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Grow
あふれる
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ふかふかの青い草があまりに気持ち良さそうだったので、俺たちは3人で寝そべってみた。
「トカプチ、背中がふわふわと、温かいものだな」
「あぁ大地の息吹を感じるな。この土地を……もっともっと豊かにしたいな」
「そうだな。トイのこともあるし、オレたちもそろそろ岩場から出て活動するか」
「ロウ! やっとその気になってくれたんだな」
実はロウは……最初は乗り気だったのだが、俺たちの土地の開拓に、どこか消極的になっていた。産まれてからずっと氷の世界で生きてきたのだから、まだこの目まぐるしい環境の変化についていけないのだ。
「悪い、待たせたな」
「そんなことない! 気持ちが揃うのが一番うれしいよ!」
「そうか……あ、さっき言っていたのって、このことか」
「ん?」
ロウが慎重にシロツメクサの葉を1枚、摘んだ。
「これだけ、葉っぱが四枚あるぞ」
「『四つ葉のクローバー』ってね。希望・誠実・愛情・幸運を象徴しているって、祖母が昔教えてくれたよ」
「きぼう、せいじつ、あいじょう……こううん?」
「そうだよ、ロウ!」
「どれも口にだすと、しあわせな気持ちになる言葉だ」
ロウが俺の髪に四つ葉のクローバーを挿してくれた。
「トカプチ、似合うな」
「照れるっ!」
「トカプチ……愛してるよ」
突然、魅惑的な声で囁かれ……ぞくっとする。
同時に俺の蕾に蜜がドクっと溢れるのを感じた。
フェロモン分泌腺があるうなじをロウに噛まれて正式な番になった時から、以前のような妖しいフェロモンは発さなくなっているが……その分、定期的にロウが欲しくなってしまう。
だが……自分から言うのは恥ずかしい。
そんな俺の躰の変化に、ロウは敏感だ。
狼として持っている嗅覚が優れているので、微かな発情の名残をすぐに察知してしまう。
「今、欲しがっているな」
「ん……そうみたいだ」
「営むか」
「えっここで?」
「見ろ、いつの間にかトイはぐっすりだ」
あっ、いつの間に。青い草原を天然のベッドにトイはいい夢を見ているようだ。微笑みながら眠っていた。
「ここで営めば、大地のパワーがもらえそうだ」
「そうかな。ん……いいよ。ロウ!ここで」
人間と同じ指先になったロウが、俺の衣を勢いよく剥ぎ取っていく。
真昼間の青い牧草の上で真っ裸に剥かれ、恥ずかしさが込み上げてくるが、ロウの熱い視線を太陽の光のように注がれると、焦れたような気持ちになり、また蕾からどろりと蜜が溶けだしてしまう。
「あっ、また……」
「綺麗だ。トカプチ……」
「駄目だ。そんな風に甘く囁くな、おかしくなる!」
「何故? こんなにも誘っている癖に」
自分の胸元をみると、両方の乳首から乳が滲み出ていた。吸われてもいないのに、もうっ。
ロウの長い舌でぺろりと舐めあげられ……吸われると、ますます蕾が収縮して、蜜がとうとう太腿を濡らし出す。
仰向けにされ、脚の間にロウの躰が入ってきて、もう閉じられない。
太腿を持ち上げられ、大きく開脚されてしまうと、まるで赤ん坊がおしめを替えるような姿勢になってしまう。
「あっ……」
「旨そうだ」
露わになった部分をロウが見つめ、顔を埋める。
「ロウ、いやだ! それ……恥ずかしいよ。いつも」
「なぜ? 胸の乳は白く、こちらの蜜は透明で、どちらも美味しいのに」
「もう言うなぁー」
発情してロウを欲しいくせに、いつだって恥ずかしくてジタバタしてしまう。
青い草の匂いが風に乗り、清涼な空気で包まれる。
