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9・令嬢殿下のカッパー級
第25話 波乱の狐狩りだが、波乱になる前に潰す
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僕は一応、この世界の教養の一つとして乗馬はできる。
何せ、一般的な乗り物といえば馬か荷馬車なのだ。
馬に乗れないと、色々不便なことになる。
では、なぜ僕が乗馬の話をしているのかと言うと……。
ここに乗馬を覚えてこなかったために、僕の後ろにしがみついて「ひぃぃぃぃ」とか言っているハーフエルフがいるんだな。
「なんでリップル、乗馬を覚えなかったの」
「わた、私は馬車派だったんだあ」
「英雄パーティは君を甘やかしていたんだなあ」
「そりゃあ、私は姫のように扱われて……」
「姫というか英雄パーティの主砲だろう。主砲は大切だもんな」
「言っている意味は分からないが褒められていないことだけは分かるぞう」
「というかリップル、僕にしがみついてて使い物になるのか」
「私はそれなりのモンスターなら無詠唱の魔法で殲滅できるから問題ない……ううう、馬の上怖い」
僕らの他にも、騎士団長パリスンの周囲に強そうな騎士が数名いる。
彼らで令嬢ソフィエラを囲んでいるわけだが……。
僕らの護衛、必要だった?
騎士の一人が心配そうに近づいてきて「大丈夫ですか? 一休みされますか?」とかリップルに優しい言葉をかけている。
良く見たら女性騎士ではないか。
「ああ、彼女は馬上で腰が引けているだけで、いざ事が起こればきちんと仕事をしますので大丈夫です!」
「そ、そうですか! 私、実はリップル様を尊敬しておりまして。女性にして英雄パーティ最強の魔法使いとして活躍された逸話の数々……! ずっと憧れておりました……」
「ひええええ、やめてえええ」
リップルの厨二病時代を語っているようなものなんだな。
女性騎士はアップルと名乗り、「私の名前はリップル様にあやかって母がつけたんです!」とまで言ってくる。
人生かけてリップルのフォロワーをしている人じゃん!
これを聞いて、リップルが僕の後ろでもだもだと身悶えた。
この安楽椅子冒険者、やはりギルドの隅っこで椅子に根っこを生やさせていてはいけない人材なのでは?
だがそれをやると、僕まで表舞台に引きずり出されて来そうだ。
ともにギルドの片隅でひっそり暮らそうではないか。
そうこうしている間にも、ソフィエラお嬢様は自慢のコンポジットボウをびゅんびゅん唸らせている。
彼女がちょうど使えるサイズに調整されており、弦の張りは同年代の女の子では引くことすらできないだろう。
だが、それをこのお嬢様は自在に引いてみせる。
さすがは騎士団長の娘だ。
ご令嬢というか、絶対に彼女は女騎士団長を目指している。
「ああ、惜しい! 狐は本当にすばしっこいわ!」
射撃の時は、さすがに馬を止めるから、狐が逃げ出すと追いかけるのも大変だ。
「うむ、ソフィエラ。お前ではまだ、走る狐を仕留めるのは難しかろう。狐は駈けながら逃げる。であれば、その行き先を予測して矢を射るのだ。このように!!」
馬を走らせながら矢を放ったぞ。
男爵の矢は風を引き裂きながら進み、疾走する狐は矢が落ちてくる場所に自ら飛び込む形になった。
見事に矢を突き立てられ、断末魔とともに狐が転がった。
「お見事!」「お見事です団長!」「流石……!」
「お父様凄い! やっぱりお父様には勝てないわね! 私もまだまだ訓練しなくては!」
「やあ、すごいすごい」
僕も拍手をして称えておいた。
雇い主の父親だしね。
そんな僕の腰の辺りを、リップルがこちょこちょした。
「うわあくすぐったい。なんだなんだ」
「私は無詠唱でサーチリスクフィールドを張っていたんだが」
「いつの間に……」
「近づいている連中がいる。目には見えないから、屋外での奇襲に長けた相手だと思うよ。任せた」
リップルから、いきなりの爆弾みたいな情報がもたらされた。
平和だとばかり思っていたのに……。
ソフィエラお嬢さんが僕らを雇ったのは正解だったということだ。
ひとまず僕は、馬から降りて狐を取り上げ、談笑している騎士団長と騎士とお嬢様の周囲に油を敷く。
薄く広く……。
目には見えない相手だろうが、この油を踏めばただでは済まない。
「!?」
ずるっと滑った気配がある。
撒いた油の一部が欠けて……いや、何かが上に覆いかぶさっている。
必死に滑らないように堪えているが……。
「襲撃者か。じゃあやっつけてしまおう」
僕は馬を進ませた。
「あら、ナザル、どこへ行くの?」
ソフィエラ嬢は気付いて声を掛けてくるのだが、僕が応じる余裕はない。
何せ、油の上に点在する気配は複数。
騎士たちに気づかれぬよう、ここまで近寄ったんだ。
手練れですよこれはー。
「ちっ」
舌打ちする声が聞こえて、草原にしか見えない場所から突き出るものがあった。
吹き矢だ。
黒く光る物が僕を目掛けて飛んでくる。
だが、吹き矢というものは軽いのだ。
例えば、それが油をたっぷり纏ってしまえば、狙った軌道を描かなくなる。
僕が周囲に噴出していた、油の霧が、吹き矢を防いだ。
勢いを失い、落ちていく。
それと同時に、僕は居場所の知れた襲撃者に攻撃を仕掛けていた。
「がばばばば」「ごぼぼぼー」「うぐばばば」
油で溺れてしまったねえ……!
