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1 飽きちゃった
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( 冬司 )
「 あ~もういっかな~。
散々抱いたし、そろそろ飽きちゃったから、はいこれでお別れって事で~。 」
ベッドの上でやることやった後に、そう言い放つと……そのお相手である晴矢は、呆然としながら俺を見つめてきた。
俺はその視線が心底面倒くさくて、顔を大きく逸らす。
特に特徴がない凹凸なしのザ・モブ顔。
そんな一目見たくらいじゃ覚えられない様な地味顔に、真面目だけが取り柄の性格の< 柄木 晴矢 >は、同じ大学の他学科の同級生だ。
大学の成績は下の中という、ギリギリ合格できたくらいの実力で、運動神経も鈍い。
更に実家は貧乏母子家庭で、毎日あくせくバイト三昧という、” 苦 ” だらけの人生を歩んできた男、それがこいつ。
俺はショックを受けているらしいその顔を見て、ニコッとわざと嬉しそうな笑顔を浮かべて言ってやった。
「 ちょっと男を抱くってどんな感じかなって興味があったんだよね~。
晴矢は特に文句も言わなさそうだし、ちょうどいいかなって。
どう見たって釣り合ってないって分かるでしょ?俺達。
だから、別れる時は簡単そうだなっていう理由もあったかな。 」
「 …………。 」
晴矢はなんにも答えず下を向く。
それを見て、当然だなと思い見せつける様に、大きなため息をついてやった。
父親は名だたる財閥の一族で、海外にいくつも会社を持っている一強企業の社長。
母親は誰もが知っている大女優。
そんな両親を持つ俺は、生まれながらに選ばれし人間であった。
外を歩けば100人中100人が必ず振り返る様な美しい顔立ちは、冗談交じりで美の女神さえも裸足で逃げ出すと言われる程。
日本人の平均を余裕で超える高身長と、抜きん出たスタイルはまるで現実に存在しない王子様の様だと誰もが言う。
まさにパーフェクトな生まれと外見に恵まれた俺< 大征 冬司 >
しかし、神様に与えてもらったギフトは、それだけではない。
頭脳明晰、文武両道。
瞬間記憶力と一度見れば全ての事を完璧にできてしまう俺は、幼い頃からその能力を遺憾なく発揮し、常にどこにいても中心で輝いてきた。
誰もが俺を褒め称え、何もかもを差し出す。
それが当たり前の人生というヤツが俺の人生だ。
それがどうしてこんな地味で冴えない奴とベッドを共にしているかというと、単純に興味があったから。
本当にそれだけ。
黙っていても最上級レベルの女が寄ってきては、勝手に股を開いてくれるので、少々趣向が違うモノに手を出してみたくなった。
しかし、そんなヤツに手を出せば100% ” 付き合って ” だの " 自分は選ばれた人間だ " なんだのとめんどくさい事になるのは分かっているから、黙らせるのが簡単なこいつを選んだってわけだ。
お付き合い……いや、セフレ期間は半年間。
毎日してたし、俺にしては結構もったかな~?
黙ったまま動かない晴矢を置いてベッドから出ると、そのまま机の引き出しを開けた。
そこにはちょうどパーティーの余興で使おうと思っていた札束が無造作に突っ込んであったので、それを手に取り晴矢に投げつける。
すると、その金の一部は派手に宙を舞った。
「 はい、今までお疲れさまでした~。
それ、半年分のバイト料ね。
じゃあ、俺がシャワー浴び終わるまでにそれを持って出てって~。
貧乏人にはいいバイトになったでしょ。
バイバ~イ。 」
大あくびしながら俺はシャワー室へ。
そこでゆっくり汚れを落として部屋に戻ると、もう晴矢は消えていた。
思った通り、特に修羅場になる事なく遊べてラッキーだったな♬
そんな事を思いながら上機嫌でベッドへ近づくと……投げつけたお金が丁寧に集められて置かれているのが目に入り、不快な気持ちが湧き上がった。
「 うわ~……。何?これ、良い子ちゃんアピール?