「ふっ少し落ち着け。欲しくないのか」
「う……欲しい。お前が欲しい!」
「じゃあ素直になれ」
「トカプチ、背中がふわふわと、温かいものだな」
「あぁ大地の息吹を感じるな。この土地を……もっともっと豊かにしたいな」
「そうだな。トイのこともあるし、オレたちもそろそろ岩場から出て活動するか」
「ロウ! やっとその気になってくれたんだな」
実はロウは……最初は乗り気だったのだが、俺たちの土地の開拓に、どこか消極的になっていた。産まれてからずっと氷の世界で生きてきたのだから、まだこの目まぐるしい環境の変化についていけないのだ。
「悪い、待たせたな」
「そんなことない! 気持ちが揃うのが一番うれしいよ!」
「そうか……あ、さっき言っていたのって、このことか」
「ん?」
ロウが慎重にシロツメクサの葉を1枚、摘んだ。
「これだけ、葉っぱが四枚あるぞ」
「『四つ葉のクローバー』ってね。希望・誠実・愛情・幸運を象徴しているって、祖母が昔教えてくれたよ」
「きぼう、せいじつ、あいじょう……こううん?」
「そうだよ、ロウ!」
「どれも口にだすと、しあわせな気持ちになる言葉だ」
ロウが俺の髪に四つ葉のクローバーを挿してくれた。
「トカプチ、似合うな」
「照れるっ!」
「トカプチ……愛してるよ」
突然、魅惑的な声で囁かれ……ぞくっとする。
同時に俺の蕾に蜜がドクっと溢れるのを感じた。
フェロモン分泌腺があるうなじをロウに噛まれて正式な番になった時から、以前のような妖しいフェロモンは発さなくなっているが……その分、定期的にロウが欲しくなってしまう。
だが……自分から言うのは恥ずかしい。
そんな俺の躰の変化に、ロウは敏感だ。
狼として持っている嗅覚が優れているので、微かな発情の名残をすぐに察知してしまう。
「今、欲しがっているな」
「ん……そうみたいだ」
「営むか」
「えっここで?」
「見ろ、いつの間にかトイはぐっすりだ」
あっ、いつの間に。青い草原を天然のベッドにトイはいい夢を見ているようだ。微笑みながら眠っていた。
「ここで営めば、大地のパワーがもらえそうだ」
「そうかな。ん……いいよ。ロウ!ここで」
人間と同じ指先になったロウが、俺の衣を勢いよく剥ぎ取っていく。
真昼間の青い牧草の上で真っ裸に剥かれ、恥ずかしさが込み上げてくるが、ロウの熱い視線を太陽の光のように注がれると、焦れたような気持ちになり、また蕾からどろりと蜜が溶けだしてしまう。
「あっ、また……」
「綺麗だ。トカプチ……」
「駄目だ。そんな風に甘く囁くな、おかしくなる!」
「何故? こんなにも誘っている癖に」
自分の胸元をみると、両方の乳首から乳が滲み出ていた。吸われてもいないのに、もうっ。
ロウの長い舌でぺろりと舐めあげられ……吸われると、ますます蕾が収縮して、蜜がとうとう太腿を濡らし出す。
仰向けにされ、脚の間にロウの躰が入ってきて、もう閉じられない。
太腿を持ち上げられ、大きく開脚されてしまうと、まるで赤ん坊がおしめを替えるような姿勢になってしまう。
「あっ……」
「旨そうだ」
露わになった部分をロウが見つめ、顔を埋める。
「ロウ、いやだ! それ……恥ずかしいよ。いつも」
「なぜ? 胸の乳は白く、こちらの蜜は透明で、どちらも美味しいのに」
「もう言うなぁー」
発情してロウを欲しいくせに、いつだって恥ずかしくてジタバタしてしまう。
青い草の匂いが風に乗り、清涼な空気で包まれる。
「ふっ少し落ち着け。欲しくないのか」
「う……欲しい。お前が欲しい!」
「じゃあ素直になれ」
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