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6.搦め手で絡めて
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義朝の手が康頼の内ももにかかる。ついっと撫で上げられた康頼は息を詰めて目を閉じた。クルクルと肌の上で円を描かれ、くすぐったさに似た甘い刺激が康頼の肌を震わせる。
「っ、う」
「康頼の不安を解消し、より仲良くなれる方法は、これが一番でしょう」
笑いを含んだ義朝の声に鼓膜をくすぐられ、康頼の心臓はバクバクと激しく動いた。
「康頼」
吐息交じりの声で呼び、為明が手を伸ばす。頬に触れられてビクリとした康頼の唇が、そっと押しつぶされた。軽い音を立てて唇がついばまれ、上向かされた康頼は薄目を開けた。為明の目の奥に劣情がちらついている。自然と唇を薄く開いて、康頼は為明の舌を招いた。
「ふ……んっ、う」
丁寧に口腔を探られる。酒酔いのためか、気負いはなかった。康頼の背中は薄いが広い義朝の胸に支えられ、前方は為明におおわれている。ふたつの体温に挟まれた康頼の肌はぬくめられ、おだやかなさざ波に洗われるがごとく、寄せては返す静かな官能の波に打たれた。
「んっ、う……ふ、はふ、う」
脚の付け根を義朝の指にくすぐられ、中央の欲肉が起き上がる。もどかしい刺激が為明の口淫に増幅されて、康頼の性感は引き出された。
「ぁ、あっ」
為明の唇が胸乳に落ちて、その先を含む。舌先で転がされ愛されると、濃艶な痺れが走った。たっぷりと濡らされて吸われると、背骨を通じて下肢に快感が駆け下りる。義朝の指が下帯の上を滑り、屹立した康頼をなぞった。
「ふは、ぁ、ああ、あ」
「可憐な」
義朝がつぶやき、康頼の耳朶を噛む。
「もっと、啼かせてやろう」
硬く熟れた胸先から顔を上げた為明が、そこに指をかけてひねった。
「ひぁっ、あ、ああ」
強くされても痛くなかった。為明は乳頭を指の腹でこねたり潰したりしながら、まだ取りかかっていないほうに唇を寄せた。
「は、ふぁ、あっ、ん……っ、ああ」
(なんだ、これは)
じれじれとした刺激に、康頼はめまいを覚えた。もどかしくてたまらないのに、とてつもなく気持ちいい。胸の先は熱を持ち、すこしでも刺激が失せると存在を主張する。布越しに指の腹や爪でなぞられる陰茎は、ビクビクとよろこびに震えながら先走りをにじませた。
「ぁ、はぁ……っ、あ、あ、んぅ、ふ」
もっと――と、口にしてしまいそうで、康頼は下唇を噛んだ。気づいた義朝の指が康頼の口に入り、開かせる。
「せっかくのかわいい声を、隠すのはもったいないよ」
「恥ずかしいのか。それもまた愛らしいが、いまは思うさま啼いてくれ」
「は、ぅふ、あ、ぁう」
肌が震える。ぼんやりと浮かんでいるようで体中がおぼつかないのに、愛撫は強く味わえる。自分が自分ではなくなったようで、康頼はすがるものを求めて腕を伸ばした。
「ふっ、ぅう」
掴まれた為明が目を細め、首を伸ばして康頼の口の端を舐める。義朝の指が外れて、かわりに為明の舌が入り込んだ。
「んむっ、う、うふ……っ、ふ、ぅんっ」
両方の乳首をこねられ、口腔を犯されて、陰茎を撫でられる。そのどれもが康頼を溶かして、淫らな肌へと育てていく。白い肌は薄桃に染まり、瞳は妖しく濡れた。
「は、ふぅ……ぁ、あ」
「下帯をこんなに濡らして。ほら、為明」
「あわれなほどに震えているな」
為明の手が康頼の陰茎に伸びる。握られて、康頼は背をそらした。
「ああっ」
