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シレラーダ伯爵邸
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「お父様、この包装紙を綺麗に取っておきたいの。だから、綺麗に剥がして頂戴」
「はい?」
差し出されたのは、パイナップルの絵が描かれた包装紙に包まれた箱であった。
「オズラール公爵令嬢にいただいたそうだ、それで記念に包装紙だけでも取って置きたいそうだよ」
「オズラール公爵令嬢に?」
「ああ」
ローズマリーは、横で激しく頷いている。
「分かった、やってみよう」
「お願いします!」
グリズバトンはソファに座って待っていたが、ローズマリーはじっと父の剥がす様を見ている。
「ローズマリー、ちょっとやりにくいかな」
「ごめんなさい」
何をしているのとやって来たのは、母であるシレラーダ夫人であった。
「包装紙を綺麗に剥がしているんだ」
「はい?」
「ローズマリーが、オズラール公爵令嬢にお土産に貰ったんだ」
「まあ、オズラール公爵令嬢に?額を用意した方が良いかしら?」
「パイナップルの包装紙だよ?」
グリズバトンは結局、箱の中身が何なのかは分からないままだったが、さすがに額はないだろうと思ったが、母の目は冗談を言ってはいなかった。
「それでもよ、どこかに使っていない物があったような」
「お母様、お願い!」
話の聞こえたローズマリーは、母に向かって叫んだ。
「探してみるわ」
母は額を探しに行き、父は爆弾でも解体しているのかというほど、慎重に剥がしており、ローズマリーは息を呑んで待っているおかしな状況であったが、それほどまでに雲の上の存在であることは間違いない。
そして、グリズバトンは翌日、ローレル王太子殿下に報告をしていた。
「無事にオズラール公爵令嬢に、届けられたようです」
「それはご苦労だったな」
運ばれたのは、勿論と言っていい解読の文献であった。
「いえ、ローズマリーは浮かれ切っておりましたよ」
「そうだろうな」
グリズバトンはローレルに、ローズマリーがヨルレアンを尊敬していることを話しており、友人になれるのではないのかと話したこともあったが、ローズマリーは恐れ多すぎると縮こまるくらいであることを知っている。
エルドールにローズマリーに頼むといいと、助言したのはローレルであった。
「お土産にもらったパイナップルのチーズケーキの包装紙は、額に入れられて飾られることになりました」
「包装紙を?」
「はい、額に入れたことで、何だかいい感じになっております」
大きくパイナップルの描かれた包装紙だったが、絵画のように飾られており、ローズマリーはそれをとても嬉しそうに見ている。
オズラール公爵令嬢も、そんなことになっているとは思ってもいないだろう。
「そうか、それはそれは」
「今日はお礼状を書くのに、パイナップルのレターセットを探しに行くと言っておりました。ですが、オズラール公爵令嬢には内緒でお願いします。流石に気味が悪いでしょうから」
ローズマリーはオズラール公爵令嬢に気味悪がられたら、まともに生きて行けないかもしれないと思っている。
「ああ、分かった分かった。それで、ケーキは美味しかったか?」
「ええ、それはもう!とても美味しくて、ローズマリーも両親も噛み締めながら食べておりました」
「パイナップルのチーズケーキか」
「ルエルフ王国で流行っているそうです。王家にもお土産にあったのではないですか?」
「ん?私は食べていないが…まさか?」
「両陛下が?そんなまさか?」
ローレルはとても嫌な予感がした、あの両親はそういったところがある。後で問い詰めようと思った。
案の定、アフタヌーンティーの時間に両親が、美味しそうに食べていた。
「後…ローズマリーが学園から運ぶ際に、トドック男爵令嬢がわざわざやって来て、自分に代わるように言われたそうです」
