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聖女とは?
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「一度、学べばすぐに翻訳が出来ると言っているようだ。事実、元はビリズ語は出来なかったが、学べばすぐに読めるようになったという話だ」
「いくつですか?メイランより一つ年上だ」
メイランは現在15歳、ちなみにローレルは20歳である。
「事実だとして、才能が開花したということですか?」
「そういうことらしいが…」
ダズベルトも話を聞いただけで、実際に見たわけでもないために、首を傾けるしかない気持ちであった。
「でも聖女と言うのは、おとぎ話ですとお怪我を直したり、魔物?などを倒したりするものではありませんか?」
「そうだよな」
「私もそんなことを聞いたことがある」
メイランの言葉に、エルドールとローレルも同意した。
「私も王妃も違和感を感じたんだ。それで聖女と呼ぶのも、ルスデン王国が言っているだけだと考え、調査部を向かわせたのだが、本当に聖女と呼ばれている」
「私たちとは感覚が違うのかもしれませんね」
「ああ、調査部もそう言っておった。それならば、勝手にすればいいと思うが…」
「まさか、解読をさせることをお考えなのですか?」
そんな怪しい者に、解読をさせようと思っているのではないかと疑った。
「私としてはそんな気はないが、話を持って来たのは、ヨルレアン嬢に解読を押し付けていた者でな。やらせてみるべきだと言い出しておってな」
「最悪ですね…」
お叱りを受けて、現在は外されてしまい、関わることも出来ず、そのような話に飛びついたのだろう。
「解読はしたことがあるのですか?」
「あると言っているそうだが、あの国は歴史が浅い。古代語の文献などはないのではないかと思っている」
「デタラメということですか?」
「分からない」
「言い出したのは、誰ですか?」
「グルダイヤ侯爵だ…息子の妻にしようとも考えているらしい」
「ああ…」
凡庸な侯爵なのだが、そのことがコンプレックスのようで、手柄が欲しい、もっと評価されたいと顔に書いてあるような男である。
「で、その者は何者なんですの!」
「メイランよりも一つ年上の男爵令嬢らしい」
「何だか、男爵令嬢を一括りにしたくはありませんが、印象が悪いですわね」
「私もそう思いましたわ」
オーバンとメイランは、見つめ合って溜息を付いた。
トドック男爵令嬢のせいで、すっかり男爵令嬢に過剰反応をしてしまうようになっていた。
「それでどうするおつもりなのですか?」
「まずは解読に当たっている者たちの同意が必要だろう」
「そうですね。グルダイヤ侯爵は手柄が欲しいだけで、何もしていないんですから。解読をされている方に失礼です」
グルダイヤ侯爵は解読に関わっていたわけではなかったのだが、何か出れば手柄に出来ると協力に手を挙げたが、指示するばかりで、何の役にも立つことはなかった。
そもそもがヨルレアンに、侯爵という立場と、エルドールの婚約者なのだからと真っ先にヨルレアンに解読を押し付けて、まだなのかと言っていた人物である。
他の者は、それに追随した形である。
グルダイヤ侯爵は『振り返る女』のことが発表されると、片足を叩き付けるほど悔しい思いをした。
だが、周りはお前は何もやっていないだろうという目で見ており、人望はない。
「許可が得られたら、その男爵令嬢が来るのですか?」
「ああ、そうなるかもしれない…留学したいとも言っているそうだ」
「コーランドにですか?」
ルスデン王国は小国であるために、国内より他国で箔を付けたいのかもしれない。
「ああ、実はルエルフ王国に打診をしたそうだが、断られたそうだ」
「女王陛下は嫌いそうですね」
「ああ、しかも解読など、愛娘に喧嘩を売っているのかと思われたのかもしれない」
「その通りですね」
ルアサーラ女王陛下は、責任感の強い、現実主義者である。
ルエルフ王国はコーランド王国より歴史が長く、古代語の解読は行われているが、そのような者を頼る気はないだろう。
ヨルレアンはルエルフ王国の解読も行っている。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