彼らが伏せていたから、対処は実に楽だった。
仰向けになっていればまだ状況は変わっていたのだが。
顔をかきむしりながら暴れる襲撃者たち。
流石に騎士も気付いた。
こちらに駆け寄ってくる。
僕は足元に撒いた油を、さっと魔力に戻した。
「曲者ーっ!!」
剣を抜き、騎士たちが襲撃者に飛びかかる!
真っ当なやりあいなら勝負にはならない。
襲撃者は油で窒息していたことと、カモフラージュのための装備が動きを阻害したことで、騎士の攻撃を避けられなかった。
次々に斬り伏せられて倒れていく。
僕のすぐ横に、フォーエイブル男爵のパリスン卿が馬を進めてきた。
「なるほど……。私も気づかぬほどの手練れを、こうも容易く……。げに恐ろしきはギフト持ちよ。だが今は感謝しよう。娘が人を見る目は確かだな」
ちょっと嬉しそうだ。
ソフィエラ令嬢、確かに人選は間違いなかったからね。
だから男爵、僕が使った力について詳しく聞き出そうとするのはやめていただきたい!
この人、相手が強いと攻略したくて仕方なくなるんじゃないのか……?
何せ、一般的な乗り物といえば馬か荷馬車なのだ。
馬に乗れないと、色々不便なことになる。
では、なぜ僕が乗馬の話をしているのかと言うと……。
ここに乗馬を覚えてこなかったために、僕の後ろにしがみついて「ひぃぃぃぃ」とか言っているハーフエルフがいるんだな。
「なんでリップル、乗馬を覚えなかったの」
「わた、私は馬車派だったんだあ」
「英雄パーティは君を甘やかしていたんだなあ」
「そりゃあ、私は姫のように扱われて……」
「姫というか英雄パーティの主砲だろう。主砲は大切だもんな」
「言っている意味は分からないが褒められていないことだけは分かるぞう」
「というかリップル、僕にしがみついてて使い物になるのか」
「私はそれなりのモンスターなら無詠唱の魔法で殲滅できるから問題ない……ううう、馬の上怖い」
僕らの他にも、騎士団長パリスンの周囲に強そうな騎士が数名いる。
彼らで令嬢ソフィエラを囲んでいるわけだが……。
僕らの護衛、必要だった?
騎士の一人が心配そうに近づいてきて「大丈夫ですか? 一休みされますか?」とかリップルに優しい言葉をかけている。
良く見たら女性騎士ではないか。
「ああ、彼女は馬上で腰が引けているだけで、いざ事が起こればきちんと仕事をしますので大丈夫です!」
「そ、そうですか! 私、実はリップル様を尊敬しておりまして。女性にして英雄パーティ最強の魔法使いとして活躍された逸話の数々……! ずっと憧れておりました……」
「ひええええ、やめてえええ」
リップルの厨二病時代を語っているようなものなんだな。
女性騎士はアップルと名乗り、「私の名前はリップル様にあやかって母がつけたんです!」とまで言ってくる。
人生かけてリップルのフォロワーをしている人じゃん!
これを聞いて、リップルが僕の後ろでもだもだと身悶えた。
この安楽椅子冒険者、やはりギルドの隅っこで椅子に根っこを生やさせていてはいけない人材なのでは?
だがそれをやると、僕まで表舞台に引きずり出されて来そうだ。
ともにギルドの片隅でひっそり暮らそうではないか。
そうこうしている間にも、ソフィエラお嬢様は自慢のコンポジットボウをびゅんびゅん唸らせている。
彼女がちょうど使えるサイズに調整されており、弦の張りは同年代の女の子では引くことすらできないだろう。
だが、それをこのお嬢様は自在に引いてみせる。
さすがは騎士団長の娘だ。
ご令嬢というか、絶対に彼女は女騎士団長を目指している。
「ああ、惜しい! 狐は本当にすばしっこいわ!」
射撃の時は、さすがに馬を止めるから、狐が逃げ出すと追いかけるのも大変だ。
「うむ、ソフィエラ。お前ではまだ、走る狐を仕留めるのは難しかろう。狐は駈けながら逃げる。であれば、その行き先を予測して矢を射るのだ。このように!!」
馬を走らせながら矢を放ったぞ。
男爵の矢は風を引き裂きながら進み、疾走する狐は矢が落ちてくる場所に自ら飛び込む形になった。
見事に矢を突き立てられ、断末魔とともに狐が転がった。
「お見事!」「お見事です団長!」「流石……!」
「お父様凄い! やっぱりお父様には勝てないわね! 私もまだまだ訓練しなくては!」
「やあ、すごいすごい」
僕も拍手をして称えておいた。
雇い主の父親だしね。
そんな僕の腰の辺りを、リップルがこちょこちょした。
「うわあくすぐったい。なんだなんだ」
「私は無詠唱でサーチリスクフィールドを張っていたんだが」
「いつの間に……」
「近づいている連中がいる。目には見えないから、屋外での奇襲に長けた相手だと思うよ。任せた」
リップルから、いきなりの爆弾みたいな情報がもたらされた。
平和だとばかり思っていたのに……。
ソフィエラお嬢さんが僕らを雇ったのは正解だったということだ。
ひとまず僕は、馬から降りて狐を取り上げ、談笑している騎士団長と騎士とお嬢様の周囲に油を敷く。
薄く広く……。
目には見えない相手だろうが、この油を踏めばただでは済まない。
「!?」
ずるっと滑った気配がある。
撒いた油の一部が欠けて……いや、何かが上に覆いかぶさっている。
必死に滑らないように堪えているが……。
「襲撃者か。じゃあやっつけてしまおう」
僕は馬を進ませた。
「あら、ナザル、どこへ行くの?」
ソフィエラ嬢は気付いて声を掛けてくるのだが、僕が応じる余裕はない。
何せ、油の上に点在する気配は複数。
騎士たちに気づかれぬよう、ここまで近寄ったんだ。
手練れですよこれはー。
「ちっ」
舌打ちする声が聞こえて、草原にしか見えない場所から突き出るものがあった。
吹き矢だ。
黒く光る物が僕を目掛けて飛んでくる。
だが、吹き矢というものは軽いのだ。
例えば、それが油をたっぷり纏ってしまえば、狙った軌道を描かなくなる。
僕が周囲に噴出していた、油の霧が、吹き矢を防いだ。
勢いを失い、落ちていく。
それと同時に、僕は居場所の知れた襲撃者に攻撃を仕掛けていた。
「がばばばば」「ごぼぼぼー」「うぐばばば」
油で溺れてしまったねえ……!
彼らが伏せていたから、対処は実に楽だった。
仰向けになっていればまだ状況は変わっていたのだが。
顔をかきむしりながら暴れる襲撃者たち。
流石に騎士も気付いた。
こちらに駆け寄ってくる。
僕は足元に撒いた油を、さっと魔力に戻した。
「曲者ーっ!!」
剣を抜き、騎士たちが襲撃者に飛びかかる!
真っ当なやりあいなら勝負にはならない。
襲撃者は油で窒息していたことと、カモフラージュのための装備が動きを阻害したことで、騎士の攻撃を避けられなかった。
次々に斬り伏せられて倒れていく。
僕のすぐ横に、フォーエイブル男爵のパリスン卿が馬を進めてきた。
「なるほど……。私も気づかぬほどの手練れを、こうも容易く……。げに恐ろしきはギフト持ちよ。だが今は感謝しよう。娘が人を見る目は確かだな」
ちょっと嬉しそうだ。
ソフィエラ令嬢、確かに人選は間違いなかったからね。
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