オズラール公爵邸で夢心地だったローズマリーは、すっかりオマリーのことを忘れていたが、パイナップルのチーズケーキを食べ終えて、ぽやぽやしていたが、そういえば!と、思い出したようにグリズバトンに話した。
「はい?」
差し出されたのは、パイナップルの絵が描かれた包装紙に包まれた箱であった。
「オズラール公爵令嬢にいただいたそうだ、それで記念に包装紙だけでも取って置きたいそうだよ」
「オズラール公爵令嬢に?」
「ああ」
ローズマリーは、横で激しく頷いている。
「分かった、やってみよう」
「お願いします!」
グリズバトンはソファに座って待っていたが、ローズマリーはじっと父の剥がす様を見ている。
「ローズマリー、ちょっとやりにくいかな」
「ごめんなさい」
何をしているのとやって来たのは、母であるシレラーダ夫人であった。
「包装紙を綺麗に剥がしているんだ」
「はい?」
「ローズマリーが、オズラール公爵令嬢にお土産に貰ったんだ」
「まあ、オズラール公爵令嬢に?額を用意した方が良いかしら?」
「パイナップルの包装紙だよ?」
グリズバトンは結局、箱の中身が何なのかは分からないままだったが、さすがに額はないだろうと思ったが、母の目は冗談を言ってはいなかった。
「それでもよ、どこかに使っていない物があったような」
「お母様、お願い!」
話の聞こえたローズマリーは、母に向かって叫んだ。
「探してみるわ」
母は額を探しに行き、父は爆弾でも解体しているのかというほど、慎重に剥がしており、ローズマリーは息を呑んで待っているおかしな状況であったが、それほどまでに雲の上の存在であることは間違いない。
そして、グリズバトンは翌日、ローレル王太子殿下に報告をしていた。
「無事にオズラール公爵令嬢に、届けられたようです」
「それはご苦労だったな」
運ばれたのは、勿論と言っていい解読の文献であった。
「いえ、ローズマリーは浮かれ切っておりましたよ」
「そうだろうな」
グリズバトンはローレルに、ローズマリーがヨルレアンを尊敬していることを話しており、友人になれるのではないのかと話したこともあったが、ローズマリーは恐れ多すぎると縮こまるくらいであることを知っている。
エルドールにローズマリーに頼むといいと、助言したのはローレルであった。
「お土産にもらったパイナップルのチーズケーキの包装紙は、額に入れられて飾られることになりました」
「包装紙を?」
「はい、額に入れたことで、何だかいい感じになっております」
大きくパイナップルの描かれた包装紙だったが、絵画のように飾られており、ローズマリーはそれをとても嬉しそうに見ている。
オズラール公爵令嬢も、そんなことになっているとは思ってもいないだろう。
「そうか、それはそれは」
「今日はお礼状を書くのに、パイナップルのレターセットを探しに行くと言っておりました。ですが、オズラール公爵令嬢には内緒でお願いします。流石に気味が悪いでしょうから」
ローズマリーはオズラール公爵令嬢に気味悪がられたら、まともに生きて行けないかもしれないと思っている。
「ああ、分かった分かった。それで、ケーキは美味しかったか?」
「ええ、それはもう!とても美味しくて、ローズマリーも両親も噛み締めながら食べておりました」
「パイナップルのチーズケーキか」
「ルエルフ王国で流行っているそうです。王家にもお土産にあったのではないですか?」
「ん?私は食べていないが…まさか?」
「両陛下が?そんなまさか?」
ローレルはとても嫌な予感がした、あの両親はそういったところがある。後で問い詰めようと思った。
案の定、アフタヌーンティーの時間に両親が、美味しそうに食べていた。
「後…ローズマリーが学園から運ぶ際に、トドック男爵令嬢がわざわざやって来て、自分に代わるように言われたそうです」
オズラール公爵邸で夢心地だったローズマリーは、すっかりオマリーのことを忘れていたが、パイナップルのチーズケーキを食べ終えて、ぽやぽやしていたが、そういえば!と、思い出したようにグリズバトンに話した。
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