第二王子に転生したら、当て馬キャラだった。

秋元智也

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覚醒編

24話 仲良くして

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事ある事に、絡んでくるようになったアスラに、
セシリアも一緒になって話すようになっていた。

「それでね~、この授業はね~」

「へ~、面白い事するんだな~。それってルイス
 はいないのか?」

「うん、魔法科はね。ルイスくんは薬草学科を選
 んでるから~それに魔力もそれほど多くないっ
 て言ってたっけ?」

「うんうん。そうなんだ~。セシリアちゃんは実
 力的にはどうなの?知りたいなぁ~」

「私はそんなに上手く使えないからな~、ちょっ
 と見てて」

アスラの前で杖を構えると杖の先端に魔力を集め
た。

氷の柱を作るとゆっくりと硬くしていく。
そのまま前へと飛ばした。

そばにあった木にめり込むと、溶け出して消えた。

残ったのは木の中央に刺さった穴が空いたくらい
だった。

「へ~、これってもっと早く出せる?」

「これでも精一杯だよ~」

「セシリアちゃんすごいよ。でも、もっと早く出
 せたらもっといいよね」

そういうと、セシリアの杖を借りると、その場に
細いながらも、小さな氷の塊を作ると木に向かっ
て放ったのだった。

一気に木を貫通すると、奥の壁にめり込んでい
た。

「すごーい、今のって……」

「これが実践で使えるギリギリの速さね。もっと
 頑張らないとだね~」

アスラの実力はかなり上だった。
セシリアとの会話が終わった頃に、ルイスがひょ
っこり現れたのだった。

「アスラのが実践で使われれば、かなり攻撃力が
 あるだろうね?でも、実際は動きながら打つこ
 とが多くなるなら、魔法師ってのは剣も握れる
 方がいいと思われてるんだ。ジェイムス兄さん
 のようにね」

「それで、ジェイムスくんは剣も学んでるんだね」

「そうだね、兄さんは何でも出来るから…僕には
 ちょっとね……」

セシリアに話すルイスに、アスラは興味深そうに
している。

「何か?」

「いんや。この前の爆発の薬品どうやって作って
 るのかなってね」

「あぁ、あれか……。そう難しくもないよ。だっ
 てその辺にある鉱石と薬草で出来るんだもん」

回復ポーションよりも結構楽に出来てしまった。

これには予備的知識があるせいだろう。

「そういえばルイスくんは迷宮へと潜るってほ
 んとなの?」

「うん、ちょっと行きたい場所があって…」

「それって私も行っちゃダメ?足手纏いにはなら
 ないからさ~」

セシリアは確かに強くはなったし、魔法も安定し
てきていた。
だが、危険度は結構ある場所に、はたして連れて
行っていいものだろうか?

主人公だった時は聖女としての力があったので、
よかった。
が、今はその力を持ったのはルイスに他ならない。

「やっぱり危険だから…」

「なら、俺が一緒に行ってやるよ。実力は折り紙
 付きだぜ?」

「なら、兄さんに相談してみるよ」

苦笑いを浮かべると、話をはぐらかした。
すると後ろから声がかかった。

「その必要はない。ルイスには俺がついているか
 ら問題ない」

「そんな事言ってもいいのか?実力なら、俺のが
 上だぞ?」

「あの時引き下がったくせに…」

ダンジョン内ですぐに降参した。
それはルイスの作るものがどれほどのものか分か
らなかったからだった。

実際目の当たりにすると、それは怖いくらいに
威力のあるモノだった。
もし、それが自分に向けられることがあったら
と思うと、すぐに降参してみせたのだった。
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