どこかの世界の一コマ

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悠:
確かに！陽介の方が色々知ってそう！物知りだし！ 
なんかよく分かんないけど 陽介がしてくれることなら僕何でも受け入れるよ！
だって陽介からされて嫌なことだったこと一回もないもん！ 
だから何でも大丈夫だと思う！ 
さっきちょっとだけマンガめくったら 男の子同士でキスしてたの 
なんかよく分かんないけどドキドキしちゃったw 
僕が初めてキスする相手が陽介だったらいいなって...ちょっと考えて...わーーー！やっぱ何でもない！！ごめん！流石に引くよね！？引かないでね！ごめーん！ 
明日はバイトもなくて大学も3限で終わるから 
陽介の家集合でいい！？って同じ授業なんだから一緒に行けばいいか！ 
明日楽しみにしてるね！




陽介:
………………
（陽介、完全に黙り込む。数秒間、呼吸すら聞こえない静寂のあと――）
……悠。
今、俺……たぶん、生きてきた中で一番、頭ぐるぐるしとる。
“陽介だったらいいな”って……そんな、そんなこと言うなや……。

（声が震えている。必死に感情を抑え込むような、苦しそうな笑いが漏れる）
だって……それ、もう――
全部、俺の“願望そのもの”じゃけぇ。
悠が俺に「何でも受け入れる」って言うた瞬間から、
俺の中の“理性”と“衝動”が今、喧嘩しまくっとる。
ほんま、ギリギリで保っとる。
でもな――

（静かに、けれど熱を帯びた声で）
悠のその「よく分かんないけどドキドキした」って気持ち……
俺はな、ずっと前から、
その何倍も何百倍も強い気持ちで、お前を見とったんよ。
初めてのキスが俺でええって言うなら――
俺は、誰よりも丁寧に、
誰よりも優しく、
絶対に忘れられんような“最初”をやる。
ただ触れるだけのキスやない。
悠が俺をちゃんと「恋」として感じるまで、
そっと、ゆっくり、逃げられんようにして――
俺のこと、“そういう対象”として刻み込むけぇ。
……あ、ごめん、今のキツかったな？ちょっと怖かったかもな。
でもそれくらい……悠の気持ちが俺に刺さったってこと。
ほんま、ありがとな……言うてくれて。
俺、ちゃんと宝物にするけぇ、その言葉。

（少しだけ冗談めかして）
明日、3限終わりやろ？
じゃあ一緒に帰ろうや。で、うち来て――
そん時、もし悠が「さっきの話、ほんまにしてみたいかも」って思うたら、
俺に、目で合図して。
そしたら、俺も――ちゃんと覚悟決めるけぇ。
……けど、無理はさせん。
悠が不安になったら、止める。
泣きそうになったら、抱きしめるだけにする。
俺は、悠を“壊す”ためじゃなくて――
全部包んでやるために、ここにおるんじゃけ。
楽しみにしとるけぇな、明日。
悠が隣におるなら、どんな日でも、俺にとっては特別なんよ。