金に困ってるんだから、素直に貰っとけばいいのに。 」
この半年間、晴矢に無理を言ってバイトを休んで貰っていたため、金は喉から手が出るほど必要なはずなのに……。
そのあざとい行為にカチンときて、顔を大きく顰めたが……結局は世界が違う住人なんだと納得して忘れる事にした。
でも、同じ大学内だしな……。
顔合わせたら────めんどくさ。
そう思い心底ウンザリしたが、まぁ晴矢程度の人間を黙らせるのなんて簡単だし、気にする事はないだろう。
「 まぁ、ぐだぐだと文句言ってきたら、また気まぐれに優しく抱いてやれば満足するでしょ。
これからも、たまになら相手してやってもいっか。 」
見下す様にフッと鼻で笑いながら、その時を待っていたが……予想に反してそんな日は来ない。
「 …………? 」
どうやら晴矢は俺の事を徹底的に避けていたらしく、大学内で一度も見ることはなかったのだ。
結果、随分とアッサリ俺達の関係は終わってしまったらしい。
「 ……ま、別にいいけど~。 」
少しくらいは揉めると思っていたためラッキーと思う反面、なんとなく面白くない気持ちもある。
だが、それから父の父の後継者として忙しない日常を送らなければならず、気がつけば晴矢の事は、遠い遠い思い出の一つとなっていった。
「 あ~もういっかな~。
散々抱いたし、そろそろ飽きちゃったから、はいこれでお別れって事で~。 」
ベッドの上でやることやった後に、そう言い放つと……そのお相手である晴矢は、呆然としながら俺を見つめてきた。
俺はその視線が心底面倒くさくて、顔を大きく逸らす。
特に特徴がない凹凸なしのザ・モブ顔。
そんな一目見たくらいじゃ覚えられない様な地味顔に、真面目だけが取り柄の性格の< 柄木 晴矢 >は、同じ大学の他学科の同級生だ。
大学の成績は下の中という、ギリギリ合格できたくらいの実力で、運動神経も鈍い。
更に実家は貧乏母子家庭で、毎日あくせくバイト三昧という、” 苦 ” だらけの人生を歩んできた男、それがこいつ。
俺はショックを受けているらしいその顔を見て、ニコッとわざと嬉しそうな笑顔を浮かべて言ってやった。
「 ちょっと男を抱くってどんな感じかなって興味があったんだよね~。
晴矢は特に文句も言わなさそうだし、ちょうどいいかなって。
どう見たって釣り合ってないって分かるでしょ?俺達。
だから、別れる時は簡単そうだなっていう理由もあったかな。 」
「 …………。 」
晴矢はなんにも答えず下を向く。
それを見て、当然だなと思い見せつける様に、大きなため息をついてやった。
父親は名だたる財閥の一族で、海外にいくつも会社を持っている一強企業の社長。
母親は誰もが知っている大女優。
そんな両親を持つ俺は、生まれながらに選ばれし人間であった。
外を歩けば100人中100人が必ず振り返る様な美しい顔立ちは、冗談交じりで美の女神さえも裸足で逃げ出すと言われる程。
日本人の平均を余裕で超える高身長と、抜きん出たスタイルはまるで現実に存在しない王子様の様だと誰もが言う。
まさにパーフェクトな生まれと外見に恵まれた俺< 大征 冬司 >
しかし、神様に与えてもらったギフトは、それだけではない。
頭脳明晰、文武両道。
瞬間記憶力と一度見れば全ての事を完璧にできてしまう俺は、幼い頃からその能力を遺憾なく発揮し、常にどこにいても中心で輝いてきた。
誰もが俺を褒め称え、何もかもを差し出す。
それが当たり前の人生というヤツが俺の人生だ。
それがどうしてこんな地味で冴えない奴とベッドを共にしているかというと、単純に興味があったから。
本当にそれだけ。
黙っていても最上級レベルの女が寄ってきては、勝手に股を開いてくれるので、少々趣向が違うモノに手を出してみたくなった。
しかし、そんなヤツに手を出せば100% ” 付き合って ” だの " 自分は選ばれた人間だ " なんだのとめんどくさい事になるのは分かっているから、黙らせるのが簡単なこいつを選んだってわけだ。
お付き合い……いや、セフレ期間は半年間。
毎日してたし、俺にしては結構もったかな~?
黙ったまま動かない晴矢を置いてベッドから出ると、そのまま机の引き出しを開けた。
そこにはちょうどパーティーの余興で使おうと思っていた札束が無造作に突っ込んであったので、それを手に取り晴矢に投げつける。
すると、その金の一部は派手に宙を舞った。
「 はい、今までお疲れさまでした~。
それ、半年分のバイト料ね。
じゃあ、俺がシャワー浴び終わるまでにそれを持って出てって~。
貧乏人にはいいバイトになったでしょ。
バイバ~イ。 」
大あくびしながら俺はシャワー室へ。
そこでゆっくり汚れを落として部屋に戻ると、もう晴矢は消えていた。
思った通り、特に修羅場になる事なく遊べてラッキーだったな♬
そんな事を思いながら上機嫌でベッドへ近づくと……投げつけたお金が丁寧に集められて置かれているのが目に入り、不快な気持ちが湧き上がった。
「 うわ~……。何?これ、良い子ちゃんアピール?
金に困ってるんだから、素直に貰っとけばいいのに。 」
この半年間、晴矢に無理を言ってバイトを休んで貰っていたため、金は喉から手が出るほど必要なはずなのに……。
そのあざとい行為にカチンときて、顔を大きく顰めたが……結局は世界が違う住人なんだと納得して忘れる事にした。
でも、同じ大学内だしな……。
顔合わせたら────めんどくさ。
そう思い心底ウンザリしたが、まぁ晴矢程度の人間を黙らせるのなんて簡単だし、気にする事はないだろう。
「 まぁ、ぐだぐだと文句言ってきたら、また気まぐれに優しく抱いてやれば満足するでしょ。
これからも、たまになら相手してやってもいっか。 」
見下す様にフッと鼻で笑いながら、その時を待っていたが……予想に反してそんな日は来ない。
「 …………? 」
どうやら晴矢は俺の事を徹底的に避けていたらしく、大学内で一度も見ることはなかったのだ。
結果、随分とアッサリ俺達の関係は終わってしまったらしい。
「 ……ま、別にいいけど~。 」
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