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3話 孤独の共有
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ローランド王国にあるセントラルアカデミーは誰
もが学べる由緒ある学校だった。
ここでは主に魔法科、剣術科、薬草学科、一般科
などに分かれている。
聖女であるセシリアを含め、恋の攻略対象者は、
皆魔法科へと入っている。
ルイスは第一王子のジェイムスが魔法科にいる事
もあり、あえて薬草学科へと進んだ。
薬の研究という名目で毒薬の開発を進めている。
これを使って長男を蹴落とし第一王子の座に就こ
うと企てる事となる。
それが失敗して最後は斬首刑になるのだが、それ
は今から三年後の事だった。
「冗談じゃない。絶対にセシリアの邪魔はしない
し攻略対象とも接しないようにしないとな…」
「浮かない顔ですね?ルイス王子、どうしたん
ですか?」
「ひゃっ!……えーっとケント?うん、別に平気
だけど?」
後ろから来たのはケント・イスラット。
ルイスの唯一の親友だ。
悪巧みをする悪友ともいう。
一緒にセシリアをはめたり、兄のジェイムスとの
仲を掻き回したりもする仲間だった。
あわよくば、セシリアと一緒にという淡い期待を
持っている男だ。
いつも丁寧な言葉の裏側では何を考えているのか
全く読めない男だった。
これも攻略対象の一人だった。
「そうですか?いつもに増して悩んでいるように
見えますが?まぁ、いいです。聞きましたか、
ルイス王子の兄君の話」
「ジェイムス兄さんの?」
「はい、下級生に絡まれていた女性を助けてから、
デートに誘ったそうですよ?」
「それって……セシリア・リズベット?」
「なぜ、知ってるんですか?」
「いや、それなら気にしなくていいよ。僕は彼女
には幸せになって欲しいから」
そう、彼女が幸せなら、モブの自分も死ななくて
いいのだから…。
だが、何か忘れているような……?
大事なことを忘れている気がするのだが、思い出
せない。
「僕は授業があるから行くよ。ケントも自分の教
室に行った方がいいんじゃない?それと…ここ
ではただのルイスって呼んでよ」
「……」
ルイスはそのまま薬草学科の授業へと向かった。
授業は専門学以外は共通の教室で行われる。
歴史や、外国語、基礎魔法など、特化したもの以外
は一緒の授業を受ける。
だが、週の初めだけは、専門を中心的に学ぶ。
ルイスも魔力があるので兄と同じ魔法科へと進めば
よかったのだが、セシリアと関わるのを避ける為に
わざとギリギリで変えたのだった。
授業が終わると、中庭のベンチに腰掛けて空を眺め
る。
「平和だな……」
空はいつも真っ青で平和だった。
たまに小鳥の囀りがして、自然の中にいるようで落
ち着く。
「ルイスくん!」
「うわぁっ!えっ……セシリア、どうしてここに?」
「窓から見えたから来ちゃった。入学式の時はあり
がとう」
「あぁ、それなら気にしなくていいよ。」
立ち上がると、帰ろうとする。
が、そこにセシリアが腕を掴んで離さなかった。
「待って!お礼がしたいの!」
「別にいいって。ここには慣れた?」
「う………うん。大丈夫だよ」
セシリアは身分の高い第一王子の側にいるせいで
他の生徒達から腫れ物扱いされているはずだった。
だからいつも一人なのだ。
「一人が辛かったら、ここにくればいいよ。僕も
そうだから」
「ルイスくん……うん、ありがと」
笑顔が可愛いのはやっぱり主人公補正なのだろう。
もが学べる由緒ある学校だった。
ここでは主に魔法科、剣術科、薬草学科、一般科
などに分かれている。
聖女であるセシリアを含め、恋の攻略対象者は、
皆魔法科へと入っている。
ルイスは第一王子のジェイムスが魔法科にいる事
もあり、あえて薬草学科へと進んだ。
薬の研究という名目で毒薬の開発を進めている。
これを使って長男を蹴落とし第一王子の座に就こ
うと企てる事となる。
それが失敗して最後は斬首刑になるのだが、それ
は今から三年後の事だった。
「冗談じゃない。絶対にセシリアの邪魔はしない
し攻略対象とも接しないようにしないとな…」
「浮かない顔ですね?ルイス王子、どうしたん
ですか?」
「ひゃっ!……えーっとケント?うん、別に平気
だけど?」
後ろから来たのはケント・イスラット。
ルイスの唯一の親友だ。
悪巧みをする悪友ともいう。
一緒にセシリアをはめたり、兄のジェイムスとの
仲を掻き回したりもする仲間だった。
あわよくば、セシリアと一緒にという淡い期待を
持っている男だ。
いつも丁寧な言葉の裏側では何を考えているのか
全く読めない男だった。
これも攻略対象の一人だった。
「そうですか?いつもに増して悩んでいるように
見えますが?まぁ、いいです。聞きましたか、
ルイス王子の兄君の話」
「ジェイムス兄さんの?」
「はい、下級生に絡まれていた女性を助けてから、
デートに誘ったそうですよ?」
「それって……セシリア・リズベット?」
「なぜ、知ってるんですか?」
「いや、それなら気にしなくていいよ。僕は彼女
には幸せになって欲しいから」
そう、彼女が幸せなら、モブの自分も死ななくて
いいのだから…。
だが、何か忘れているような……?
大事なことを忘れている気がするのだが、思い出
せない。
「僕は授業があるから行くよ。ケントも自分の教
室に行った方がいいんじゃない?それと…ここ
ではただのルイスって呼んでよ」
「……」
ルイスはそのまま薬草学科の授業へと向かった。
授業は専門学以外は共通の教室で行われる。
歴史や、外国語、基礎魔法など、特化したもの以外
は一緒の授業を受ける。
だが、週の初めだけは、専門を中心的に学ぶ。
ルイスも魔力があるので兄と同じ魔法科へと進めば
よかったのだが、セシリアと関わるのを避ける為に
わざとギリギリで変えたのだった。
授業が終わると、中庭のベンチに腰掛けて空を眺め
る。
「平和だな……」
空はいつも真っ青で平和だった。
たまに小鳥の囀りがして、自然の中にいるようで落
ち着く。
「ルイスくん!」
「うわぁっ!えっ……セシリア、どうしてここに?」
「窓から見えたから来ちゃった。入学式の時はあり
がとう」
「あぁ、それなら気にしなくていいよ。」
立ち上がると、帰ろうとする。
が、そこにセシリアが腕を掴んで離さなかった。
「待って!お礼がしたいの!」
「別にいいって。ここには慣れた?」
「う………うん。大丈夫だよ」
セシリアは身分の高い第一王子の側にいるせいで
他の生徒達から腫れ物扱いされているはずだった。
だからいつも一人なのだ。
「一人が辛かったら、ここにくればいいよ。僕も
そうだから」
「ルイスくん……うん、ありがと」
笑顔が可愛いのはやっぱり主人公補正なのだろう。
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