47 / 68
2章-1
第11話
しおりを挟む
その夜。
自室のベッドで横になりながら俺はいろいろと考えを巡らせていた。
(う~ん……ぜんぜん眠れん……)
就寝したはいいもののまるで寝つくことができない。
領主館に移り住んでからこんなこといちどもなかったのにな。
今日聞いた話がどうしても気になってしまう。
あのあと。
俺はすぐに集会の間へと戻った。
すでにあたりは暮れかかってたからずいぶんと長い間みんなを待たせてしまっていた。
当然のように心配の声が上がる。
「ティムさま! 吾輩は心配しておりましたよ~!」
「ほっ……。無事に戻って来られたようでひと安心やで……」
「これ以上遅ければ我々が駆けつけるところでした」
幹部の三人が胸を撫で下ろしていると霧丸が訊ねてくる。
「それでどんな話をされたのでしょうか?」
「……特に大した話じゃなかったかな。ここで話すことでもないよ」
人族の生き残りがわざわざ訪ねて来たんだ。
それなりの話があったはずと、みんな気づいてるみたいだったけど。
誰もその件についてそれ以上訊ねてくるようなことはなかった。
(変に気を使わせちまったな)
もちろん言うのを控えたのには理由がある。
俺はもともとエアリアル帝国の第一皇子で勇者さまでもあったなんて。
そんな事実を伝えてみんなを混乱させたくなかったんだ。
今は皆が士気を高めて街の発展に尽力してるところだし。
その空気を余計な話でジャマしたくないっていう思いがあった。
「ウェルミィ、マキマ、ヤッザン、ブライ……」
ベッドの中で寝返りを打ちながら今日会った四人の名前を口にしてみる。
特になにか思い出すことはない。
(どうして覚えてないんだろう)
記憶を消されたから?
たしかにそれもあると思う。
でも。
よくよく考えれば当然のことかもしれない。
ルーデウスは大魔帝ニズゼルファとの戦いに負けたんだ。
それでこの器に魂が転生した。
つまりルーデウスと今の俺はまったくの別人なわけで。
「そうだよな。他人事に思えて当たり前だよな」
それが分かると気持ちもいくぶんすっきりしてくる。
(夜風でも浴びて少し頭を冷やすか)
俺はいちどベッドから起き上がった。
◇◇◇
真夜中の街は思いのほかしんと静まり返っていた。
昼間が活気づいてるからそんな風に感じるのかもしれない。
こうして夜に街を歩くのははじめてだったりする。
「~~♪ ~~♪」
目的地も決めず鼻歌まじりに歩いていく。
夜風もひんやりとしてて思いのほか気持ちいい。
(静かな夜だなぁ)
イヌイヌタウンへ来た当初はデボンの森からモンスターの雄叫びのような声が断続的に聞えていた。
けど最近じゃめっきり聞かない。
これもルーク軍曹たち辺境調査団のおかげだ。
(着々と安全に暮らせる国に近づいてるぞ)
そんなことを考えながらあてどもなく歩いていく。
しばらくして広場の前に出た。
その先にはウェルミィたちが泊ってる宿屋がある。
(今ごろぐっすり寝てるかな)
一ヶ月も長い旅をしてやって来たわけだから当然か。
ふとそんなことを考えるとちくりと胸が痛んだ。
四人には本当に悪いことしちまったな。
だけど。
同情心から彼女たちの話を受け入れるってのはまた違う。
明日にも帰ってしまうんだ。
そうすればこれまでどおりの日常が戻ってくる。
今日聞いた話もすぐ忘れるに違いない。
(だって今の俺はこの国の盟主――ティム・ベルリなんだから)
ここには俺を必要としてくれる仲間が大勢いる。
みんなを置いたままどこかへ行くなんてやっぱりできなかった。
◇◇◇
「……あれ? ずいぶんと遠くまで来ちゃったな」
領主館からだいぶ離れた場所まで来てしまったことに気づく。
ほとんど街の端っこだ。
そのまま水路に沿って歩いていくと。
「?」
水路にかかる小さな橋に誰かが腰をかけているのが見えてくる。
(こんな時間にこんな場所で……いったい誰だろう?)
少しだけ警戒しながら人影へ向けてゆっくりと歩いていく。
すると。
月明りに照らされてその姿がはっきりとする。
それを見て俺は驚いた。
「きみは……マキマ……?」
「……え……」
彼女も口元に手を当てて同じように驚いた。
けどすぐに姿勢を正すと、折り目正しくお辞儀する。
「こんばんは。まさかこんな時間にお逢いするとは思っておりませんでした」
「そうだな」
このまま通り過ぎるわけにもいかず、なんとなく立ち止まってしまう。
少しだけ気まずい沈黙が流れる。
水路を流れる水の音とふわりとなびく夜風が小さく木霊していた。
(なにを話せばいいんだ?)
