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馬鹿息子の現実
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数日経つと、エルドールがダズベルトを訪ねて来た。
「父上、辞書と文献だけでは無理です。せめて、教えてくれる者を付けてください」
「お前に教えている暇な者などおらん」
古代語の学者は、難し過ぎて人数が少ない上に、今までは過去の文献を細々と解読をしていた。
だが、3年前に空き家となっており、崩れては危険なので、解体することになった邸の地下室から見付かった手紙、日記、資料、本。奇跡的に保存状態が良かったのか、読める物ではあったが、あまりに古い物で、解読が出来なかった。
即戦力となるはずの重鎮たちは高齢になっており、作業が出来ない者もおり、やる気はあっても無理はさせられない。
国内の学者と手伝いに研究生も、解読を試みたが、なかなか進まなかった。
そして、頼ることになったのが、古代語の権威と言われたレオドラ・オズラール前公爵の孫である、ヨルレアン・エン・オズラールであった。
まだ13歳であるために、さすがに無理はさせられないとなっていたが、エルドールの婚約者になったこと、早く文献を発表したい者によって、ヨルレアンは沢山の解読を抱えることになった。
「だったら、無理に決まっているではありませんか!ヨルレアン嬢は、教えて貰ってでしょう?」
「責任を取れと言ったはずだが?」
「私には出来ません」
「そんなにすぐ投げ出すのか?話すわけではないのだから、辞書や資料を調べれば、出来ないことではない」
「私のやるべきことではありません」
エルドールは辞書を見てみたが、読むことも出来ないので、どの部分を探せばいいのか分からず、それでも辞書を捲って、何とか見付けた部分だけを書き出してみたが、僅か過ぎて、文にはならなかった。
今日まで続けてはみたが、時間の無駄だと思うようになり、ダズベルトのところへやって来た。
「出来もしない者が、なぜヨルレアン嬢を相応しくないなどと言った?」
「古代語のことを言ったわけではありません」
「まあ、どうであれお前のせいであることは変わらない。やらないなら、やらないでいい。非難だけでして自分は何もする気がない、口だけだと言われるだけだからな」
「な…」
押し付けた者たちはヨルレアンへの謝罪文と、二度と押し付けないと誓約書を書かされ、出世の道も閉ざされることになった。一筆からエルドールのせいで、解読はしないと返却されたと認識されている。
「私がヨルレアン嬢にやれと言ったわけではありません」
「お前は理不尽なことを言うのに、屁理屈ばかりだな」
「私は理不尽なことを言った覚えはありません」
「はあ…現在、お前の行動を調べさせて、報告を待っている段階だから、万が一不貞行為でもあったら、覚悟して置けよ」
既に聞き取りと、調査は終わっているので、近い内にオーベルと聞くことになっている。
「な!そんなことはしていません」
「ならばいいじゃないか」
「そうですが…ヨルレアンはいつ学園に来るのですか?」
「さあな」
「これでは問題があると思われてしまいます」
学園ではいくら存在感のなかったヨルレアンでも、どうして休んでいるのかと噂になっており、怒鳴ったことが関係しているのかと言われている。
「はあ…だから、ヨルレアン嬢は学園には本来、通わなくとも良いと言っているだろう?」
「ですが」
「お前の言い出した婚約解消も、とりあえずは保留として貰っているが、母君の方に言われたら、おしまいだからな?そのくらい、分かっているよな?」
「そ、それは…でも私は注意しようとしただけで、解消はヨルレアンがしましょうと言ったからで」
「ひとのせいにするな!お前が言い出したんだろうがぁ!自分の言ったことには責任くらい持て!」
婚約を解消と言ったのは、エルドールであり、さすがに言い返すことが出来ずに、渋々部屋に戻ることになった。
そして、ダズベルトとオーバンは調査結果を聞くことになった。
「父上、辞書と文献だけでは無理です。せめて、教えてくれる者を付けてください」
「お前に教えている暇な者などおらん」
古代語の学者は、難し過ぎて人数が少ない上に、今までは過去の文献を細々と解読をしていた。
だが、3年前に空き家となっており、崩れては危険なので、解体することになった邸の地下室から見付かった手紙、日記、資料、本。奇跡的に保存状態が良かったのか、読める物ではあったが、あまりに古い物で、解読が出来なかった。
即戦力となるはずの重鎮たちは高齢になっており、作業が出来ない者もおり、やる気はあっても無理はさせられない。
国内の学者と手伝いに研究生も、解読を試みたが、なかなか進まなかった。
そして、頼ることになったのが、古代語の権威と言われたレオドラ・オズラール前公爵の孫である、ヨルレアン・エン・オズラールであった。
まだ13歳であるために、さすがに無理はさせられないとなっていたが、エルドールの婚約者になったこと、早く文献を発表したい者によって、ヨルレアンは沢山の解読を抱えることになった。
「だったら、無理に決まっているではありませんか!ヨルレアン嬢は、教えて貰ってでしょう?」
「責任を取れと言ったはずだが?」
「私には出来ません」
「そんなにすぐ投げ出すのか?話すわけではないのだから、辞書や資料を調べれば、出来ないことではない」
「私のやるべきことではありません」
エルドールは辞書を見てみたが、読むことも出来ないので、どの部分を探せばいいのか分からず、それでも辞書を捲って、何とか見付けた部分だけを書き出してみたが、僅か過ぎて、文にはならなかった。
今日まで続けてはみたが、時間の無駄だと思うようになり、ダズベルトのところへやって来た。
「出来もしない者が、なぜヨルレアン嬢を相応しくないなどと言った?」
「古代語のことを言ったわけではありません」
「まあ、どうであれお前のせいであることは変わらない。やらないなら、やらないでいい。非難だけでして自分は何もする気がない、口だけだと言われるだけだからな」
「な…」
押し付けた者たちはヨルレアンへの謝罪文と、二度と押し付けないと誓約書を書かされ、出世の道も閉ざされることになった。一筆からエルドールのせいで、解読はしないと返却されたと認識されている。
「私がヨルレアン嬢にやれと言ったわけではありません」
「お前は理不尽なことを言うのに、屁理屈ばかりだな」
「私は理不尽なことを言った覚えはありません」
「はあ…現在、お前の行動を調べさせて、報告を待っている段階だから、万が一不貞行為でもあったら、覚悟して置けよ」
既に聞き取りと、調査は終わっているので、近い内にオーベルと聞くことになっている。
「な!そんなことはしていません」
「ならばいいじゃないか」
「そうですが…ヨルレアンはいつ学園に来るのですか?」
「さあな」
「これでは問題があると思われてしまいます」
学園ではいくら存在感のなかったヨルレアンでも、どうして休んでいるのかと噂になっており、怒鳴ったことが関係しているのかと言われている。
「はあ…だから、ヨルレアン嬢は学園には本来、通わなくとも良いと言っているだろう?」
「ですが」
「お前の言い出した婚約解消も、とりあえずは保留として貰っているが、母君の方に言われたら、おしまいだからな?そのくらい、分かっているよな?」
「そ、それは…でも私は注意しようとしただけで、解消はヨルレアンがしましょうと言ったからで」
「ひとのせいにするな!お前が言い出したんだろうがぁ!自分の言ったことには責任くらい持て!」
婚約を解消と言ったのは、エルドールであり、さすがに言い返すことが出来ずに、渋々部屋に戻ることになった。
そして、ダズベルトとオーバンは調査結果を聞くことになった。
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