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3 愛って短命だよね
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( 冬司 )
地味で目立たず、面白いことの一つも言えなかった男。
好きに扱って、最後はアッサリ捨ててやったセフレ。
「 ……そういえば、晴矢は俺に何も求めないヤツだったな。 」
唐突に蘇る晴矢との思い出。
結局最後はお金を受け取らずに別れたし、変な奴だった。
「 …………。 」
たまにフッとした瞬間、俺の頭の中に現れては消える晴矢。
もっと美人で、もっと優秀で、もっともっと凄い人間達との出会いを経験しているというのに、たまに浮かぶのは晴矢の顔で……それがとても不思議だった。
「 う~ん……まぁ、体の相性が良かったからかな?
暇さえあればやってたし……。 」
いくら性欲が旺盛な年頃とはいえ、あんな貧相な同性の体に夢中だった事を思い出すと、それも不思議に思う。
男相手にしたのは晴矢が最初で最後。
正直女相手の方が抱き心地が良いはずなのに、何故か他の女との情事の際は、晴矢とのセックスを思い出す事が多かった。
「 ……意外に俺ってゲイ寄りだったのかな? 」
そう思いつき、今まで出会った美しい外見をした男性を抱いている自分を思い浮かべたが……下半身は反応せず。
それに首を傾げたが、そんな事より目先の快感!とばかりに、気まぐれに思いついた女に連絡をとってみた。
◇◇◇◇
「 フフッ。すごく良かったわ。
久しぶりに相手してもらって嬉しい。
ねぇ、ねぇ、それで私、欲しいモノがあるんだけどぉ~。 」
情事の後、甘ったるい声で甘えてくる女に、俺はニコッと微笑み「 何でも買ってあげるよ。 」と返すと、女は「 やった~♡ 」と嬉しそうに笑う。
あれが欲しい!コレも欲しい!
欲望はどんどんとその口から溢れていき、好きなブランドのバックやアクセサリーをおねだりしてきたので、直ぐに店に電話して買ってやった。
「 嬉しい♡冬司愛してる~! 」
女は抱きついてきて、それはそれは満足のいくテクニックを使って、また俺を楽しませてくれる。
お気軽に楽しめるセックスって本当に気持ちいい。
まぁまぁ良かったかな?
とりあえず体はそれなりに満足したので、女を帰した後は自室で仕事を再開した。
会社の業績は、右肩上がり。
そろそろ新しい事業を起こそうかとも思っていたその時……やはりフッと頭の中には捨てた時のままの晴矢が出てきた。
” 冬司はすげぇな。 ”
自分が継ぐであろう会社や競合相手などの資料に目を通していた時、唐突に晴矢が言ってきた言葉。
それに首を傾げると、晴矢は続けて言った。
” お前って努力できる人だよな。
人間って持ってるモンに、あぐらを掻いちゃう人が多いと思うんだよ。
まぁ、何も持ってない俺に言われてもって思うかもしれねぇけど……。 ”
” ……そう?
別にすごい事でもなんでもないんじゃない? ”
晴矢は母子家庭の貧乏育ちだからか、とにかくなんでも努力するヤツだった。
誰も彼もが遊んで楽している中、晴矢だけはひたすら努力する。
しかしそれは自分が何も秀でたものを持ってないからで、正直俺は見下す気持ちが強かった。
馬鹿みたいに努力して、辛い人生で可哀想~。
一生俺みたいに ” 持っている ” 人間には追いつけない底辺人生、お疲れ様で~す。
心の中でそう馬鹿にして笑っていたのだが……この時の晴矢はキラキラと目を輝かせて俺を見た。
” 持っているヤツが努力するって、結構レアなんだ。
俺はそれがすごいと思う。
きっと冬司はこれから幸せな人生を送れるよ。 ”
「 …… ” 幸せ ” ねぇ?
────ま、少なくともお前よりは殆どの人が幸せでしょ。
馬鹿な底辺男だったな。 」
プッと吹き出して笑ってやると、俺は自分の ” 幸せ ” とやらをもっともっと貪欲に掴むため……仕事に没頭した。
その後、非常にうるさかったが無事に陽子とは離婚できて、俺は日々を謳歌し始める。
仕事に精を出し、順調に成功を収め、派手にお金をばら撒いて女と遊び回ったが……次第に飽きがきた。
「 ねぇ~。そろそろまた結婚しないの?
私とかどうかな?
私も良い年齢だし、親がうるさくて~。 」
「 今度出る新作のバックが欲しいな~♡
それに海外旅行にも行きたいの!
ねぇ、そろそろ恋人としてどこかに行きたいな~♡ね、お願い~。 」
「 私、冬司の事……本気で好きになっちゃった。
付き合ってよ。いいでしょ? 」
「 愛人でいいからこのまま側にいさせて。
でも、将来の事は期待してもいいよね? 」
付き合いが長くなってくると、今までの対等な関係でなくなってくる ” 愛 ” にため息が漏れる。
” 愛 ” の寿命って何でこう短いんだろう?