「ひと擦りするだけで、達してしまいそうだな」
「どうしようか、為明。先に、出させてあげる?」
胸をあえがせる康頼は、朦朧とした意識で脚を広げた。
「おや」
「なんだ。出したいとねだっているのか」
艶めいた笑いが康頼を包む。
「それでは」
「望むとおりにしてやろう」
義朝が下帯をはがすと、為明は現れたものを口に含んだ。
「は、ぁああっ」
あたたかな口内に陰茎を包まれて、康頼は鼻にかかった嬌声を漏らした。
「ふふ……為明に魔羅を吸われるの、気持ちいいみたいだねぇ」
「あっ、あ……吸わ……れ?」
「そう。ほら」
うながされて見下ろした康頼は、腰のあたりで揺れる赤い髪を見た。ヒッと息を呑んで為明の頭を押しのける。
「な、なりませぬ……っ、こんなっ、あ、ああっ」
「恥ずかしがることはないよ。為明はこれほど君を愛おしいと思っていると、体現しているだけなんだから」
「んんっ、なれど……っ、これでは、あっ、あ」
「君の精を、為明に呑ませればいい」
「そんなっ、なりませぬっ、あ、は、はぁううっ」
強く吸われて、康頼はあっけなく果てた。筒内のものまで吸い上げた為明が顔を上げると、康頼はボロボロと涙を流す。
「これで二度目だ。気に病むな」
「おや。経験済みだったのか。ほら、康頼。なにも泣かなくともいいでしょう。こういうことは、気持ちがよかったのなら、それでいいんだから」
「っ、しかし……こんな……このような」
「そんなに悔やむのであれば、君も為明にすればいいのでは?」
「えっ」
「ねえ、為明」
「ん、そうだな。してくれるか、康頼」
言いながら前をくつろげた為明が、隆々とそびえる己を星明りにさらした。立派な短槍の姿に、康頼はゴクリと喉を鳴らす。
「さあ、康頼。急所をああして見せて、触れてもいいと言っているんだよ。それだけ信用をされていると、受け取れないかな」
「そ、れは」
「手を伸ばして、口に含んで、心地よくしてあげないと」
トンと背中を押されて、康頼は為明の腹に倒れ込んだ。体を起こして見上げれば、為明の視線にやさしく抱きしめられる。求められているのだと直感した康頼は、胸の奥があたたかくなった。
(この方を、心地よくしてさしあげたい)
自分が味わったものを返したい。
康頼はおそるおそる為明の陰茎に手を伸ばし、下生えをまさぐって根元をつかんだ。短いうめきが為明の口から漏れる。ドキドキと胸を昂らせた康頼は、陰茎に顔を近づけてまじまじとながめた。
自分の体にもついているものなのに、まったくの別物としか見えないそれをどうすればいいのか。初日のようなしくじりはできないと、康頼は慎重に舌を伸ばして舐めてみた。
「ぅ……ん」
いきなり口の中に入れてしまうのは気が引ける。うっかり歯を立ててしまいかねない。扱いかねる貴重な短槍に手入れの油を塗るように、康頼は舌先で欲熱をなぞり続けた。
「は、ぁ……っ、康頼」
熱っぽい為明の息と、手や舌に伝わる熱さから、感じてくれているのだとわかる。もっと気持ちよくなってもらいたいと思いつつ、ここからどうすればいいのかがわからない。
(さきほど、それがしがしていただいたように)
とは思うのだが、これが口の中に入るのかと疑ってしまう。それほど為明のものは立派だった。勢いにまかせて咥え、喉を突いてしまった初夜を思い出す。
「康頼」
意識の外にあった義朝に耳元でささやかれ、康頼はビクリとした。目じりをほんのりと赤く染めた義朝に頭を撫でられ、康頼は幼子扱いされている気分になった。
「口に含みきれそうになければ、この、先端のクビレまでを口に入れて、残りは手で扱けばいいんだよ」
