渉くんの育性日記

秋元智也

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第二十一話 突然の訪問

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教室に戻ると、女子生徒が男子生徒を踏みつけて女王様ごっこをしていた。

「授業始めるぞ。それと、危ないからそういう行為はしないように!」
「はーい!」
「ねぇねぇ!先生って痛くされたい派ですか?」
「先生は授業をしにきたんだが。廊下に立っていたいのか?」
「なんでもないでーす!」

俺は教団に立つとまずは、授業前にはっきりと言うことにした。

「最近ドラマで何が流行っていようが、かまわない。が…もし、それが
 イジメに繋がるような行為であると判断した場合、即刻その生徒には
 一週間、恥ずかし~いプラカードを下げて廊下で授業を聞いてもらう。
 以上だ!」

生徒たちからブーイングが上がるが、これでしばらくはおとなしくなるだ
ろう。
迷惑なドラマだと思いながら拘束具に面白いものを見つけた。
ドラマであるせいか俳優や女優が怪我しない為に使われるものが多数ある。
その中でも身体を固定するものでも、ガムテープのように見えたがボンテ
ージテープというものがあった。肌には引っ付かず、テープ同士でしか、
くっつかないというものらしい。赤い色が映えて綺麗だった。
そして完全に身体を拘束してしまう拘束具。
後ろで、手も足も止められて完全に好き放題に弄れるのには俺の心が踊った。

ただ、拘束して放置するだけでも、刺激がありそうだ…。
通販で注文するとコンビニ受け取りにしておいた。
帰りに家へと着くとドアの前で待ってる人影があった。

「なんでここに?」
「やっと帰ってきましたね?インターホン鳴らしても出てこないので心配して
 たんです。渉くん中にいるんでしょ?」
「えぇ、多分いると思いますけど…なんで鈴木先生がここにいるんですか?」

数分前、渉くんがご飯の準備を終えて風呂場で洗ってる時に、いつもより早い
時間にインターホンが鳴った。
享さんなら自分で入ってくると思いながらも玄関に向かったが、ドアの向こう
側からは女性の声がした。
同僚には渉くんは病弱だと伝えてあったのを知っているので、開けずにスルー
したのだった。
風呂を済ませてベッドへと潜り込むと寝たふりをする。
そこへ享の声が聞こえてきて玄関が開いた。

いつもならすぐに駆けつけるところだが、今日はわざと寝たふりを通す。
俺は大きめの声で渉くんにも現状がわかる様に会話した。

「鈴木先生、本当に大丈夫ですから。渉も多分体調が悪いようですし」
「なら、余計に私に任せて下さい。なんでもやりますよ!」
「大丈夫ですって!俺もできますから。」

声は中まで入ってくる。
寝室まで入ってくるとベッドに眠ったままの渉くんを発見さるとせ鈴木
先生はおでこに手を当てる。

「熱は無さそうね、渉くんわかる?」
「お姉さん?…お父さんは?」

今起きたばかりのような眠そうな声で返事を返す。

「体調悪いの?起きれる?」
「身体が怠くて…もうちょっと寝てる…」

か弱そうな声で話すと布団に潜り込む。
実は慌てて上着は来たけど、下は履いていないので出れないのだった。
そしてお尻の中には拡張機が埋まっている。

「長瀬先生、食事でも作りましょうか?」
「いえ、もうできてるので大丈夫です。」
「あらっ…いつのまに!二人分ですか~私の分も欲しかったな~って」
「渉を起こしてくるので、ちょっといいですか?」
「あーー。待って!今体調悪そうなのですそっとしておきましょ。代わ
 りに私食べましょうか?」

どこまでも図々しい女だった。

「大丈夫なんで、そっとしておいて下さい。渉の事を思うなら静かにして
 貰えますか?」
「あっ…そうですね。今日は帰ります」

少しは反省したのか、帰っていった。
俺は寝室へと行くと布団をひっぺがした。

「もう行っちゃった?」
「あぁ、そんな格好で俺を誘惑してるのか?」
「うん…それもあるけど…。元気にしてない方がよかったでしょ?」
「あぁ、そうだな…」

俺の事をちゃんと理解してくれるあたり、賢い子だ。

「本当に渉には、敵わないな…」

身体に手を添えるとゆっくりとなどって行く。
これじゃ、軽くじゃ済まなそうだな…。
食事前に少し味見するだけのつもりが、本気で抱きたくなった。
この少年は俺に甘すぎる。
俺はこの子を手放す時が来るのだろうか?

不安を拭うように小さな身体を引き寄せると腕の中に大人しく収
まった。
無数に身体にキスを注ぎながらお尻を可愛がってやる。
あんな女に渉くんを見せたくなかった。
いや、俺は何に嫉妬しているんだ?
これは元々俺のモノなのだから。
そうだ、渉は俺のモノなのだから何をしても許される。
そういう風に育ててきたではないか!

俺は獰猛な獣の様な目つきで腕の中の渉を眺めた。
要らなくなったら壊して次を見つければいいだけの事だ。
言い訳はなんとでもなるのだから。

「享さん?どうしたの?」
「なんでもないよ。渉が欲しいなって思ってるんだ」
「うん…僕も…。享さんに抱いて欲しい…」

今はまだ、このままでいい。
来年には中学へ通わせよう。
世間を知ってどうおもうのだろうか?
今の状況を異常だと考えてしまうだろうか?
それとも、この関係のままなのだろうか?
そして、俺の興味は薄れていくのだろうか?
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