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問題のある侯爵令嬢
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ローズマリーはすぐに教師を呼びに行き、エルドールとカイロスは関わるなと言われていることから、無視することにした。
「殿下!ねえ、ちょっと殿下はどこ?」
何時まで経っても、誰も自分の元へ来る素振りのない様に、座っている昨日のドリーナではない令嬢、伯爵令嬢であるフリューナに声を掛けたが、フリューナは聞こえていない振りをしていた。
「ペーラー侯爵令嬢!何をしておるのだ!君の学年の階ではないだろう!」
ローズマリーが呼んで来たクリスティーナの担任である、リガラットがようやくクラスまでやって来た。
皆はこれが侯爵令嬢だったのかと、コーランド王国ではあり得ない様だと、昨日見ていた者はてっきりファミラの方を侯爵令嬢だと思っていたほどである。
「王子殿下にご挨拶がまだでしたから、伺っただけでございます」
「その必要はない」
「ですが、私はルスデン王国の侯爵令嬢として、ご挨拶もさせて貰えませんの?」
「必要はないと言ったのが、聞こえなかったのか?それとも、ルスデン王国に連絡をさせて貰った方がいいか?」
「あっ、いえ、私はマナーとして来ただけですの。戻りますわ」
学園側は3人が何か問題を起こせば、ルスデン王国に連絡をして、国に帰すことも了承を得ていた。
勿論、クリスティーナ、アリナ、ファミラも聞いている。
クリスティーナは職員室に連れて行かれ、リガラットと向き合った。
「ルスデン王国は、王族にあのような振る舞いが許されているのですか」
「ええ、まあ、フランクな王子殿下ですので」
フランクな王子とはミソオのことで、クリスティーナも話したことがあるのは、ミソオくらいであるためであった。
「我が国では知り合いでもない方に、あのようなことは無礼となります。二度と殿下のクラスには行かないように、次は報告します」
「で、でも学園でしょう?」
「学園だからです。あなたはコーランド王国の者ではないので、伝えても役には立たないでしょうけど、社交界に出て、学園の頃は違ったなどと言い出すことのないようにです」
「えっ?」
クリスティーナは、理解が出来ず、首を捻った。
「学園では平等、だが社交界に出れば違う。それは分かりますか?」
「ええ、勿論ですわ」
「それなのに、学園では平等だったのにと、引きずり続けることがないように、今後も考えながら、学園で弁えることを学ぶのです」
「なるほど、そうですのね」
理解は出来たが、クリスティーナは侯爵令嬢だから関係ないわと思っていた。
「節度を持ち、学園だからというのであれば、皆に優しい行動を心がけてください」
「ええ、分かりましたわ」
お説教を終わらせたいクリスティーナは、頷いて置けばいいだろうと、全く頭には残っていなかった。
その後、クリスティーナはエルドールのクラスを訪ねることはなかったが、エルドールの顔をクラスメイトから聞き出し、特定していた。
「婚約者はいらっしゃるの?」
「勿論です」
「そうよね、どの方か教えていただけないかしら?」
クリスティーナも、エルドールは3年であることから婚約者がいないとは思っていなかった。
「現在はお体が良くないとのことで、学園には必要な際だけで、登校は免除されているそうです」
何時まで経ってもヨルレアンが登校しないこと、だが時折、学園長と一緒にいるところを見掛けることから、またもジャスミンによって、必要な際にだけいらして、登校は免除されていると話をして貰った。
「病気なの?」
「詳しくは存じ上げません」
「どんな方?」
「お美しい方です」
「公爵令嬢?」
「ええ、そうです」
自分のことは横に置き、いくら美しくとも、きっと我儘な爵位だけしか取り柄のない公爵令嬢なのだろうと思った。
しかも、病気で休んでいるなんて、婚約者失格じゃない?と思うのも早かった。
「殿下!ねえ、ちょっと殿下はどこ?」
何時まで経っても、誰も自分の元へ来る素振りのない様に、座っている昨日のドリーナではない令嬢、伯爵令嬢であるフリューナに声を掛けたが、フリューナは聞こえていない振りをしていた。
「ペーラー侯爵令嬢!何をしておるのだ!君の学年の階ではないだろう!」
ローズマリーが呼んで来たクリスティーナの担任である、リガラットがようやくクラスまでやって来た。
皆はこれが侯爵令嬢だったのかと、コーランド王国ではあり得ない様だと、昨日見ていた者はてっきりファミラの方を侯爵令嬢だと思っていたほどである。
「王子殿下にご挨拶がまだでしたから、伺っただけでございます」
「その必要はない」
「ですが、私はルスデン王国の侯爵令嬢として、ご挨拶もさせて貰えませんの?」
「必要はないと言ったのが、聞こえなかったのか?それとも、ルスデン王国に連絡をさせて貰った方がいいか?」
「あっ、いえ、私はマナーとして来ただけですの。戻りますわ」
学園側は3人が何か問題を起こせば、ルスデン王国に連絡をして、国に帰すことも了承を得ていた。
勿論、クリスティーナ、アリナ、ファミラも聞いている。
クリスティーナは職員室に連れて行かれ、リガラットと向き合った。
「ルスデン王国は、王族にあのような振る舞いが許されているのですか」
「ええ、まあ、フランクな王子殿下ですので」
フランクな王子とはミソオのことで、クリスティーナも話したことがあるのは、ミソオくらいであるためであった。
「我が国では知り合いでもない方に、あのようなことは無礼となります。二度と殿下のクラスには行かないように、次は報告します」
「で、でも学園でしょう?」
「学園だからです。あなたはコーランド王国の者ではないので、伝えても役には立たないでしょうけど、社交界に出て、学園の頃は違ったなどと言い出すことのないようにです」
「えっ?」
クリスティーナは、理解が出来ず、首を捻った。
「学園では平等、だが社交界に出れば違う。それは分かりますか?」
「ええ、勿論ですわ」
「それなのに、学園では平等だったのにと、引きずり続けることがないように、今後も考えながら、学園で弁えることを学ぶのです」
「なるほど、そうですのね」
理解は出来たが、クリスティーナは侯爵令嬢だから関係ないわと思っていた。
「節度を持ち、学園だからというのであれば、皆に優しい行動を心がけてください」
「ええ、分かりましたわ」
お説教を終わらせたいクリスティーナは、頷いて置けばいいだろうと、全く頭には残っていなかった。
その後、クリスティーナはエルドールのクラスを訪ねることはなかったが、エルドールの顔をクラスメイトから聞き出し、特定していた。
「婚約者はいらっしゃるの?」
「勿論です」
「そうよね、どの方か教えていただけないかしら?」
クリスティーナも、エルドールは3年であることから婚約者がいないとは思っていなかった。
「現在はお体が良くないとのことで、学園には必要な際だけで、登校は免除されているそうです」
何時まで経ってもヨルレアンが登校しないこと、だが時折、学園長と一緒にいるところを見掛けることから、またもジャスミンによって、必要な際にだけいらして、登校は免除されていると話をして貰った。
「病気なの?」
「詳しくは存じ上げません」
「どんな方?」
「お美しい方です」
「公爵令嬢?」
「ええ、そうです」
自分のことは横に置き、いくら美しくとも、きっと我儘な爵位だけしか取り柄のない公爵令嬢なのだろうと思った。
しかも、病気で休んでいるなんて、婚約者失格じゃない?と思うのも早かった。
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