ほらとうながされ、康頼は従った。
「は、ぁ」
為明の熱っぽい息が、康頼の髪に落ちる。
「そうして、飴玉を味わうように舌を動かして」
そのとおりにすると、先端から奇妙な味の汁がにじみ出た。為明が感じているのだとわかって、勇気が湧いた。康頼は舌を動かし、あふれそうになる唾液と為明の先走りを吸いながら、手を動かして脈打つ幹を扱いた。
「そうそう。上手ですよ、康頼」
そう言い残して離れた義朝は、康頼の尻を隠している着物をめくった。小ぶりな尻に手を置いて開き、ささやかに咲いている菊の花に口をつける。
「んんっ!」
舌先でヒダをくすぐられ、康頼は動きを止めた。
「康頼」
続けろと為明にうながされ、康頼は下肢の刺激に堪えながら舌と口を動かした。
「ふっ、んむっ、ぅ、う」
たっぷりと舌で菊座を濡らされて、広げられる。蜜嚢を手のひらに包まれて、康頼の尻が跳ねた。かろうじて為明に歯を立てずに済んで、ホッとする。
「んっ、ん、ぅ……うっ、ふ」
もっとうまく為明を高められればと望みつつ、奥まで呑めない康頼は擦る手をはやめた。
「は、ん……いいぞ、康頼」
ほめられて、ますます励む康頼の菊座から義朝の舌が放れ、かわりに指が押し込まれた。
「んぅうっ、う……っ、は、ああ」
思わず顔を離した康頼の顎が、為明に掴まれる。噛みつくように口づけられて、康頼は為明の首にすがった。
「うっ、んう……ふっ、んううっ、う」
腰を引き寄せられた康頼の尻から義朝の指が抜ける。義朝は為明の陰茎を握ると、その先を康頼の秘孔にあてがった。康頼の尻を支えて深く刺さらないよう気をつけながら、義朝は為明に手淫をほどこす。
「ふっ、んっ、ん、う……っふ」
ヒクつく秘孔の口が為明の先端に吸いついて刺激する。キュウンと奥が切なくうずいて、康頼は自分の反応におどろいた。
(それがしは、為明殿を求めておるのか)
クラクラと揺れる思考が本能を感知する。一度、そこで味わってしまった快楽は肉壁に残り、よみがえって理性を刺激した。
「うっ」
くぐもった為明の息が康頼の喉に落ちて来たと同時に、肉壁が熱に叩かれた。あふれた為明の精を義朝の指が抑えて、康頼の内部に塗りこめる。
「ふはっ、ぁ、ああ、んっ」
義朝は的確に過敏な場所を見つけ出しては、康頼をほぐしていく。為明は康頼の首に吸いつき、義朝の指で準備が整えられるのを待った。
「さあ、康頼」
うわずった義朝の声を耳に注がれた康頼の秘孔に、熱いものがふたたびあてがわれる。義朝の手が康頼の腰にかかり、引き落とされた。
「くはっ、ぁ、あぁああああ!」
貫かれ、のけぞった康頼の背中を義朝が支える。為明が腰を突き上げると、義朝の手がそれを受けて康頼を揺らした。
「んはぁあっ、あっ、は、あああううっ」
初日とは比べ物にならないほどの強い刺激に、康頼は高く甘く吠えた。媚肉と化した康頼の内側は為明の熱にすがり、吸いつき、甘えて絡む。胸の先がジンジンとして、陰茎も刺激を求めて震えている。なにもかもが心地よくて、康頼はわけがわからなくなった。
「はふっ、ぁ、ああっ、あんぅううっ」
髪を振り乱して涙を流す康頼の姿に劣情をあおられた為明は、彼を抱えて揺さぶった。
「ああ、康頼」
官能にゆがめられた為明の苦しげな表情に、ズクンと康頼の心臓が跳ねる。唇がさみしくなって、顔を寄せると深く口を吸われた。
「ふふ……夢中になって」
うれしさに目を輝かせた義朝はふたりを見つめ、着物を落としてしらじらと輝く肌を星明りにさらした。
為明は康頼の呼気を奪い、かき乱しながら激しく腰を打ちつけて己を放った。