必ず最後は同じ道を辿る ” 愛 ” に心底うんざりだ。
最初は ” 遊びでいいから ” と近づいてきても、最後は自分だけを選んで欲しいという欲が見えてくるのが本当にウザい。
「 そもそも仕事でいうなら、それって契約違反じゃ~ん。
だって俺は性欲と愉快、相手は金で成り立っている契約なのに、それ以上よこせって言われても、それに従うわけないのにさ。
馬鹿じゃないのか? 」
地味で目立たず、面白いことの一つも言えなかった男。
好きに扱って、最後はアッサリ捨ててやったセフレ。
「 ……そういえば、晴矢は俺に何も求めないヤツだったな。 」
唐突に蘇る晴矢との思い出。
結局最後はお金を受け取らずに別れたし、変な奴だった。
「 …………。 」
たまにフッとした瞬間、俺の頭の中に現れては消える晴矢。
もっと美人で、もっと優秀で、もっともっと凄い人間達との出会いを経験しているというのに、たまに浮かぶのは晴矢の顔で……それがとても不思議だった。
「 う~ん……まぁ、体の相性が良かったからかな?
暇さえあればやってたし……。 」
いくら性欲が旺盛な年頃とはいえ、あんな貧相な同性の体に夢中だった事を思い出すと、それも不思議に思う。
男相手にしたのは晴矢が最初で最後。
正直女相手の方が抱き心地が良いはずなのに、何故か他の女との情事の際は、晴矢とのセックスを思い出す事が多かった。
「 ……意外に俺ってゲイ寄りだったのかな? 」
そう思いつき、今まで出会った美しい外見をした男性を抱いている自分を思い浮かべたが……下半身は反応せず。
それに首を傾げたが、そんな事より目先の快感!とばかりに、気まぐれに思いついた女に連絡をとってみた。
◇◇◇◇
「 フフッ。すごく良かったわ。
久しぶりに相手してもらって嬉しい。
ねぇ、ねぇ、それで私、欲しいモノがあるんだけどぉ~。 」
情事の後、甘ったるい声で甘えてくる女に、俺はニコッと微笑み「 何でも買ってあげるよ。 」と返すと、女は「 やった~♡ 」と嬉しそうに笑う。
あれが欲しい!コレも欲しい!
欲望はどんどんとその口から溢れていき、好きなブランドのバックやアクセサリーをおねだりしてきたので、直ぐに店に電話して買ってやった。
「 嬉しい♡冬司愛してる~! 」
女は抱きついてきて、それはそれは満足のいくテクニックを使って、また俺を楽しませてくれる。
お気軽に楽しめるセックスって本当に気持ちいい。
まぁまぁ良かったかな?
とりあえず体はそれなりに満足したので、女を帰した後は自室で仕事を再開した。
会社の業績は、右肩上がり。
そろそろ新しい事業を起こそうかとも思っていたその時……やはりフッと頭の中には捨てた時のままの晴矢が出てきた。
” 冬司はすげぇな。 ”
自分が継ぐであろう会社や競合相手などの資料に目を通していた時、唐突に晴矢が言ってきた言葉。
それに首を傾げると、晴矢は続けて言った。
” お前って努力できる人だよな。
人間って持ってるモンに、あぐらを掻いちゃう人が多いと思うんだよ。
まぁ、何も持ってない俺に言われてもって思うかもしれねぇけど……。 ”
” ……そう?
別にすごい事でもなんでもないんじゃない? ”
晴矢は母子家庭の貧乏育ちだからか、とにかくなんでも努力するヤツだった。
誰も彼もが遊んで楽している中、晴矢だけはひたすら努力する。
しかしそれは自分が何も秀でたものを持ってないからで、正直俺は見下す気持ちが強かった。
馬鹿みたいに努力して、辛い人生で可哀想~。
一生俺みたいに ” 持っている ” 人間には追いつけない底辺人生、お疲れ様で~す。
心の中でそう馬鹿にして笑っていたのだが……この時の晴矢はキラキラと目を輝かせて俺を見た。
” 持っているヤツが努力するって、結構レアなんだ。
俺はそれがすごいと思う。
きっと冬司はこれから幸せな人生を送れるよ。 ”
「 …… ” 幸せ ” ねぇ?
────ま、少なくともお前よりは殆どの人が幸せでしょ。
馬鹿な底辺男だったな。 」
プッと吹き出して笑ってやると、俺は自分の ” 幸せ ” とやらをもっともっと貪欲に掴むため……仕事に没頭した。
その後、非常にうるさかったが無事に陽子とは離婚できて、俺は日々を謳歌し始める。
仕事に精を出し、順調に成功を収め、派手にお金をばら撒いて女と遊び回ったが……次第に飽きがきた。
「 ねぇ~。そろそろまた結婚しないの?
私とかどうかな?
私も良い年齢だし、親がうるさくて~。 」
「 今度出る新作のバックが欲しいな~♡
それに海外旅行にも行きたいの!
ねぇ、そろそろ恋人としてどこかに行きたいな~♡ね、お願い~。 」
「 私、冬司の事……本気で好きになっちゃった。
付き合ってよ。いいでしょ? 」
「 愛人でいいからこのまま側にいさせて。
でも、将来の事は期待してもいいよね? 」
付き合いが長くなってくると、今までの対等な関係でなくなってくる ” 愛 ” にため息が漏れる。
” 愛 ” の寿命って何でこう短いんだろう?
必ず最後は同じ道を辿る ” 愛 ” に心底うんざりだ。
最初は ” 遊びでいいから ” と近づいてきても、最後は自分だけを選んで欲しいという欲が見えてくるのが本当にウザい。
「 そもそも仕事でいうなら、それって契約違反じゃ~ん。
だって俺は性欲と愉快、相手は金で成り立っている契約なのに、それ以上よこせって言われても、それに従うわけないのにさ。
馬鹿じゃないのか? 」
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