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   歩きながら依頼書を確認する。

【薬草採取】
   モヨギ草、1籠400テナ。余剰分1籠380テナで買取。
   薬師ギルド

【薬草採取】
   ジオウ草、1籠650テナ。余剰分1籠600テナで買取。
   薬師ギルド

【薬草採取】
   マリク草、1籠800テナ。余剰分1籠700テナで買取。
   薬師ギルド

   クエルさんのとこより幾分安いな。薬師ギルドがそれぞれの薬師に売る分中間マージンでもとってるのかも。モヨギ草とジオウ草だったら摘みに行かなくともコピーで出せるんだが、うーん。
 あとマリク草って知らん薬草だ。

   おっと、武具屋の前を通り過ぎるところだった。

「ルーナ、ここに入るぞ」

   ルーナの手をぎゅっと引っ張る。

「はい」

   なぜか機嫌が治ってる。よくわからん。

「いらっしゃいませー」

   ん、子供が店番してるのか。

「武器と防具どっちが入用かい?」

   子供にしてはダミ声だ。よく見りゃ顔に皺も

=ドワーフ族
   状態・普通
   ドワーフ族の女=

   おお、ドワーフだった。髭ははえてないんだな。

「初心者でも扱えそうな武器が欲しいのとを加工して貰えないかと思って」

   俺は今朝コピーしておいたブレードディアの角を取り出す。

「ほお、こいつはブレードディアの角じゃないか、兄ちゃんが倒したのかい」

「ああ、鍔と柄、鞘も欲しいんだが幾らくらいかかる?」

「そうさね、ブレードディアならもう一本角があるだろ、そいつをくれるんならタダでやってやんよ」

   それは安いのか高いのか、よくわからんな。

「んじゃ、そこの樽に入ってるロングソードも一本つけてやんよ、それでどうだい」

   渋ってると思われたのか、オマケがついた。どうせコピーで出せるしいいか。

「わかった、それでいい」

   俺はもう一本角を出して渡す。

「ありがとよ、兄ちゃん。加工は今日の夜までには出来る。その樽の中から一本選びな」

   俺は樽の中の剣を取り出し鑑定をする。

=ロングソード
   鉄製の片手剣。見習い鍛治師ウエンの作品。やや重心の偏りがありC級品=
=ロングソード
   鉄製の片手剣。見習い鍛治師ウエンの作品。焼き入れが甘くC級品=
=ロングソード
   鉄製の片手剣。見習い鍛治師ウエンの作品。研ぎが甘く歪みがありC級品=
=ロングソード
   鉄製の片手剣。見習い鍛治師ウエンの作品。やや鍛造が不十分でC級品=

   …見習いの作った失敗作じゃねえか、おい。

=ロングソード
   鉄製の片手剣。見習い鍛治師ウエンの作品。鋳造品に再度火入れ打ち直しを行なったB級品=

   お、1つだけBがあった。まあこれでいいか。あとは剣帯と革鎧かな。
 皮の胸鎧って言うのかな

=革鎧(胸部)
 グレーウルフの革製、革職人グロウの作品。胸部の保護を目的とする=

 グレーウルフのの皮ならあるけど。薄い木の板に2000テナと書いてある。結構高いか。

=革鎧(上半身)
 グレーウルフの革製、革職人グロウの作品。上半身の保護を目的とする=

 これなら腹部と背部も保護される。げ、10000テナもするのか。

「なあ、店主、でいいのか。グレーウルフの皮を持ち込んだらこいつと同じタイプならいくらでできる?」

「んあ、私はアデナレ、店主の女房だよ。そうさね、ウルフの皮2匹分と裏打ち用のラビット系の皮3匹もありゃあ2000テナで作ってやんよ」

「ルーナ、ちょっと待っててくれるか。女将の前でアイテムボックスを使いたくないんだ、取りに行く振りをして店の裏に回って出してくる。俺が前に倒したグレーウルフとホーンラビットの皮があるんだ」