「んぅううっ!」
口を吸われながら為明の熱の破裂を受け止めた康頼も、極まりを迎えた。余韻にひたる暇もなく押し倒されて、足を高く持ち上げられたかと思うと、すぐに熱を取り戻した為明に突かれた。
「ぁはぁああっ」
「康頼」
やさしく呼ばれて義朝の指に頬を包まれた康頼は、大きく開いた口に義朝の陰茎を入れられる。
「ぉぐっ、ふ、んむ、ぅっ、うう」
上からも下からも突かれ擦られ、康頼は目を白黒させた。義朝の指が康頼の胸の尖りにかかる。
「んふっ、ぅうっ、ぁはううっ」
内壁の刺激と胸乳への愛撫、口腔の官能に苛まれた康頼は、淫靡に肌をわななかせて強すぎる快楽に涙をこぼした。あふれた唾液を呑む余裕もなく、口の端からこぼす康頼の乱れた姿に、為明も義朝もたぎらせた獣欲を彼へと注ぐ。
「はぅうっ、ぐっ、う……けほっ、は、ぁあ」
息つく暇もなく、今度は体を反転させられ、後ろから抱きかかえられた康頼は、みたび為明に貫かれた。
「はぁうっ、んぁっ、は、はううっ」
大きく開かされた脚の間に義朝が顔を伏せ、翻弄される康頼の陰茎をしゃぶった。
「ひぁあうっ、あっ、あああっ」
刺激に締まった康頼の内壁が、為明を強く絞る。
「くっ」
うめいた為明は康頼の太ももを抱えて、激しく体を打ちつけた。
「あああっ、はんっ、は、はぁあうううっ」
支えを求めた康頼が、腕を背後に伸ばして為明の頭を引き寄せる。顔が近づき、頬を寄せると唇を求められた。
「ふっ、んむっ、う……ふぅ、んっ、んんっ」
鼻にかかった、くぐもった嬌声を漏らす康頼はグズグズに溶けた。もはや自分が、どんな体勢でいるのかも把握できなくなり、嵐にもまれる木の葉のように、ただ与えられる快感におぼれていく。
「はんっ、は、はぁうううっ、はふっ、う、あぁ……あっ、あはぁああ」
何度目かもわからぬ絶頂を迎えた康頼は、やわらかくあたたかなまなざしに包まれて意識を溶かした。
「っ、う」
「康頼の不安を解消し、より仲良くなれる方法は、これが一番でしょう」
笑いを含んだ義朝の声に鼓膜をくすぐられ、康頼の心臓はバクバクと激しく動いた。
「康頼」
吐息交じりの声で呼び、為明が手を伸ばす。頬に触れられてビクリとした康頼の唇が、そっと押しつぶされた。軽い音を立てて唇がついばまれ、上向かされた康頼は薄目を開けた。為明の目の奥に劣情がちらついている。自然と唇を薄く開いて、康頼は為明の舌を招いた。
「ふ……んっ、う」
丁寧に口腔を探られる。酒酔いのためか、気負いはなかった。康頼の背中は薄いが広い義朝の胸に支えられ、前方は為明におおわれている。ふたつの体温に挟まれた康頼の肌はぬくめられ、おだやかなさざ波に洗われるがごとく、寄せては返す静かな官能の波に打たれた。
「んっ、う……ふ、はふ、う」
脚の付け根を義朝の指にくすぐられ、中央の欲肉が起き上がる。もどかしい刺激が為明の口淫に増幅されて、康頼の性感は引き出された。
「ぁ、あっ」
為明の唇が胸乳に落ちて、その先を含む。舌先で転がされ愛されると、濃艶な痺れが走った。たっぷりと濡らされて吸われると、背骨を通じて下肢に快感が駆け下りる。義朝の指が下帯の上を滑り、屹立した康頼をなぞった。
「ふは、ぁ、ああ、あ」
「可憐な」
義朝がつぶやき、康頼の耳朶を噛む。
「もっと、啼かせてやろう」
硬く熟れた胸先から顔を上げた為明が、そこに指をかけてひねった。
「ひぁっ、あ、ああ」
強くされても痛くなかった。為明は乳頭を指の腹でこねたり潰したりしながら、まだ取りかかっていないほうに唇を寄せた。
「は、ふぁ、あっ、ん……っ、ああ」
(なんだ、これは)
じれじれとした刺激に、康頼はめまいを覚えた。もどかしくてたまらないのに、とてつもなく気持ちいい。胸の先は熱を持ち、すこしでも刺激が失せると存在を主張する。布越しに指の腹や爪でなぞられる陰茎は、ビクビクとよろこびに震えながら先走りをにじませた。
「ぁ、はぁ……っ、あ、あ、んぅ、ふ」
もっと――と、口にしてしまいそうで、康頼は下唇を噛んだ。気づいた義朝の指が康頼の口に入り、開かせる。
「せっかくのかわいい声を、隠すのはもったいないよ」
「恥ずかしいのか。それもまた愛らしいが、いまは思うさま啼いてくれ」
「は、ぅふ、あ、ぁう」
肌が震える。ぼんやりと浮かんでいるようで体中がおぼつかないのに、愛撫は強く味わえる。自分が自分ではなくなったようで、康頼はすがるものを求めて腕を伸ばした。
「ふっ、ぅう」
掴まれた為明が目を細め、首を伸ばして康頼の口の端を舐める。義朝の指が外れて、かわりに為明の舌が入り込んだ。
「んむっ、う、うふ……っ、ふ、ぅんっ」
両方の乳首をこねられ、口腔を犯されて、陰茎を撫でられる。そのどれもが康頼を溶かして、淫らな肌へと育てていく。白い肌は薄桃に染まり、瞳は妖しく濡れた。
「は、ふぅ……ぁ、あ」
「下帯をこんなに濡らして。ほら、為明」
「あわれなほどに震えているな」
為明の手が康頼の陰茎に伸びる。握られて、康頼は背をそらした。
「ああっ」
「ひと擦りするだけで、達してしまいそうだな」
「どうしようか、為明。先に、出させてあげる?」
胸をあえがせる康頼は、朦朧とした意識で脚を広げた。
「おや」
「なんだ。出したいとねだっているのか」
艶めいた笑いが康頼を包む。
「それでは」
「望むとおりにしてやろう」
義朝が下帯をはがすと、為明は現れたものを口に含んだ。
「は、ぁああっ」
あたたかな口内に陰茎を包まれて、康頼は鼻にかかった嬌声を漏らした。
「ふふ……為明に魔羅を吸われるの、気持ちいいみたいだねぇ」
「あっ、あ……吸わ……れ?」
「そう。ほら」
うながされて見下ろした康頼は、腰のあたりで揺れる赤い髪を見た。ヒッと息を呑んで為明の頭を押しのける。
「な、なりませぬ……っ、こんなっ、あ、ああっ」
「恥ずかしがることはないよ。為明はこれほど君を愛おしいと思っていると、体現しているだけなんだから」
「んんっ、なれど……っ、これでは、あっ、あ」
「君の精を、為明に呑ませればいい」
「そんなっ、なりませぬっ、あ、は、はぁううっ」
強く吸われて、康頼はあっけなく果てた。筒内のものまで吸い上げた為明が顔を上げると、康頼はボロボロと涙を流す。
「これで二度目だ。気に病むな」
「おや。経験済みだったのか。ほら、康頼。なにも泣かなくともいいでしょう。こういうことは、気持ちがよかったのなら、それでいいんだから」
「っ、しかし……こんな……このような」
「そんなに悔やむのであれば、君も為明にすればいいのでは?」
「えっ」
「ねえ、為明」
「ん、そうだな。してくれるか、康頼」
言いながら前をくつろげた為明が、隆々とそびえる己を星明りにさらした。立派な短槍の姿に、康頼はゴクリと喉を鳴らす。
「さあ、康頼。急所をああして見せて、触れてもいいと言っているんだよ。それだけ信用をされていると、受け取れないかな」
「そ、れは」
「手を伸ばして、口に含んで、心地よくしてあげないと」
トンと背中を押されて、康頼は為明の腹に倒れ込んだ。体を起こして見上げれば、為明の視線にやさしく抱きしめられる。求められているのだと直感した康頼は、胸の奥があたたかくなった。
(この方を、心地よくしてさしあげたい)
自分が味わったものを返したい。
康頼はおそるおそる為明の陰茎に手を伸ばし、下生えをまさぐって根元をつかんだ。短いうめきが為明の口から漏れる。ドキドキと胸を昂らせた康頼は、陰茎に顔を近づけてまじまじとながめた。
自分の体にもついているものなのに、まったくの別物としか見えないそれをどうすればいいのか。初日のようなしくじりはできないと、康頼は慎重に舌を伸ばして舐めてみた。
「ぅ……ん」
いきなり口の中に入れてしまうのは気が引ける。うっかり歯を立ててしまいかねない。扱いかねる貴重な短槍に手入れの油を塗るように、康頼は舌先で欲熱をなぞり続けた。
「は、ぁ……っ、康頼」
熱っぽい為明の息と、手や舌に伝わる熱さから、感じてくれているのだとわかる。もっと気持ちよくなってもらいたいと思いつつ、ここからどうすればいいのかがわからない。
(さきほど、それがしがしていただいたように)
とは思うのだが、これが口の中に入るのかと疑ってしまう。それほど為明のものは立派だった。勢いにまかせて咥え、喉を突いてしまった初夜を思い出す。
「康頼」
意識の外にあった義朝に耳元でささやかれ、康頼はビクリとした。目じりをほんのりと赤く染めた義朝に頭を撫でられ、康頼は幼子扱いされている気分になった。
「口に含みきれそうになければ、この、先端のクビレまでを口に入れて、残りは手で扱けばいいんだよ」
ほらとうながされ、康頼は従った。
「は、ぁ」
為明の熱っぽい息が、康頼の髪に落ちる。
「そうして、飴玉を味わうように舌を動かして」
そのとおりにすると、先端から奇妙な味の汁がにじみ出た。為明が感じているのだとわかって、勇気が湧いた。康頼は舌を動かし、あふれそうになる唾液と為明の先走りを吸いながら、手を動かして脈打つ幹を扱いた。
「そうそう。上手ですよ、康頼」
そう言い残して離れた義朝は、康頼の尻を隠している着物をめくった。小ぶりな尻に手を置いて開き、ささやかに咲いている菊の花に口をつける。
「んんっ!」
舌先でヒダをくすぐられ、康頼は動きを止めた。
「康頼」
続けろと為明にうながされ、康頼は下肢の刺激に堪えながら舌と口を動かした。
「ふっ、んむっ、ぅ、う」
たっぷりと舌で菊座を濡らされて、広げられる。蜜嚢を手のひらに包まれて、康頼の尻が跳ねた。かろうじて為明に歯を立てずに済んで、ホッとする。
「んっ、ん、ぅ……うっ、ふ」
もっとうまく為明を高められればと望みつつ、奥まで呑めない康頼は擦る手をはやめた。
「は、ん……いいぞ、康頼」
ほめられて、ますます励む康頼の菊座から義朝の舌が放れ、かわりに指が押し込まれた。
「んぅうっ、う……っ、は、ああ」
思わず顔を離した康頼の顎が、為明に掴まれる。噛みつくように口づけられて、康頼は為明の首にすがった。
「うっ、んう……ふっ、んううっ、う」
腰を引き寄せられた康頼の尻から義朝の指が抜ける。義朝は為明の陰茎を握ると、その先を康頼の秘孔にあてがった。康頼の尻を支えて深く刺さらないよう気をつけながら、義朝は為明に手淫をほどこす。
「ふっ、んっ、ん、う……っふ」
ヒクつく秘孔の口が為明の先端に吸いついて刺激する。キュウンと奥が切なくうずいて、康頼は自分の反応におどろいた。
(それがしは、為明殿を求めておるのか)
クラクラと揺れる思考が本能を感知する。一度、そこで味わってしまった快楽は肉壁に残り、よみがえって理性を刺激した。
「うっ」
