彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

大切な枝葉たち 3

「…デートは仕切り直しだな」
「ん…いつでも出来るよね…ずっと一緒だから」

またまどろんだかと思ったが………

「私も…しようかな？」
「ん？」
「カラフルの仲間入り…」
「墨か？」
「ん」
「玖未がやりたいことを止めるつもりはねぇ」
「ん」
「だが…少しでも迷うならやめておけ。まずは痛いぞ？」
「ふふっ、泣く？」
「泣くんじゃね？熱を出す奴もいるしな」
「ん」
「で…っと…」

何を言っても可愛い玖未を、仰向けになった体の上に乗せる。

「墨じゃないタトゥーだと言って一般的に受け入れられているようで、受け入れられない場所もまだまだ多い」
「ん…だからあのプールだもんね…」
「そうだ。玖未はこれから…そうだな…例えばこの前の女子会の延長のようにプールへ行こう、温泉に行こうって話になったときに気兼ねなく参加したいと思わないか？」
「…ぁ…そうか…も」
「俺が一緒に出掛けて何もかも貸切状態っていうのはもちろん問題ないが、せっかく玖未を誘ってくれる友達が組の外にもいるなら、そこも大事にしていけばいいと思う」
「友達なのかな…？」
「友達に年齢は関係ないからな、灰谷妹は完全に友達だろ。あとの二人は母親気分だったり、姉の気分だったりもするだろうが友達と言えると思う」
「…嬉しい…3人も友達がいるんだ…私…」

その声はいつもの無表情から発せられる冷たいものではなく、10歳の少女の声のようで…俺は不覚にも鼻の奥がツーンとして、10歳の玖未をきゅっと抱きしめ頭を撫でた。