予定通り、17時にもう1話投稿させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「いくつですか?メイランより一つ年上だ」
メイランは現在15歳、ちなみにローレルは20歳である。
「事実だとして、才能が開花したということですか?」
「そういうことらしいが…」
ダズベルトも話を聞いただけで、実際に見たわけでもないために、首を傾けるしかない気持ちであった。
「でも聖女と言うのは、おとぎ話ですとお怪我を直したり、魔物?などを倒したりするものではありませんか?」
「そうだよな」
「私もそんなことを聞いたことがある」
メイランの言葉に、エルドールとローレルも同意した。
「私も王妃も違和感を感じたんだ。それで聖女と呼ぶのも、ルスデン王国が言っているだけだと考え、調査部を向かわせたのだが、本当に聖女と呼ばれている」
「私たちとは感覚が違うのかもしれませんね」
「ああ、調査部もそう言っておった。それならば、勝手にすればいいと思うが…」
「まさか、解読をさせることをお考えなのですか?」
そんな怪しい者に、解読をさせようと思っているのではないかと疑った。
「私としてはそんな気はないが、話を持って来たのは、ヨルレアン嬢に解読を押し付けていた者でな。やらせてみるべきだと言い出しておってな」
「最悪ですね…」
お叱りを受けて、現在は外されてしまい、関わることも出来ず、そのような話に飛びついたのだろう。
「解読はしたことがあるのですか?」
「あると言っているそうだが、あの国は歴史が浅い。古代語の文献などはないのではないかと思っている」
「デタラメということですか?」
「分からない」
「言い出したのは、誰ですか?」
「グルダイヤ侯爵だ…息子の妻にしようとも考えているらしい」
「ああ…」
凡庸な侯爵なのだが、そのことがコンプレックスのようで、手柄が欲しい、もっと評価されたいと顔に書いてあるような男である。
「で、その者は何者なんですの!」
「メイランよりも一つ年上の男爵令嬢らしい」
「何だか、男爵令嬢を一括りにしたくはありませんが、印象が悪いですわね」
「私もそう思いましたわ」
オーバンとメイランは、見つめ合って溜息を付いた。
トドック男爵令嬢のせいで、すっかり男爵令嬢に過剰反応をしてしまうようになっていた。
「それでどうするおつもりなのですか?」
「まずは解読に当たっている者たちの同意が必要だろう」
「そうですね。グルダイヤ侯爵は手柄が欲しいだけで、何もしていないんですから。解読をされている方に失礼です」
グルダイヤ侯爵は解読に関わっていたわけではなかったのだが、何か出れば手柄に出来ると協力に手を挙げたが、指示するばかりで、何の役にも立つことはなかった。
そもそもがヨルレアンに、侯爵という立場と、エルドールの婚約者なのだからと真っ先にヨルレアンに解読を押し付けて、まだなのかと言っていた人物である。
他の者は、それに追随した形である。
グルダイヤ侯爵は『振り返る女』のことが発表されると、片足を叩き付けるほど悔しい思いをした。
だが、周りはお前は何もやっていないだろうという目で見ており、人望はない。
「許可が得られたら、その男爵令嬢が来るのですか?」
「ああ、そうなるかもしれない…留学したいとも言っているそうだ」
「コーランドにですか?」
ルスデン王国は小国であるために、国内より他国で箔を付けたいのかもしれない。
「ああ、実はルエルフ王国に打診をしたそうだが、断られたそうだ」
「女王陛下は嫌いそうですね」
「ああ、しかも解読など、愛娘に喧嘩を売っているのかと思われたのかもしれない」
「その通りですね」
ルアサーラ女王陛下は、責任感の強い、現実主義者である。
ルエルフ王国はコーランド王国より歴史が長く、古代語の解読は行われているが、そのような者を頼る気はないだろう。
ヨルレアンはルエルフ王国の解読も行っている。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
予定通り、17時にもう1話投稿させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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