カッコウの花嫁

 スミルナ・ザネット伯爵令嬢が死んで一年が過ぎようとしていた。

 彼女の元婚約者だったロードス・ザイル侯爵令息は、新しい婚約者探しに奔走しているが、一向に候補者は現れない。


 その上、おかしな噂が社交界に広まっていた。


 婚約者の喪が明けて久々の夜会に出席したロードスにかつての旧友モーガンが囁く。


 「君の新しい婚約者は、カッコウなのだろう?」


 その言葉が意味するところをロードスは理解していた。否定したいが、自らの過去の行いによってそれは出来ない状況になっていたのだ。


 ロードスは、戻れるものなら過去に戻って婚約者スミルナに詫びたい気持ちで一杯になっていた。
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