王子様、それは人違いです!

 ラシュロ・ロゼッタは地味で目立たない伯爵令嬢。

 夜会に幼馴染のジョルジオ・メイナ侯爵令息の女避けの為に同伴したのが運の尽き、眉目秀麗なジョルジオに憧れる令嬢は数多い。誰にでも優しいジョルジオを婚約者の座を巡って令嬢達は取り合っていた。

 「なぜ、貴女の様な地味な女が、いつもジョルジオ様の傍にいますの。身の程を弁えなさい!」

 といきり立っている令嬢等に追い掛け回される日々を送っていた。やはり夜会でも絡まれ、王宮の回廊を走って逃げた時に、うっかり靴を片方落としていった。拾う間もなく、茂みに身を隠していると、夜会終了の鐘がなった。
 
 やっと帰れるとばかりにラシュロは、別の場所に落ちているサイズの合わない大きな靴を代わりに履いて帰ったのだが、それがそもそも大間違い。拾ったものほど高くつくことはなかった。

 実は、今夜の夜会はこの国の王太子殿下が隣国より留学を終え、帰国した祝いで催されたもの。しかも王太子殿下ルーベンスはこの時『運命の乙女』に出会って一目惚れをしたのだ。オーロラのような色が変わるキラキラとしたドレスに身を包んだ。金髪碧眼の美少女と一曲踊っただけで、二人は恋に落ちた。

 そして、彼女は夜会終了の合図と共に急いで帰って行く途中、靴を片方落としたのだ。その靴を王太子ルーベンスが拾って、翌日より『運命の乙女』探しが始まった。

 ──この靴がぴったりと履ける乙女と王太子は結婚する

 という御触書が出回った。

 ところが、何の手違いかロゼッタ伯爵家に靴を持ってきた侍従が驚いた。その家の三女のラシュロの足にぴったり履けたのだ。

 それもそのはず、王太子が拾った靴は実はラシュロが廊下に落とした片方で、代わりに履いた大きな靴が『運命の乙女』の物だった。

 なにも知らずに『運命の乙女』セゾッラは、もうじき王太子がやって来ると思って待っているが一向にやって来ない。街で、別の女性が選ばれた事を知ったセゾッラはハシバミの木を思いっきり蹴とばした。

 怒ったハシバミの聖霊は、セゾッラに老婆の様な姿に変えたのだ。セゾッラは慌てて謝ったが聖霊は赦さなかった。だが、セゾッラの母親の恩から呪いを解く方法を教えてくれた。それは入れ替わった運命を元に戻す事。

 つまり王太子の元に行ったラシュロと入れ替わる事。自分が『運命の乙女』だと王太子に分からせ結ばれる事だった。昼間は美しい少女、夜は老婆の姿に変わるセゾッラは、学園でラシュロに近付いてラシュロを陥れる計画をするのだった。
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