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シレラーダ伯爵令嬢2
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グリズバトンも、オズラール公爵令嬢のことを簡単に口に出す立場にはないが、ローレル王太子殿下の側近であることで、情報は入って来るが、ローズマリーにも全てを伝えるわけにはいかない。
グリズバトンは、ローレル殿下からエルドールの所業のことを聞いていたが、ローズマリーには伝えていない。
そして現在、オズラール公爵令嬢は諸事情で、コーランド王国を離れていることも内密な情報である。
『ああ、素晴らしい方だものな』
『はい!』
そんな興奮する話をした矢先に、ローズマリーは友人からオマリーの話を聞き、顔を取り繕うことも出来なかった。
『どういうこと?』
『マリーもお手伝いしたのではないの?』
『しておりませんし、出来ませんわ』
『そうなのですか?』
友人は伯爵令嬢と子爵令嬢たちだったが、キョトンとした顔をしていた。
『信じているの?』
『嘘なのですか…?』
『確実に嘘だと思いますけど』
『え…』
皆は顔を見合わせて不思議そうな顔をして、その様子にローズマリーは信じる人がいるのかと驚いた。
『誰から聞いたの?』
『従兄よ、男爵家の』
『広まっているの?』
『いえ、そこまでは分からないわ』
ローズマリーは、物理的に両手で頭を抱えた。ヨルレアン様の功績が、こんな形で汚されるなんて許せなかった。
『解読は手伝った方はいらっしゃるでしょうけど…手伝ったなんて口にするようなことではないことです。例えば、課題を出されて、書くものがなくてペンを貸してくれた方が、課題を手伝ったと言っているようなものですのよ?』
解読は調べ物も多いと聞くので、手伝った方はいるだろうが、その方たちは手柄だとは思うような方はいないだろう。万が一にもいたとしたら、ただの馬鹿だろう。
『まあ…そうなの』
『それは図々しいわ』
ローズマリーの例えに、皆も顔を顰め、それはあり得ないと感じた。
『そうでしょう?信じられないわ』
『ええ、そうね』
『絶対に嘘だと思うけど、念のためにも殿下にも伺ってみるわ。皆もいくら噂でも、口にしては駄目よ』
分かったわと皆は頷き、エルドールに問い掛けたのである。そして、友人たちにやはり嘘であったことを伝えた。
『成績優秀者に入っている方なのに、どういった思考回路をしてらっしゃるの』
『でもあの方、落ちたこともあるのではない?』
『そうよ、でも生徒会に選ばれたのよね?』
オマリーはずっと成績優秀者に入っているわけではない、変動はある。
『優秀な方なら他にもいるけど、丁度いい爵位だったからだと思うわ』
『シーノ子爵令嬢は、お忙しいものね』
『ええ、あの方は選ばれても難しかったでしょう』
シーノ子爵令嬢も成績優秀者であるが、ピアニストとして活躍をしており、学園を休むことも多い。
『後は、それこそ婚約者の方…丁度良かったには納得だわ』
『でも、今回のことは気味が悪いわ』
『ええ、知り合いでもないけど…ちょっとねえ』
令嬢たちの中で、オマリーは近付くな奇妙という存在となった。
「ローズマリー嬢、ちょっといいか」
生徒会室で、ローズマリーはエルドールに呼ばれて、頼まれごとをされることになった。それはローズマリーにとって、緊張が最高潮となる話であった。
「私がですか?」
「ああ、カイロスでは何か勘繰られても困る」
「それはそう思いますが、髪型おかしくないですか?こんなことなら、もっと念入りに手入れをしたのに」
ローズマリーは、慌てふためきながら、髪の毛を押さえつけたりしている。
「兄上の言うことは本当だったのだな」
「え?」
「君が尊敬していると」
「当たり前じゃないですか」
「この前は怖いと言っていたじゃないか」
「たかが伯爵令嬢が憧れているなんて、気持ち悪いと思われたら嫌だからです」
エルドールはてっきり怖がって近付かないのかと思ったが、恐れ多くて近付かなかったようだと分かった。
グリズバトンは、ローレル殿下からエルドールの所業のことを聞いていたが、ローズマリーには伝えていない。
そして現在、オズラール公爵令嬢は諸事情で、コーランド王国を離れていることも内密な情報である。
『ああ、素晴らしい方だものな』
『はい!』
そんな興奮する話をした矢先に、ローズマリーは友人からオマリーの話を聞き、顔を取り繕うことも出来なかった。
『どういうこと?』
『マリーもお手伝いしたのではないの?』
『しておりませんし、出来ませんわ』
『そうなのですか?』
友人は伯爵令嬢と子爵令嬢たちだったが、キョトンとした顔をしていた。
『信じているの?』
『嘘なのですか…?』
『確実に嘘だと思いますけど』
『え…』
皆は顔を見合わせて不思議そうな顔をして、その様子にローズマリーは信じる人がいるのかと驚いた。
『誰から聞いたの?』
『従兄よ、男爵家の』
『広まっているの?』
『いえ、そこまでは分からないわ』
ローズマリーは、物理的に両手で頭を抱えた。ヨルレアン様の功績が、こんな形で汚されるなんて許せなかった。
『解読は手伝った方はいらっしゃるでしょうけど…手伝ったなんて口にするようなことではないことです。例えば、課題を出されて、書くものがなくてペンを貸してくれた方が、課題を手伝ったと言っているようなものですのよ?』
解読は調べ物も多いと聞くので、手伝った方はいるだろうが、その方たちは手柄だとは思うような方はいないだろう。万が一にもいたとしたら、ただの馬鹿だろう。
『まあ…そうなの』
『それは図々しいわ』
ローズマリーの例えに、皆も顔を顰め、それはあり得ないと感じた。
『そうでしょう?信じられないわ』
『ええ、そうね』
『絶対に嘘だと思うけど、念のためにも殿下にも伺ってみるわ。皆もいくら噂でも、口にしては駄目よ』
分かったわと皆は頷き、エルドールに問い掛けたのである。そして、友人たちにやはり嘘であったことを伝えた。
『成績優秀者に入っている方なのに、どういった思考回路をしてらっしゃるの』
『でもあの方、落ちたこともあるのではない?』
『そうよ、でも生徒会に選ばれたのよね?』
オマリーはずっと成績優秀者に入っているわけではない、変動はある。
『優秀な方なら他にもいるけど、丁度いい爵位だったからだと思うわ』
『シーノ子爵令嬢は、お忙しいものね』
『ええ、あの方は選ばれても難しかったでしょう』
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『後は、それこそ婚約者の方…丁度良かったには納得だわ』
『でも、今回のことは気味が悪いわ』
『ええ、知り合いでもないけど…ちょっとねえ』
令嬢たちの中で、オマリーは近付くな奇妙という存在となった。
「ローズマリー嬢、ちょっといいか」
生徒会室で、ローズマリーはエルドールに呼ばれて、頼まれごとをされることになった。それはローズマリーにとって、緊張が最高潮となる話であった。
「私がですか?」
「ああ、カイロスでは何か勘繰られても困る」
「それはそう思いますが、髪型おかしくないですか?こんなことなら、もっと念入りに手入れをしたのに」
ローズマリーは、慌てふためきながら、髪の毛を押さえつけたりしている。
「兄上の言うことは本当だったのだな」
「え?」
「君が尊敬していると」
「当たり前じゃないですか」
「この前は怖いと言っていたじゃないか」
「たかが伯爵令嬢が憧れているなんて、気持ち悪いと思われたら嫌だからです」
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