こうして改めてふたりきりになると会話はとたんに思い浮かばない。
当たり前だ。
以前は親交があったのかもしれないけど今の俺にはその当時の記憶がない。
村人に転生して見た目も変わってるわけだし。
それになにより。
あんな言い方をして宿屋をあとにしたっていう手前もある。
「……」
マキマもそれが分かっているからか。
橋の下を流れる水路に目を落としながら静かに黙っていた。
「……んじゃ。おやすみ……」
これ以上ここにいると罪悪感に押し潰されそうだった。
くるりと踵を返してこの場をあとにしようとする。
けど。
「あの……少しお話しませんか?」
俺はマキマに呼び止められてしまう。
その言葉にはどこか決意のようなものが含まれていた。
「よろしければこちらに御座りください」
ちょこんとマキマが隣りに移動する。
「昔もこうしてルーデウスさまと並んでよくお話していたんです」
「?」
「あ、ごめんなさい。ルーデウスさまと呼ばれるのは……」
「いや、いいんだ。さっきはきつく当たってすまなかったな」
頭をかきながら俺がそう言うとマキマはふっと笑みをこぼした。
「ふふ。そういうお優しいところは昔のままですね」
「え、そうなのか?」
「はい。ルーデウスさまは普段はとてもクールでしたがいつも芯にはそのようなお優しさがありました」
どうしてだろう。
マキマにそんな風に言われるとこの場から立ち去ることができなくなっていた。
目の前の彼女が宿屋で話したときよりもとても近くに感じられたからかもしれない。
「本当のことを言うと……ここでティムさまとお逢いできたらいいなーって思って夜風に当たってたんです」
「でもここは市街地からけっこう離れてるけど」
「そうなんです。だから奇跡だって思って驚いたんです!」
まるで子供のように屈託のない笑顔をぱっと輝かせる。
その表情を見て俺はハッとした。
(今までぜんぜん気に留めなかったけど……マキマってかなり美人だ)
このときになって俺は彼女の魅力にようやく気づいた。
「先ほどは表面的なお話しかできませんでしたから」
「まあそうだな」
「それで少し寝つけなかったので街を歩いて見てみようと思って。そんな風に歩いてるうちにいつの間にかこんな遠くまで来てしまってたんです。それでこの橋に座ってティムさまが来ないかなーって考えてたんです。そしたら本当にいらっしゃって!」
「まったくすごい偶然もあったものだ」
「うふふ♪」
そのたおやかな笑顔に引き寄せられるみたいに。
俺はマキマの隣りに腰をかける。
それは昔からの定位置であるみたいに不思議と馴染んだ。
自室のベッドで横になりながら俺はいろいろと考えを巡らせていた。
(う~ん……ぜんぜん眠れん……)
就寝したはいいもののまるで寝つくことができない。
領主館に移り住んでからこんなこといちどもなかったのにな。
今日聞いた話がどうしても気になってしまう。
あのあと。
俺はすぐに集会の間へと戻った。
すでにあたりは暮れかかってたからずいぶんと長い間みんなを待たせてしまっていた。
当然のように心配の声が上がる。
「ティムさま! 吾輩は心配しておりましたよ~!」
「ほっ……。無事に戻って来られたようでひと安心やで……」
「これ以上遅ければ我々が駆けつけるところでした」
幹部の三人が胸を撫で下ろしていると霧丸が訊ねてくる。
「それでどんな話をされたのでしょうか?」
「……特に大した話じゃなかったかな。ここで話すことでもないよ」
人族の生き残りがわざわざ訪ねて来たんだ。
それなりの話があったはずと、みんな気づいてるみたいだったけど。
誰もその件についてそれ以上訊ねてくるようなことはなかった。
(変に気を使わせちまったな)
もちろん言うのを控えたのには理由がある。
俺はもともとエアリアル帝国の第一皇子で勇者さまでもあったなんて。
そんな事実を伝えてみんなを混乱させたくなかったんだ。
今は皆が士気を高めて街の発展に尽力してるところだし。
その空気を余計な話でジャマしたくないっていう思いがあった。
「ウェルミィ、マキマ、ヤッザン、ブライ……」
ベッドの中で寝返りを打ちながら今日会った四人の名前を口にしてみる。
特になにか思い出すことはない。
(どうして覚えてないんだろう)
記憶を消されたから?