「はい、わかりました」

 本当はコピーしているところを見られたくないんだけどな。

「女将、ちょっと皮を取ってくる」

 店の横から細道に入り通りに背を向けホーンラビットの皮を取り出し5枚まとめてコピーする。全く同じ形の皮だと怪しいからな。ブレードディアの角も全く同じなんだが渡してから思い至った。バレないことを祈るのみだ。
 グレーウルフの皮をコピーしてホーンラビットの皮とひとまとめにして店に戻る。

「すまん、女将ここにグレーウルフ4枚とホーンラビット5枚ある、これで俺とルーナの分を作ってくれ」

 アデナレは皮を広げて確認する。

「え、フブキさん、私は」

「ルーナだっているだろ、その胸当て?結構年季入ってるし」

「ありがとうございます、嬉しいです」

「ふん、傷が少ないね、いい皮だ。いいよ2人分3000で、あと余った皮をもらうってのでやってやんよ。それでどうだい」

 俺は皮の価値がよくわからないのでルーナをみる。

「ウルフの皮が一枚1000から2000、ラビットが500から800前後で売れるとして…」

 ブツブツ言いながら計算している。高値で売ったとして1万2000、出来上がりを買うより安くつくよな。

「それで頼む」

 アデナレはニッと笑った。

「あいよ、おい、グロウちょいとこっちきな!」

 アデナレが奥に向かって叫ぶと親おっさんが1人出てきた。

「なんでい、アデナレ、呼んだか」

「お客だよ、そっちの坊主の採寸やんな、私はこっちの嬢ちゃんの採寸やんよ」

 あっちこっちのサイズを測られた。なぜ上半身用で足回りまで測るのだろう。まあいい。

「ほれ、交換用の札だ、出来上がりは早くて明後日の朝だね。金はそん時でいいよ」

 グロウと呼ばれた男は採寸値を書いた板と毛皮を持って奥に戻っていった。

「じゃあ、角の方もその時で。こっちの剣と剣帯をもらう」

 俺が差し出した剣を見てアデナレはおやっと右眉だけ器用にあげる。

「その剣帯は500だね」

 俺はアデナレに500テナ渡しその場でベルトを止め剣を左腰にさす。なんとなく冒険者っぽい気がしてきた。

「兄ちゃん名前は?」

「フブキだ。では明後日とりにくる」

「あいよ、毎度あり」

 店を出てちょうど斜め前に道具屋があったので今度はそっちに行く。

「ルーナ、次は向こうの道具屋だ」
「はいっ」

 すっかり機嫌はよくなったようだな。


 俺は2メートル×3メートルくらいの麻袋と10メートルの荒縄。剣帯の後ろにナイフが差し込めるようになっていたのでナイフを一つ、何に使うためのものかわからないがおちょこサイズの器をツナデ用に購入した。
 麻袋が15、荒縄が25、ナイフが50、器が10で合計100テナだった。

 ここまで来たらクエルの店までそんなに遠くないな。

「ルーナ、ちょっとクエルの店によるぞ」

 そのまま早足で移動する。今の俺の早足だと走ってるみたいなスピードだがな。



 「おや、フブキ何かようかい」

 店に入るとカウンターのミラさんが声をかけて来た。

「申し訳ないんだがマリク草があれば見せてもらえないだろうか」

「採取依頼を受けたのかい、ちょっとまちな」

 ミラさんは引き出しから薬草を取り出しカウンターに置く。

「乾燥してるけどこれがマリク草。マジックポーションの材料だ」

=マリク草
   魔力回復効果がありマジックポーションの素材として用いられる。多年草で肉厚でひし形の葉、魔素の多い場所に生え周囲の魔素を吸収する為密生する事はない=

「ありがとう」

「どういたしまして。余分に採れたらうちで買い取るよ。依頼は薬師ギルドのやつだろ。うちなら1籠1000で買い取るよ」

「ああ、たくさん採れたら持ってくる」

 結構時間を食ってしまった。

「お待たせ。じゃあ行こうか」

 俺たちは門に向かって歩き出す。

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