彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

組と会社そして家 9

悠仁たちは会社へ戻り、皆それぞれが午後の活動に入る。うさが片付けを志願したのでせっせと食洗機にお皿を入れているのを見ながら私も部屋を出ようとすると

「姫ちゃん、どこ行くの？」
「…食堂」
「片付けないだろ？どうして？」
「……おにぎり」
「ここで炊けば？」
「………あっち」
「すぐ行くよ」

何でですか？とは飲み込んで食堂に行くと、森川兄弟と千田さんが食事中だった。

「「「こんにちは」」」
「こんにちは」
「もう夜の仕込みですか？って、俺…今日の夜は家の予定だけど」

コクン…そうだよね。たくちゃんと食事出来る日か。お米を洗って炊飯器にセットすると、今朝買ったナスの蓋を開ける。

「おっ、昼飯遅め？」

とうさの声がしたと思ったら

「おぉ、箱買い？何すんの？」

と私の隣に来る。

「…揚げ浸し」
「オレ好き」

ふーん、と思った時にはうさがドサドサとシンクにナスを置き始めた。すごく苦手なペースだ…ゲンさんともこういう距離感で調理してなかった。カレーを作るならまだしも、ナスしか使わないのに二人で作業するつもり？

「うさ…任せていいの？」
「無理。やりづらい？なら、珈琲飲んでるわ。みんなも珈琲飲むかぁ？」

悪いけどホッとした。ここでは当番の人たちの邪魔にならないようにいつも一人で何か作ってメモを置くことが多いんだ。