くぐもった為明の息が康頼の喉に落ちて来たと同時に、肉壁が熱に叩かれた。あふれた為明の精を義朝の指が抑えて、康頼の内部に塗りこめる。
「ふはっ、ぁ、ああ、んっ」
義朝は的確に過敏な場所を見つけ出しては、康頼をほぐしていく。為明は康頼の首に吸いつき、義朝の指で準備が整えられるのを待った。
「さあ、康頼」
うわずった義朝の声を耳に注がれた康頼の秘孔に、熱いものがふたたびあてがわれる。義朝の手が康頼の腰にかかり、引き落とされた。
「くはっ、ぁ、あぁああああ!」
貫かれ、のけぞった康頼の背中を義朝が支える。為明が腰を突き上げると、義朝の手がそれを受けて康頼を揺らした。
「んはぁあっ、あっ、は、あああううっ」
初日とは比べ物にならないほどの強い刺激に、康頼は高く甘く吠えた。媚肉と化した康頼の内側は為明の熱にすがり、吸いつき、甘えて絡む。胸の先がジンジンとして、陰茎も刺激を求めて震えている。なにもかもが心地よくて、康頼はわけがわからなくなった。
「はふっ、ぁ、ああっ、あんぅううっ」
髪を振り乱して涙を流す康頼の姿に劣情をあおられた為明は、彼を抱えて揺さぶった。
「ああ、康頼」
官能にゆがめられた為明の苦しげな表情に、ズクンと康頼の心臓が跳ねる。唇がさみしくなって、顔を寄せると深く口を吸われた。
「ふふ……夢中になって」
うれしさに目を輝かせた義朝はふたりを見つめ、着物を落としてしらじらと輝く肌を星明りにさらした。
為明は康頼の呼気を奪い、かき乱しながら激しく腰を打ちつけて己を放った。
「んぅううっ!」
口を吸われながら為明の熱の破裂を受け止めた康頼も、極まりを迎えた。余韻にひたる暇もなく押し倒されて、足を高く持ち上げられたかと思うと、すぐに熱を取り戻した為明に突かれた。
「ぁはぁああっ」
「康頼」
やさしく呼ばれて義朝の指に頬を包まれた康頼は、大きく開いた口に義朝の陰茎を入れられる。
「ぉぐっ、ふ、んむ、ぅっ、うう」
上からも下からも突かれ擦られ、康頼は目を白黒させた。義朝の指が康頼の胸の尖りにかかる。
「んふっ、ぅうっ、ぁはううっ」
内壁の刺激と胸乳への愛撫、口腔の官能に苛まれた康頼は、淫靡に肌をわななかせて強すぎる快楽に涙をこぼした。あふれた唾液を呑む余裕もなく、口の端からこぼす康頼の乱れた姿に、為明も義朝もたぎらせた獣欲を彼へと注ぐ。
「はぅうっ、ぐっ、う……けほっ、は、ぁあ」
息つく暇もなく、今度は体を反転させられ、後ろから抱きかかえられた康頼は、みたび為明に貫かれた。
「はぁうっ、んぁっ、は、はううっ」
大きく開かされた脚の間に義朝が顔を伏せ、翻弄される康頼の陰茎をしゃぶった。
「ひぁあうっ、あっ、あああっ」
刺激に締まった康頼の内壁が、為明を強く絞る。
「くっ」
うめいた為明は康頼の太ももを抱えて、激しく体を打ちつけた。
「あああっ、はんっ、は、はぁあうううっ」
支えを求めた康頼が、腕を背後に伸ばして為明の頭を引き寄せる。顔が近づき、頬を寄せると唇を求められた。
「ふっ、んむっ、う……ふぅ、んっ、んんっ」
鼻にかかった、くぐもった嬌声を漏らす康頼はグズグズに溶けた。もはや自分が、どんな体勢でいるのかも把握できなくなり、嵐にもまれる木の葉のように、ただ与えられる快感におぼれていく。
「はんっ、は、はぁうううっ、はふっ、う、あぁ……あっ、あはぁああ」
何度目かもわからぬ絶頂を迎えた康頼は、やわらかくあたたかなまなざしに包まれて意識を溶かした。
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