第二王子に転生したら、当て馬キャラだった。

秋元智也

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聖剣と聖女と聖木と

4話 スケルトンの群れ

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ガシャガシャと音が止むまで二時間もの間、戦い
続けたのだった。

「はぁ~やっと終わったぁ~」

「もう、どれだけいるのよ~」

アスラに続いてセシリアも愚痴を漏らした。

「さぁ、少し休憩して先に進むぞ」

ハイド先生はいたって冷静にしている。

もちろんルイスも平気ではない。
みんなほど体力がない分、すぐにばててしまう。

気力ポーションと回復ポーションをどちらも用意
しておいてよかったと思う。

「これ、みんなも飲んで」

「これは?」

「黙って飲め。それ以上聞くなっ!」

聞こうとしたアスラに、ジェイムスは即座に話を
打ち切ったのだった。
ルイスの作ったポーションを手に取ると皆、すぐ
に飲み干したのだった。

「これは……どうやって作ったか、ここを出たら
 聞いてもいいか?」

興味深々になっていたのはハイド先生だった。
苦笑いのルイスをジェイムスは自分の方に引き寄
せると、それ以上の質問を良しとしなかった。

「先に進むぞ」

「おっけ~」

さっきまで愚痴っていたアスラもすぐに賛同した。
大きな部屋に差し掛かると、ハイド先生がみんな
を静止した。

「ここはさっきまでとは違う。心していかなけれ
 ばならないぞ」

「ボス部屋だろ?分かってるって」

「覚悟はできてます」

アスラにセシリアが賛同すると、後ろにいたルイ
スを見る。
ルイスが頷き、ジェイムスが前にある扉へと手を
かけたのだった。

少し触れただけで、勝手に中へと開いていく。

全員が入ると勝手に扉は閉じて、いきなりサイドに
あった松明に火が灯った。

「警戒っ!しっかり周りを見なさいっ!」

ハイドの言葉に全員が周りを凝視した。

ルイスだけは知っている。
この部屋はリッチが出ることを。

そして、最初は全員に金縛りのようなデバフがか
かり、それを解除するのが遅いと全滅してしまう。

「さっき渡したポーションを飲んでっ!早く」

ルイスの声に全員が状態異常ポーションを服用す
る。

すうっと落ち着くと身体の周りを光が覆う。
すると黒いモヤが弾かれるように1箇所に集中し
ていったのだった。

そこにはボロボロの布に包まれた一体のアンデッ
ドが現れたのだった。

「アンデッド?」

「違うっ!あれはリッチだ!油断するなっ!状態
 異常がかかる前に畳み掛けるぞ!」

ハイドの声に、一斉に魔法が飛び交う。
そのうちに接近戦が得意な二人が前に飛び出す。

ルイスのやれる事といえば、常に状態異常スキル
を使おうとするのを妨害する事だった。

リッチの動きで次に繰り出される攻撃が分かる。
そして、デバフの前には、聖水を投げつける。

もちろんルイスの腕ではぶつけることはできない。
だから自作のボウガンに薬品をくくりつけて飛ば
すという方法で応戦したのだった。
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