あたりは暗く真夜中のようだった。

「本能寺はこの奥みたい。」
ノアが奥を示しながらいう。

ーーその時だった。けたたましい鐘の音と一緒に多くの兵士の怒鳴り声が聞こえていた。


「始まったみたいだね」

リアムが静かに口を開く。

「ここにも兵が来るかもしれない。一旦木の上で観察しよう」

「え?待ってくれ!俺木なんて登ったことないぜ?」

「大丈夫だよ、ほら手を貸して?」

ノアが優しくなだめ手をにぎる。

ーーーパキキッ!

なっ?!?!!?!手にヒビがはいってーー?!?!

尋ねる暇もなくノアが向かいの木に向かって飛び上がった。
他の2人はすでに木の上にたっている。

「なんだこれ?!?!
さっき、そらっとんでーー??!」

「ーーしっ!!誰か来る!」

「むぐっーー!」


ーー2人の人物がこちらへ向かっていた。
2人とも息を切らしながら命からがらにげているのがわかった。

「はぁっ!はぁっ…!!

ーー明智め!!裏切りおってっ!!ーーあとで目にもの見せてやる!!」

「信長様!急いでください!!敵が追ってくるかもしれません!!」

「信長…っ?」

あれがか。なんか落ち武者みたいな髪型してんな。セットしてないからか?

ふいに隣を見るとノアが下を見ながら見たこともないくらい冷たい顔をしていることに気づく。

思わずゾッと悪寒が走った。

なんだ?なんでそんな顔してんだよ
ーーどういうーー

周りをみてりんごが固まった。

ノアがだけではなく、リアムもレグルスも同じような表情をしていた。

「ーーっ」

普段は図々しく話せるりんごも張り詰めた空気に言葉がでなかった。

リアムが冷たくレグルスとノアにつげる。

「ノアは空間の操作を。レグルスは周りの状況を見てて。ーー僕が行くよ」

「ーー?」

さっぱり状況が飲み込めないりんごの隣で、ノアが先ほどとは比べものにならないほどのヒビが入った手を突き出し静かに言う。

「ーードミノ」

グン!!とまるで水のような結界がリアムたちがいる場所だけをドームのように囲う。外はにじんで揺らめいていた。

「ーーなっ」

なんだこれ?!まるで噴水の中にいるみたいだ。つかドミノってなんだよ!!
ーー厨二心がうずくじゃねえか!!

「なんなのじゃ?!?!これはっ一体どうなっとる!!」

信長とその従者が異変に気付き叫ぶ。

ーーザッ

「?!?!?」

リアムが木からおり、信長たちの目の前にたった。

「なっ?!?!誰じゃっ!!!ーー名を申せ!!この国の人間ではないな!!」


信長と従者が刀を抜きリアムにむける。

木の上からりんごがごくりと息を飲みながらジッとその様子をみる。

「初めまして。

僕は時を司っている、時の番人というものです。」

「時じゃと?!ふざけたことをっ!!」

「戸惑われるのも無理はありません。僕らは過去を正し未来に繋げるのが役目で本来は人前にでませんから。

ーー残念ですが、あなたは本能寺で命をたつことが決まっています。」

「ーーっ?!」
何言ってんだ?リアムは

その瞬間、リアムの目がぶきみに光る。

「ーーっ!!信長様お逃げください!!こやつら信長様が狙いでーーーグハッ!!」

従者が崩れ落ち、やがて周りが血に染まっていった。
リアムの手にはヒビが入り血に染まってポタポタと血が流れ落ちる。

「ーーっっ?!」

何が起きたか理解できなかった。だが木の下からでも伝わってくる、リアムの殺気。

ーーーこれだけははっきりしてる、リアムは信長を殺す気なんだ


「何が起きたのじゃ?!?!なんなのだ?!誰の命令だ!!」

信長が一瞬で息絶えた従者の屍を見てパニックをおこす。

「ひっ!!くるな!!」

リアムがゆっくりと近づき、スッと腕を振りおろすがーーー

「ーーーーっ!!!」

リアムが目を見開き声にならない声を出し、すんでのところで動きをとめると、脅すように声を低くして言う。

「なんのつもり?」

「ーーっ!!」

ノアとレグルスもそれに気づき、驚く。

「こんなの間違ってると思ったからだよ!!」

りんごが信長をかばうように両手を広げてリアムの前に震えながら立っていた。

足は震えてはいたが、目には力強い意思を宿して見据え

「殺すなんて絶対にさせない!!!」








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