271 / 284
荒獅子と黒椿 10
しおりを挟む
「ははっ、これだけ組員がいるのに刑事を指名するのか?」
「…出来るなら…守られるだけでなく…私も家族を守りたいと思うか…」
「バッカじゃないのぉ?」
パーン…玖未の言葉尻に声を被せた女の頭を津川が自分のつっかけサンダルで叩いた。
「クミの言葉に被せんじゃねぇよ。クミ、悪いな…手は痛まないようにやったから許せ」
「…ん……ん?そういうことでいいのかな?…まあいいか…」
「玖未には家族なんていないでしょ?ずーっと、ずーっと、一人で、寝るところにも困って…」
「アンタ…死にたいのか?せっかく玖未ちゃんが情けを掛けてくれてるってのに…俺たちは玖未ちゃんの‘家族’だと疑いなく、迷いなく言いきれる」
フラッと右京が女に近づいた…まずいな…
「クミ、俺も飯。もうコイツの取り押さえで腹が鳴って我慢出来ねぇ。言いたいことだけ言って上がるぞ。若、それでいいですね?」
「ここは外気も入って暑いですからね」
津川と大西がさりげなく右京に張り付き間を取る。
「ん、玖未」
「…何もないよ。家族だって私たちが分かっていればいいこと…帰る」
「よーし、私たちは撤収」
「奈保先生もうちに上がってもらっていい?」
「かまわない」
津川のおかげで玖未が部屋に戻る。何も隠すつもりはなかったが…女が玖未に暴言を吐いたことで俺たちもこのままでは引き下がれなくなった。玖未には見せられない。
「…出来るなら…守られるだけでなく…私も家族を守りたいと思うか…」
「バッカじゃないのぉ?」
パーン…玖未の言葉尻に声を被せた女の頭を津川が自分のつっかけサンダルで叩いた。
「クミの言葉に被せんじゃねぇよ。クミ、悪いな…手は痛まないようにやったから許せ」
「…ん……ん?そういうことでいいのかな?…まあいいか…」
「玖未には家族なんていないでしょ?ずーっと、ずーっと、一人で、寝るところにも困って…」
「アンタ…死にたいのか?せっかく玖未ちゃんが情けを掛けてくれてるってのに…俺たちは玖未ちゃんの‘家族’だと疑いなく、迷いなく言いきれる」
フラッと右京が女に近づいた…まずいな…
「クミ、俺も飯。もうコイツの取り押さえで腹が鳴って我慢出来ねぇ。言いたいことだけ言って上がるぞ。若、それでいいですね?」
「ここは外気も入って暑いですからね」
津川と大西がさりげなく右京に張り付き間を取る。
「ん、玖未」
「…何もないよ。家族だって私たちが分かっていればいいこと…帰る」
「よーし、私たちは撤収」
「奈保先生もうちに上がってもらっていい?」
「かまわない」
津川のおかげで玖未が部屋に戻る。何も隠すつもりはなかったが…女が玖未に暴言を吐いたことで俺たちもこのままでは引き下がれなくなった。玖未には見せられない。
95
あなたにおすすめの小説
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
お客様はヤの付くご職業・裏
古亜
恋愛
お客様はヤの付くご職業のIf小説です。
もしヒロイン、山野楓が途中でヤンデレに屈していたら、という短編。
今後次第ではビターエンドなエンドと誰得エンドです。気が向いたらまた追加します。
分岐は
若頭の助けが間に合わなかった場合(1章34話周辺)
美香による救出が失敗した場合
ヒーロー?はただのヤンデレ。
作者による2次創作的なものです。短いです。閲覧はお好みで。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。
専務は御曹司の元上司。
その専務が社内政争に巻き込まれ退任。
菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。
居場所がなくなった彼女は退職を希望したが
支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。
ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に
海外にいたはずの御曹司が現れて?!
俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る
ラヴ KAZU
恋愛
ある日、まゆは父親からお見合いを進められる。
義兄を慕ってきたまゆはお見合いを阻止すべく、車に引かれそうになったところを助けてくれた、祐志に恋人の振りを頼む。
そこではじめてを経験する。
まゆは三十六年間、男性経験がなかった。
実は祐志は父親から許嫁の存在を伝えられていた。
深海まゆ、一夜を共にした女性だった。
それからまゆの身が危険にさらされる。
「まゆ、お前は俺が守る」
偽りの恋人のはずが、まゆは祐志に惹かれていく。
祐志はまゆを守り切れるのか。
そして、まゆの目の前に現れた工藤飛鳥。
借金の取り立てをする工藤組若頭。
「俺の女になれ」
工藤の言葉に首を縦に振るも、過去のトラウマから身体を重ねることが出来ない。
そんなまゆに一目惚れをした工藤飛鳥。
そして、まゆも徐々に工藤の優しさに惹かれ始める。
果たして、この恋のトライアングルはどうなるのか。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
虚弱なヤクザの駆け込み寺
菅井群青
恋愛
突然ドアが開いたとおもったらヤクザが抱えられてやってきた。
「今すぐ立てるようにしろ、さもなければ──」
「脅してる場合ですか?」
ギックリ腰ばかりを繰り返すヤクザの組長と、治療の相性が良かったために気に入られ、ヤクザ御用達の鍼灸院と化してしまった院に軟禁されてしまった女の話。
※なろう、カクヨムでも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる