彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

プロテクション 9

‘由佐、それでまずひとつ満足だ’
「やっほー、津川さん」
‘あの女、クミのケガを‘不幸だね、不幸だね’って嬉しそうに言いやがって’
「しっかり2本折っといたんで…って、飯食いながら聞いてた？何食ってんの？大西ちゃんもいるな、やっほー」
‘クミが作った、鯛のカルパッチョ。それより、由佐。もう一度順序立てて整理しないと報告は失敗になるぞ’
「カルパッチョ…食いてぇ…失敗という文字はオレにはない…」

画面越しに大西と津川に手を振った由佐の話を順序立てると、こうだ。


こっちに帰って15時ぐらいまでに特定した内容から、桜龍神テンに連絡。
その夜までに中山が桜龍神のクラブに支払いに行くと聞いて、女の家を監視。

帰宅ラッシュの満員電車の中で人に押されながらこっそり右手の指2本を折る。
女は当然病院に行ったので、その日にクラブには行けずに終了。

日付の変わる頃に裏垢で書き込み開始。夕方テンに連絡

「女は支払いに来たぁ？」
‘来なかったどころか、さっきも‘絶対支払わない’っていう書き込みを裏でしてるんで、明日自宅に行きます’
「へぇ、ややこしい女だな。お疲れ～」

と聞いて、翌日桜龍神の車3台が中山の家に来たのを張り込んで確認。両親は仕事に出てる時間帯。玄関植え込みに放り込んでおいた盗聴器からの会話で30万だけは支払いをしたが利子は支払わず。裏垢について問い詰められてキレた女だが‘チームもバックの組も許さない。背後に気をつけて歩け’と脅される。

翌日は同じ時間にバックの組の組員が自宅訪問。

‘チームをひとつ潰すようなことしてる自覚はあるか？利子と共に働いて返せ。ちょうど仕事を探してるだろ？その手でも今日から出来る仕事を紹介する’

「めちゃクチャなこと言ってるよなぁ、オレもちょっとだけはめちゃクチャちっくだけど」

由佐、お前は間違いなくめちゃクチャだ。いい。