たしかにそれもあると思う。
でも。
よくよく考えれば当然のことかもしれない。
ルーデウスは大魔帝ニズゼルファとの戦いに負けたんだ。
それでこの器に魂が転生した。
つまりルーデウスと今の俺はまったくの別人なわけで。
「そうだよな。他人事に思えて当たり前だよな」
それが分かると気持ちもいくぶんすっきりしてくる。
(夜風でも浴びて少し頭を冷やすか)
俺はいちどベッドから起き上がった。
◇◇◇
真夜中の街は思いのほかしんと静まり返っていた。
昼間が活気づいてるからそんな風に感じるのかもしれない。
こうして夜に街を歩くのははじめてだったりする。
「~~♪ ~~♪」
目的地も決めず鼻歌まじりに歩いていく。
夜風もひんやりとしてて思いのほか気持ちいい。
(静かな夜だなぁ)
イヌイヌタウンへ来た当初はデボンの森からモンスターの雄叫びのような声が断続的に聞えていた。
けど最近じゃめっきり聞かない。
これもルーク軍曹たち辺境調査団のおかげだ。
(着々と安全に暮らせる国に近づいてるぞ)
そんなことを考えながらあてどもなく歩いていく。
しばらくして広場の前に出た。
その先にはウェルミィたちが泊ってる宿屋がある。
(今ごろぐっすり寝てるかな)
一ヶ月も長い旅をしてやって来たわけだから当然か。
ふとそんなことを考えるとちくりと胸が痛んだ。
四人には本当に悪いことしちまったな。
だけど。
同情心から彼女たちの話を受け入れるってのはまた違う。
明日にも帰ってしまうんだ。
そうすればこれまでどおりの日常が戻ってくる。
今日聞いた話もすぐ忘れるに違いない。
(だって今の俺はこの国の盟主――ティム・ベルリなんだから)
ここには俺を必要としてくれる仲間が大勢いる。
みんなを置いたままどこかへ行くなんてやっぱりできなかった。
◇◇◇
「……あれ? ずいぶんと遠くまで来ちゃったな」
領主館からだいぶ離れた場所まで来てしまったことに気づく。
ほとんど街の端っこだ。
そのまま水路に沿って歩いていくと。
「?」
水路にかかる小さな橋に誰かが腰をかけているのが見えてくる。
(こんな時間にこんな場所で……いったい誰だろう?)
少しだけ警戒しながら人影へ向けてゆっくりと歩いていく。
すると。
月明りに照らされてその姿がはっきりとする。
それを見て俺は驚いた。
「きみは……マキマ……?」
「……え……」
彼女も口元に手を当てて同じように驚いた。
けどすぐに姿勢を正すと、折り目正しくお辞儀する。
「こんばんは。まさかこんな時間にお逢いするとは思っておりませんでした」
「そうだな」
このまま通り過ぎるわけにもいかず、なんとなく立ち止まってしまう。
少しだけ気まずい沈黙が流れる。
水路を流れる水の音とふわりとなびく夜風が小さく木霊していた。
(なにを話せばいいんだ?)
こうして改めてふたりきりになると会話はとたんに思い浮かばない。
当たり前だ。
以前は親交があったのかもしれないけど今の俺にはその当時の記憶がない。
村人に転生して見た目も変わってるわけだし。
それになにより。
あんな言い方をして宿屋をあとにしたっていう手前もある。
「……」
マキマもそれが分かっているからか。
橋の下を流れる水路に目を落としながら静かに黙っていた。
「……んじゃ。おやすみ……」
これ以上ここにいると罪悪感に押し潰されそうだった。
くるりと踵を返してこの場をあとにしようとする。
けど。
「あの……少しお話しませんか?」
俺はマキマに呼び止められてしまう。
その言葉にはどこか決意のようなものが含まれていた。
「よろしければこちらに御座りください」
ちょこんとマキマが隣りに移動する。
「昔もこうしてルーデウスさまと並んでよくお話していたんです」
「?」
「あ、ごめんなさい。ルーデウスさまと呼ばれるのは……」
「いや、いいんだ。さっきはきつく当たってすまなかったな」
頭をかきながら俺がそう言うとマキマはふっと笑みをこぼした。
「ふふ。そういうお優しいところは昔のままですね」
「え、そうなのか?」
「はい。ルーデウスさまは普段はとてもクールでしたがいつも芯にはそのようなお優しさがありました」
どうしてだろう。
マキマにそんな風に言われるとこの場から立ち去ることができなくなっていた。
目の前の彼女が宿屋で話したときよりもとても近くに感じられたからかもしれない。
「本当のことを言うと……ここでティムさまとお逢いできたらいいなーって思って夜風に当たってたんです」
「でもここは市街地からけっこう離れてるけど」
「そうなんです。だから奇跡だって思って驚いたんです!」
まるで子供のように屈託のない笑顔をぱっと輝かせる。
その表情を見て俺はハッとした。
(今までぜんぜん気に留めなかったけど……マキマってかなり美人だ)
このときになって俺は彼女の魅力にようやく気づいた。
「先ほどは表面的なお話しかできませんでしたから」
「まあそうだな」
「それで少し寝つけなかったので街を歩いて見てみようと思って。そんな風に歩いてるうちにいつの間にかこんな遠くまで来てしまってたんです。それでこの橋に座ってティムさまが来ないかなーって考えてたんです。そしたら本当にいらっしゃって!」
「まったくすごい偶然もあったものだ」
「うふふ♪」
そのたおやかな笑顔に引き寄せられるみたいに。
俺はマキマの隣りに腰をかける。
それは昔からの定位置であるみたいに不思議と馴染んだ。
103
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる